2.フェアリーガーデンの住人たち
フェアリーガーデンに女の子が来たと知って、物陰から初めてセイラを見たとき。思い出したのは、最初に私を買ってくれた女の子だった。
――パパ。エミリーがいたわ。
――私たちを待っていたのよ。早く行ってあげましょう。
ショーウィンドウ越しに見えたのは、大人びた目つきをした、小さな女の子。黒い髪を揺らして、白い頬をバラ色に染めて、灰色がかった緑色の目を嬉しそうに輝かせていた。
私を大切にしてくれたあの子と、セイラはよく似ていた。私は嬉しくてたまらなかった。
今の私は、クレマンの魔法で人間の姿に変身できる。おがくずの詰まった体じゃ、できないことができる。走ったりスキップをしたり、ダンスをしたり。一晩中おしゃべりしたり、一緒に美味しいケーキを食べたり。泣いていたら涙を拭いてあげて、悩んでいたら寄り添ってあげられる。
あの子にしてあげられなかったことを、全部できる!
そう思っていたけど、セイラと過ごすうちに、その気持ちだけじゃなくなっていた。
誰かのために頑張ったり悲しんだりできる、とても素直で無垢な、優しい心。他の人を大事に思う、柔らかいその心を、私も大切にしたい。
あの子に似ているからじゃなくて、セイラ自身のことが好きだから、お友達になりたい。そう考えるようになっていた。