【番外編】心に残る歌を教えて
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リュウグウ王国の王女・しらほし。
アラバスタ王国の王女・ビビ。
ドレスローザ王国の王女(現在は侍女)・レベッカ。
トンタッタ王国の王女・マンシェリー。
世界会議に参加した際に出会った4人の王女たちは、同年代であることと、ルフィに助けられたという共通点から、すぐに仲良くなっていた。
女の子同士でおしゃべりに花を咲かせていたとき、しらほしが1人の人物を話題に挙げた。
「皆様は、"セイレーン"様をご存じですか?」
"セイレーン"とは、頂上戦争をきっかけに、指名手配されている人物。声から女性だと思われているけれど、容姿も経歴も名前すらも、一切の情報が不明な存在。しかし、"彼女"が奏でる歌は人々の心を惹きつけ、"彼女"の歌を封じ込めたトーンダイアルはたくさん世の中に出回っていた。
「もちろん! そういえば、私が生まれる前だけど、同じ歌を歌う旅人がアラバスタに来たって聞いたことがあるの」
「本当ですか!?」
ビビの言葉に、しらほしが瞳を輝かせる。
「わたくし、セイレーン様の歌の中で、『パート・オブ・ユア・ワールド』が一番好きなんです」
父や兄を含め、リュウグウ王国の人たちは『アンダー・ザ・シー』の方を好む人が多い。でも、しらほしは、陸に憧れる人魚姫の歌に心がときめいた。
踊ったり散歩したりできる足があったら。
日の光を浴びて道を走れたら。
暖かい砂の上で眠れたら。
陸の世界でしかできないことを夢見る、まばゆいほどの好奇心と冒険心にあふれた歌。
今までは憧れるだけだったけれど。こうして世界会議に出席するために、海の底から"タイヨウの世界"へ出て、しらほしも地上に住んでみたいと感じたのだ。
「私は『ホエン・シー・ラヴド・ミー』が好きだな」
「私は『ハイ・ホー』が好きれす! トンタッタの皆とよく歌ってます!」
レベッカは、オモチャの物語に出てくるカウガール人形の歌。マンシェリーは、口笛を吹き鳴らしながら、鉱石を掘る7人の小人たちの歌を挙げる。
初めてその歌を聞いたとき。レベッカの頭の中に浮かんだのは、ブリキの兵隊の姿になっても、側にいて守ってくれた父のこと。
"兵隊さんは勇敢で、いつでもキミのそばにいる"
優しい歌と共に、輝く季節を2人で過ごした。
悲しみも喜びも、寂しさも分け合った。
身を守るための戦い方を教えてくれた。
忘れてしまっていた、かけがえの無い人。
切なくも温かいその歌は、ドレスローザでも共感する人が多かった。
「私は『スピーチレス』が好きよ。あの歌を聞くと、勇気を貰えるの」
ビビが挙げたのは、焦げ付きそうな太陽が照りつける砂漠の国の物語に出てくる歌だった。
変装して王宮を抜け出す程に自由を求める王女が、自分の意見や言葉を示す、力強い歌。抑圧をはねのけて、声を上げる大切さを教えてくれる歌詞に、勇気づけられた女性は少なくないと聞く。
「セイレーン様って、どんな方なんでしょう……。一度お話をしてみたいです」
「私も会ってみたいれす!」
賞金首となっている以上、気軽に国に呼ぶことはできないし、探しても見つけられる可能性は低い。それでも、種族に関係なく、人の心に響く歌を歌える彼女のことを知りたい。その気持ちは4人に共通していた。