大きなケガ無く帰るまでが交流会です
「アンタいつの間にあのゴリラと仲良くなったのよ」
「いや仲良くなったっつーか……、記憶はあんだけどあの時は俺が俺じゃなかったというか……」
「何アンタ酔ってたの?」
「釘崎は俺があの状況で酒を飲みかねないと思ってるの?」
ベッドの両サイドで野薔薇と悠仁くんが話すのを聞きながら、私はトマトソースベースにベーコンとサラミを乗せたピザを頬張っていた。とろけたチーズがみょーんと伸びる。ふかふかもちもちのナポリタイプもいいけど、サクサクで薄いクリスピータイプも好き。
あの後、私は呪力切れで倒れたらしい。
硝子さんいわく、ちゃんと休んでちゃんとごはんを食べれば問題ないそうだ。ピザ美味しい。
グリムも元気になったみたいで、はぐはぐと夢中でピザを食べていた。口元がソースで汚れていたので、ティッシュで拭いてあげた。
「倒れた時はビックリしたけど、佑も大丈夫そうで良かったな。ピザ食えてるし!」
「俺はもっと消化のいいものにしろって言ったんだけどな」
ベッドの上に広げた箱からピザをひと切れ取りながら、伏黒くんが言う。ピザを食べてる時、頬がちょっと膨らんでて、もくもく咀嚼してるのが可愛い。
伏黒くんが、少年院の時に悠仁くんとした話を振り返る。答えの無い問題に対して、あとは自分が納得できるかどうかだと、伏黒くんは語る。
「俺も強くなる。すぐに追い越すぞ」
「ハハッ、相変わらずだな」
「私抜きで話進めてんじゃねーよ」
「私も頑張るよ」
「それでこそ、
最初からそこにいたような自然さで、さっきまでいなかった声が混ざる。気づけば伏黒くんの後ろで、東堂さんが腕組みをして満足そうに頷いていた。
次の瞬間、悠仁くんの姿が消えた。窓の向こうに走っていく彼の影が見える。東堂さんも窓から飛び出し、彼を追いかけた。
親友から兄弟に昇格してる。仲良し度がアップしてるなあ。
「どこへ行く
「感謝はしてる! でも勘弁してくれ! あの時俺は正気じゃなかった!!」
「何を言っている!
「俺はオマエと同中じゃねぇ!!」
「え、そうなんだ?」
こうして誤解は解けたのだった。