付喪神と一緒
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ご覧頂けただろうか…。
おどろおどろしいBGMと共に、低い声がテレビから聞こえてくる。
珍しく心霊番組があっていたので、私と銀ちゃんはリビングで見ることにしたのだが、私の肩にちょこんと座った銀ちゃんはしきりに体を動かしたりブツブツと何かを呟いたりしている。
『人間ってのはいつの時代も怪談やら怪奇現象やらに夢中になるんだな』
「そうだねぇ~昔からの怖い話とかもあるもんね!って、銀ちゃんもある意味怖い話になるんじゃない?付喪神って…」
『付喪神っつったって、今は別に悪さしてねーし。俺ァただ食うだけだ…目の前のお菓子をな…』
「なんかそれ聞いた事ある口調」
ぽん子と同じクラスの眼帯の真似~と言いながら、銀ちゃんは私の肩からぴょんと飛び降り、テーブルの上の煎餅を器用に開けて食べだした。
もはや見慣れたその光景に呆れながらも私も一枚頂こうかとお煎餅に手を伸ばした時、銀ちゃんの後ろ姿に小さな違和感を覚えた。
「んんっ?!」
『何っ?!』
ビクッと体ごと跳ねた銀ちゃんは煎餅を持ったまま私の方へ走ってきた。あぁ、カスが…と同時に、いつもの銀ちゃんと何か違う気がしてじいっと観察する。
『何っ?!なんか言えよ!別にビビってるとかじゃねぇけど、ぽん子に何かあったら俺が困るだろ!』
「いやお化けが見えたとかじゃないから怖がらなくていいんだけど…」
差し出した私の手の中に隠れようとする銀ちゃんに呆れながら、手のひらで包こもうとしたが頭だけでなく肩まではみ出している。
「………ねぇ銀ちゃん…………ちょっと成長した?」
以前はすっぽり隠れるぐらい小さかったのが、ふと気づけば10センチはゆうに超えるほどに大きくなっていた。
「毎日見てたから気づかなかったけど、倍ぐらいになってるよ?」
『まじかっ!まさかの成長期かよ!』
「お菓子食べすぎたんじゃない?どこまで大きくなるのかなぁ」
『何でエネルギー源がお菓子なんだよ!それならこれから喜んで食いまくりますけど』
もはやテレビどころではなくなった私は、ばたばたとリビングの戸棚から定規を取り出して銀ちゃんを捕まえようと手を伸ばしたら、ふわりとしか触れなかった銀ちゃんの体をむんずと掴むことが出来てしまった。
『ぐぇっ』
「ええっ!めっちゃ触れるようになってる!」
『やべぇやべぇ!テレビもだけど俺もどうなってんのコレ!』
「まぁいいや、ちょっと測らせてね」
そんな銀ちゃんは手で顔を覆い、指の隙間から心霊写真コーナーを見ていたようであからさまに叫び声を上げたが、困惑するのもお構い無しに定規の横にしっかりと立たせて頭とメモリを見比べる。
「すごーい、15センチだって!」
『まじでか!かなりでかくなってんじゃねーか』
「逆に何で気づかなかったんだろ?5センチくらいから成長してたんなら、結構違うよね?」
『さぁな。しっかしデカくなった所でなぁ……』
別に何か変わったわけじゃねぇし、と言いながら銀ちゃんは腕組みをしている。
相変わらず銀ちゃんに触れられるのは私だけだし、見えているのも私だけのようだ。
強いていえば、阿音ちゃん百音ちゃんは何となく銀ちゃんが見えて居るような気がしないでもない。
たまに遠巻きに私を指さしている時があって、そんな時は大体銀ちゃんを肩に乗せて居るからだ。
「もしかして、もっと大きくなったら皆も見えるようになるんじゃない?」
『さぁな~』
そう言ってまた銀ちゃんはテレビを見ながら、あれは作り物だなんだとぶつくさ呟き始めた。
そして時折ビクッと体を揺らしては、私の手の中に隠れようとしている。
「怖いんなら見なきゃいいのに」
「ばっばか!怖くねぇよ!ぜんっぜん怖くねぇよ!」
怖がりなのはすっかりバレているのに、青ざめながらも怖くないと虚勢を張る銀ちゃんが微笑ましくてくすくす笑っていると、リビングに来たお母さんから不審がられてしまった。
私にしか見えていないのだから、ホラー番組を見ながら笑う娘に怪訝な顔をするのも当たり前か。
「どうしたの?アンタ怖いの苦手だったでしょう」
「うん、でも他にちょっと面白いことがあったから笑っちゃったの。お母さんもこれ見ないならテレビ切るね」
「そうね、お願い」
ひょいとリモコンを取ってテレビを消せば、銀ちゃんはまだごちゃごちゃと文句を言っていた。
それに知らんぷりしてそのまま席を立つと、大慌てで私の肩にふわりと飛び乗ってきた銀ちゃんがおかしくてぷッと吹き出してしまう。
「やっぱ怖いんじゃん」
『いやいや、俺が居ないとぽん子が怖いと思ってだな』
「はいはい、そういう事にしときます」
触れるようになっても肩には何の重みも感じず不思議だけど、小さな子供のように足をぶらぶらさせながら座る銀ちゃんに、また笑ってしまった。
怖いのはだれ?
「もう寝ようか、銀ちゃん」
『そうだな。あっ、今日はとなりでお願します。いやらしい意味じゃなくて』
「やっぱ怖いんじゃん」
おどろおどろしいBGMと共に、低い声がテレビから聞こえてくる。
珍しく心霊番組があっていたので、私と銀ちゃんはリビングで見ることにしたのだが、私の肩にちょこんと座った銀ちゃんはしきりに体を動かしたりブツブツと何かを呟いたりしている。
『人間ってのはいつの時代も怪談やら怪奇現象やらに夢中になるんだな』
「そうだねぇ~昔からの怖い話とかもあるもんね!って、銀ちゃんもある意味怖い話になるんじゃない?付喪神って…」
『付喪神っつったって、今は別に悪さしてねーし。俺ァただ食うだけだ…目の前のお菓子をな…』
「なんかそれ聞いた事ある口調」
ぽん子と同じクラスの眼帯の真似~と言いながら、銀ちゃんは私の肩からぴょんと飛び降り、テーブルの上の煎餅を器用に開けて食べだした。
もはや見慣れたその光景に呆れながらも私も一枚頂こうかとお煎餅に手を伸ばした時、銀ちゃんの後ろ姿に小さな違和感を覚えた。
「んんっ?!」
『何っ?!』
ビクッと体ごと跳ねた銀ちゃんは煎餅を持ったまま私の方へ走ってきた。あぁ、カスが…と同時に、いつもの銀ちゃんと何か違う気がしてじいっと観察する。
『何っ?!なんか言えよ!別にビビってるとかじゃねぇけど、ぽん子に何かあったら俺が困るだろ!』
「いやお化けが見えたとかじゃないから怖がらなくていいんだけど…」
差し出した私の手の中に隠れようとする銀ちゃんに呆れながら、手のひらで包こもうとしたが頭だけでなく肩まではみ出している。
「………ねぇ銀ちゃん…………ちょっと成長した?」
以前はすっぽり隠れるぐらい小さかったのが、ふと気づけば10センチはゆうに超えるほどに大きくなっていた。
「毎日見てたから気づかなかったけど、倍ぐらいになってるよ?」
『まじかっ!まさかの成長期かよ!』
「お菓子食べすぎたんじゃない?どこまで大きくなるのかなぁ」
『何でエネルギー源がお菓子なんだよ!それならこれから喜んで食いまくりますけど』
もはやテレビどころではなくなった私は、ばたばたとリビングの戸棚から定規を取り出して銀ちゃんを捕まえようと手を伸ばしたら、ふわりとしか触れなかった銀ちゃんの体をむんずと掴むことが出来てしまった。
『ぐぇっ』
「ええっ!めっちゃ触れるようになってる!」
『やべぇやべぇ!テレビもだけど俺もどうなってんのコレ!』
「まぁいいや、ちょっと測らせてね」
そんな銀ちゃんは手で顔を覆い、指の隙間から心霊写真コーナーを見ていたようであからさまに叫び声を上げたが、困惑するのもお構い無しに定規の横にしっかりと立たせて頭とメモリを見比べる。
「すごーい、15センチだって!」
『まじでか!かなりでかくなってんじゃねーか』
「逆に何で気づかなかったんだろ?5センチくらいから成長してたんなら、結構違うよね?」
『さぁな。しっかしデカくなった所でなぁ……』
別に何か変わったわけじゃねぇし、と言いながら銀ちゃんは腕組みをしている。
相変わらず銀ちゃんに触れられるのは私だけだし、見えているのも私だけのようだ。
強いていえば、阿音ちゃん百音ちゃんは何となく銀ちゃんが見えて居るような気がしないでもない。
たまに遠巻きに私を指さしている時があって、そんな時は大体銀ちゃんを肩に乗せて居るからだ。
「もしかして、もっと大きくなったら皆も見えるようになるんじゃない?」
『さぁな~』
そう言ってまた銀ちゃんはテレビを見ながら、あれは作り物だなんだとぶつくさ呟き始めた。
そして時折ビクッと体を揺らしては、私の手の中に隠れようとしている。
「怖いんなら見なきゃいいのに」
「ばっばか!怖くねぇよ!ぜんっぜん怖くねぇよ!」
怖がりなのはすっかりバレているのに、青ざめながらも怖くないと虚勢を張る銀ちゃんが微笑ましくてくすくす笑っていると、リビングに来たお母さんから不審がられてしまった。
私にしか見えていないのだから、ホラー番組を見ながら笑う娘に怪訝な顔をするのも当たり前か。
「どうしたの?アンタ怖いの苦手だったでしょう」
「うん、でも他にちょっと面白いことがあったから笑っちゃったの。お母さんもこれ見ないならテレビ切るね」
「そうね、お願い」
ひょいとリモコンを取ってテレビを消せば、銀ちゃんはまだごちゃごちゃと文句を言っていた。
それに知らんぷりしてそのまま席を立つと、大慌てで私の肩にふわりと飛び乗ってきた銀ちゃんがおかしくてぷッと吹き出してしまう。
「やっぱ怖いんじゃん」
『いやいや、俺が居ないとぽん子が怖いと思ってだな』
「はいはい、そういう事にしときます」
触れるようになっても肩には何の重みも感じず不思議だけど、小さな子供のように足をぶらぶらさせながら座る銀ちゃんに、また笑ってしまった。
怖いのはだれ?
「もう寝ようか、銀ちゃん」
『そうだな。あっ、今日はとなりでお願します。いやらしい意味じゃなくて』
「やっぱ怖いんじゃん」