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「お前って、夜みたいな奴だよね」
初めは、悪口を言われているのだと思っていた。
それから、なんだかんだちょっかいをかけられてるうちに、自然と好きになってしまって、澄晴もその気だったみたいで。気が付けば、お付き合いをする運びになっていた。澄晴の部屋にお邪魔して、言葉を無理に交わすことなく緩やかな時間を共に過ごしている。
「ねぇ」
「ん?」
「今でも、私のこと夜みたいって思ってる?」
「……あー。覚えてた?」
困ったように笑う顔、嫌いじゃない。頷けば、澄晴は首の後ろに手を当てて、言葉を迷っているようだ。
「別に悪い意味じゃなくてさ」
「それはもう知ってる」
「うん。なんていうか。全部包み込んでくれそうだなーって。思ったの」
照れ臭そうに目を逸らす澄晴を、穴が空くんじゃないかってくらい、じっと見つめる。居心地悪そうに、澄晴はちょっと私を睨むと、目隠しするように抱き寄せてきた。彼のトレーナーから香る匂いに、安心して目を閉じる。
「俺、夜って好きなわけ。静かで、暗闇が汚いところ全部隠してくれて。でも、真っ暗闇ってわけでもなくて、優しく月が照らしてくれたりするわけでしょ? 安心するんだよ」
私の頭や背中を撫でながら、語りかけるように澄晴は囁く。その声を聞きながら、あぁ朝の目覚めのようだとぼんやりと思った。
「私は、澄晴のこと、朝みたいだと思う」
「今考えたでしょ、それ。こじつけだ」
「バレた?」
「バレバレ」
「でも、一応聞いてよ」
朝目覚めたら、一番最初に会いたい人へ。心を込めて、私は話し始めた。
「朝の爽やかな空気みたいにさ、新鮮な気持ちでいられるの。暖かくて、でも澄み渡っていて、淀みなんてなくて。澄晴も、そんな感じがする」
「……なにそれ、はっず。俺そんな綺麗な人間じゃないし」
「私だって、全部包み込めるような大きな人間じゃないよ」
そう言って無言が続いたら、どちらともなく笑い出して、挨拶がわりにキスをする。夜がなければ、朝は来ない。朝がなければ、夜は寂しい。朝と夜の溶け合う場所、それはきっと二人の生きていく場所。
初めは、悪口を言われているのだと思っていた。
それから、なんだかんだちょっかいをかけられてるうちに、自然と好きになってしまって、澄晴もその気だったみたいで。気が付けば、お付き合いをする運びになっていた。澄晴の部屋にお邪魔して、言葉を無理に交わすことなく緩やかな時間を共に過ごしている。
「ねぇ」
「ん?」
「今でも、私のこと夜みたいって思ってる?」
「……あー。覚えてた?」
困ったように笑う顔、嫌いじゃない。頷けば、澄晴は首の後ろに手を当てて、言葉を迷っているようだ。
「別に悪い意味じゃなくてさ」
「それはもう知ってる」
「うん。なんていうか。全部包み込んでくれそうだなーって。思ったの」
照れ臭そうに目を逸らす澄晴を、穴が空くんじゃないかってくらい、じっと見つめる。居心地悪そうに、澄晴はちょっと私を睨むと、目隠しするように抱き寄せてきた。彼のトレーナーから香る匂いに、安心して目を閉じる。
「俺、夜って好きなわけ。静かで、暗闇が汚いところ全部隠してくれて。でも、真っ暗闇ってわけでもなくて、優しく月が照らしてくれたりするわけでしょ? 安心するんだよ」
私の頭や背中を撫でながら、語りかけるように澄晴は囁く。その声を聞きながら、あぁ朝の目覚めのようだとぼんやりと思った。
「私は、澄晴のこと、朝みたいだと思う」
「今考えたでしょ、それ。こじつけだ」
「バレた?」
「バレバレ」
「でも、一応聞いてよ」
朝目覚めたら、一番最初に会いたい人へ。心を込めて、私は話し始めた。
「朝の爽やかな空気みたいにさ、新鮮な気持ちでいられるの。暖かくて、でも澄み渡っていて、淀みなんてなくて。澄晴も、そんな感じがする」
「……なにそれ、はっず。俺そんな綺麗な人間じゃないし」
「私だって、全部包み込めるような大きな人間じゃないよ」
そう言って無言が続いたら、どちらともなく笑い出して、挨拶がわりにキスをする。夜がなければ、朝は来ない。朝がなければ、夜は寂しい。朝と夜の溶け合う場所、それはきっと二人の生きていく場所。