夢の歌を紡ぎながら、未来の海賊たちを慈しむ音楽家見習いの話
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シャンクスが、まだ赤ちゃんの頃の話だ。
「……父さぁ〜ん、シャンクスが全然寝てくれない……」
びえええ、と泣いているシャンクスを腕に抱えて、父さんの部屋に入る。背中をトントンしても抱っこしても、あやしても全然泣き止まないから、私の目にも涙がにじんでいた。
「ミルクはもうあげたし、おしめはぬれてないし、何で泣いてるのか分かんないよ〜……」
「……これは、シャンクスも眠いのに眠れなくて、ぐずってる可能性が高いな。2人とも、ベッドに横になるといい」
私の部屋に戻り、父さんがシャンクスをベビーベッドに置く。私もベッドに横になると、父さんは私とシャンクスを見守れる位置に腰かけた。
父さんが子守歌を歌い出す。父さんの歌声は、"コマドリみたい"と言われたほど、高く澄んだ母さんの歌声とは違う。お祭りの日に村長さんが弾いていたチェロみたいな、深くて心地いい歌声。
聞いていると、頭の中がふわふわしてくる。
気づけば、シャンクスの泣き声が止まっていた。
父さんの歌を最後まで聞いていたいのに、いつも眠くなってしまう。残念だけど、この気持ちいいまどろみには抗えない。柔らかい毛布に包まれているから、ますますまぶたが重くなる。
「おやすみ。いい夢を」
優しい声と共に、指先がそっと、頬を撫でた気がした。