常闇くんとメデューサ少女
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寮の共有スペースでは、男子がいないときによく女子会が開かれている。
ヒーローを目指していても、やっぱり女子高生。友達とガールズトークを楽しみたいものである。
「あ。瞳ちゃんのその髪飾り、初めて見る!」
「透ちゃん、目ざといね」
彼女の銀髪は、女子一同が憧れずにはいられないほどの、つやつやストレートヘア。
あの爆豪があだ名に「サラサラ」とつけるほどの美髪を、今は青い満月をかたどった髪飾りでハーフアップにまとめていた。
「とても似合ってますわ!」
「色キレー! どこで買ったの?」
「……誕生日にもらったものなんだ」
八百万や芦戸に、はにかみながら答え、そっと髪に手をやる瞳。その綻んだ口元や赤らめた頬に、察した皆はほわんと笑みを浮かべた。
「常闇ちゃんね」
「常闇くんかあ」
「常闇ねえ……」
「やっ、梅雨ちゃんお茶子ちゃん響香ちゃんなんでそれを」
色白の顔を熟したりんごの色に染め、わたわたと忙しなく手を動かす瞳。そんな彼女に、憩が横から体当たりするように抱きついて言った。
「常闇やるねえ! ひゅーひゅー!」
「い、憩ちゃん……!」
「なら尚更大事にしないとだね! 男子が女子にアクセサリー買うのって、難易度高いらしいし!」
「そうなん? 透ちゃん」
「周りの女性客の視線にさらされて、超絶恥ずかしいらしいよ」
「こないだ読んだ少女漫画に載ってた!」と、葉隠がクッキーをつまみつつ麗日に説明する。
「常闇ちゃんが女の子向けのお店にいるところ、何だか想像できないわ」
そんなとき、お茶を飲みながら蛙吹が便乗した。頭の中で、ファンシーな店内と黒い彼をかけあわせたらしい。
「一緒にお出かけしたときに寄ったお店で、買ってくれてたみたいで……」
「どんな感じでもらったの? 普通に手渡し? それとも工夫付き?」
興味津々な芦戸たち。耳まで赤くなった瞳は頬を両手で押さえ、真面目な性格ゆえにぽつぽつと話し出した。
「た、誕生日に手渡しで。……『蛇ノ女によく似合うと思った。それに蒼月は、宿願を成就すると言われている』って……」
相手の願いが叶うように。そんな思いが込められているのが、十分すぎるくらい伝わって。
しばらく女子陣は、常闇くんを温かい眼差しで見つめるようになったという。