常闇くんとメデューサ少女
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共有スペースで意外な人を見つけた。
「……常闇くん?」
ソファで横向きに寝転がっている彼に、小さく声をかけてみると反応がない。
こんなところで寝てるなんて、めずらしい……。人目があるところでは、隙を見せないような印象があったから、なおさらだ。
そっと近くに座ってみると、穏やかな寝息が聞こえてくる。疲れがたまってきてたのかな。
普段は恥ずかしくて、なかなか目を合わせられないけど。常闇くんが寝ているせいか、少し勇気が湧いてきた。
顔をのぞき込んでみる。
瞑った目元や、少し開いたくちばし。寝ている姿も凛々しく見えて、つい見とれてしまう。
常闇くんはまだ目を開けない。そろそろと手を伸ばし、私は常闇くんの頬に少しだけふれた。ふわりとした羽毛のような感触。ほのかに温かくて、そっと撫でる。
いつ起きるかという緊張感か。
彼のことが好きだからか。
心臓の鼓動が、少しずつ速くなる。
「………………好きだなぁ……」
優しく、優しく。起こさないように、ぎりぎりの力でそっと撫で続けていたとき。
「ん……」
「!!!」
ぴくり、と常闇くんが身じろぎし、私はビクッと体を震わせた。
上がりそうな声を何とか抑えると同時に、顔がみるみるうちに熱くなる。彼が気がつく前にと、私は慌てて自分の部屋に駆け戻った。
その途中、誰にも会わなかったのがただ一つの救いで。
(……ね、寝込みをおそった気分……)
恥ずかしさと焦りでどうしたらいいか分からずに混乱し、顔の熱はしばらく引かなかった。
一方、常闇は身じろぎしただけでまだ夢の中だった。
そんななか、ぴょこりと体を起こしたのは一つの影。それは、常闇の個性でありパートナーの黒影。
彼は寝ている常闇に配慮して、内心こうつぶやいた。
(瞳モ踏影モ、奥手スギルヨ……)
翌日瞳に会ったら、「チューシテモイインダヨ!」と言おうと心に決めて。
何も知らずに眠りの中に入る相棒を、起こしにかかる黒影だった。