常闇くんとメデューサ少女
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事件は会議室ではなく、寮の共有スペースで起きた。
「ぎゃああああああ窓から虫入ってきたあああ!!」
上鳴の叫びが辺りにとどろく。名前を言ってはいけない例のあの虫が襲来した。
「俺がコロス……!」
「やめてかっちゃん! 火事になっちゃう!」
「……虫取り網は出しましたので、誰か捕獲してくださいませんか……?」
「そこは殺虫剤出してくれよヤオモモ!」
「駄目だ! 殺虫剤の耐性を持つ個体が生まれてくる!」
「飯田くん怖いこと言わんといて!?」
「口田虫と話せるんでしょ何とかしてえええええ!」
「〜〜!!」
指名された本人は青ざめた顔で、全力で首を横に振っている。
そのとき突然、縦横無尽に飛び回っていた虫が空中で動きを止めた。
そのまま万有引力の法則に従って落下し、いつの間にか移動していた虫取り網の中に収まる。
虫取り網の柄を持っていたのは、なんとクラスで2番目くらいに大人しい蛇ノ女 瞳だった。
彼女は何ともないような顔で窓辺に行き、網を振って中の虫を出す。同時に石化を解除したらしく、虫は空へ飛んでいった。
「……え、蛇ノ女さん。今のどうやって……」
緑谷が恐る恐る聞く。彼女の個性は、立ち止まっている対象を石化させるのにも、多少の時間を要するものだったからだ。
「……素早く動く対象の形を大まかでも見極めて、一瞬のうちに石に変えるイメージを作り出す。『瞬石化』。実践に使えそうなレベルまで来ました」
林間合宿のときから試行錯誤してきた成果を示すように。こちらを振り返り、ちょっと得意そうに彼女は微笑む。
「蛇ノ女すげーー!!」
「瞳ちゃん、ありがとうー!!」
その直後に共有スペース内が沸き立ったのは言うまでもない。