付喪神と一緒
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「ぽん子!土方と付き合ってるってマジアルか?」
『いやぁーあいつはやめといた方がいいね。やべぇ匂いしかしねぇ』
「いやいや、ただの友達だよ」
「そっかぁーそれなら良かったネ!あのマヨラーと付き合っていたらと思うと夜と昼しか眠れなかったアル」
「十分だよ神楽ちゃん」
『十分だろアルアル娘』
急に神楽ちゃんが、私と土方くんが付き合っているかだなんて聞いてきてすごく驚いた。
まさかそんな風に思われることなんて何も無かったと思うし、私自身も土方くんにそう思うこともなかったから余計にだ。
ただ1つ気になるのは…。
「神楽ちゃん、今周りに誰も居ないよね」
「居ないけど…どしたネ?」
『あれっ、もしかして俺の声かな』
「だよね、何だか他の声も聞こえた気がしたんだけど気の所為だよね」
『それ多分俺だわ、おーいぽん子ちゃん、俺ですー』
どこかから、いきなり声が聞こえてくる。それもハッキリと私の名前を呼んでいる!
神楽ちゃんには全く聞こえていないようで、キョトンとした顔で私を見て首を傾げている。
いつもならその可愛さで頭を撫でるところだが、『聞こえてるよね?ぽん子ちゃぁん』という言葉に、今の私はその余裕はなかった。
慌てて神楽ちゃんに別れを告げて、猛スピードで自宅へと帰ると、自室へ駆け込みベッドの中へと飛び込んだ。
「えっ、何、呪い?知らないうちに私何かに取り憑かれた?」
『お前にゃ何も取り憑いてねぇから大丈夫だよ』
「あっそうなんだ、じゃあ…」
この声は一体どこから聞こえているのでしょうか?
体を起こしてキョロキョロと周りを見渡すも、そこはいつもと変わらない景色が拡がっている。
ただ一つだけ違うとすれば…
『よぉ、やっと聞こえるようになったか~』
私の通学リュックの上にちょこんと座っている何者かが、にやりとこちらを見ている。
「手乗り銀八?」
『誰が銀八だ!』
髪の毛を逆立てるが如く立ち上がってこちらを睨みつけるその姿は、まるで担任の先生を幾重にも小さくさせたような見た目をしている。
「なにこれーちっちゃい銀八先生がいる…」
そろっと指を伸ばして触れてみると、ほんのり暖かい。
指先でつんつんすれば、小さな体は少しだけ私の動きに合わせて揺れて、銀色の髪もふわふわと揺れている。
『銀八先生じゃねえっつの。俺は銀時だ』
「銀時?」
小さい先生ならぬ銀時は、ふんふんと頷いている。最初は気味悪く思っていたが、マスコットキャラクターのように見えてきて今では少し可愛いとすら思えているから不思議だ。
『ぽん子、だいぶ前にババアからお守り貰っただろ?
俺はそのお守りの中に入ってたちっせぇ木刀の付喪神って訳だ』
「はぁ…人のおばあちゃんをババアって…」
どうだと言わんばかりに胸を張った銀時は、どうやら付喪神という分類の何がしからしい。
付喪神といえば、物に命が宿ることでどうのこうのと聞いたことがあるような気がして、ネットで探してみることにした。
「何なに、人間にイタズラをする…えっ!困るんだけど」
『いやいや、イタズラったって靴を左右に入れ替えたぐらいしかしてねぇよ?』
そう言われて思い返せば、ここ数日何故か靴の場所が入れ替わっていて、何度か腹を立てたことがあった。
まさかその犯人がこんなよく分からない存在の仕業だったなんて。
「それ銀時の仕業だったの!?地味にストレス溜まるから止めなさい!」
『あっスンマセン…』
スマホを覗き込むべく私の肩に移動していた銀時を手のひらに乗せ、目を釣りあげて怒れば銀時は焦った顔で正座をした。
そのまましょんぼりと頭を垂れる姿に、叱られた子犬のような姿を重ねてしまった私は銀時の頬を親指で撫でると、そっとベッドの上に小さな体を下ろした。
「とりあえず…害がないなら良いんだけど…ないんだよね?」
どうやら悪さといってもほんの些細なことのようだし、彼を観察するのも悪くないと思い始めていた私は一応、彼の気持ちを確認しておく。
嘘をつかれたらそれまでだが、彼も神と名前が付いているのならそんなに悪さはしないだろう。
悪くない神様ならば、だけど…。
『おー、やっと気づいてもらったからな
今後は悪さしねぇよ』
銀時のその言葉に、ほっと胸を撫で下ろす。
この小さな神様が何をしに現れたのかは分からないが、こんな超常現象が起こるのであれば、私はこれからは物を大切にしようと思ったのであった。
『いやぁーあいつはやめといた方がいいね。やべぇ匂いしかしねぇ』
「いやいや、ただの友達だよ」
「そっかぁーそれなら良かったネ!あのマヨラーと付き合っていたらと思うと夜と昼しか眠れなかったアル」
「十分だよ神楽ちゃん」
『十分だろアルアル娘』
急に神楽ちゃんが、私と土方くんが付き合っているかだなんて聞いてきてすごく驚いた。
まさかそんな風に思われることなんて何も無かったと思うし、私自身も土方くんにそう思うこともなかったから余計にだ。
ただ1つ気になるのは…。
「神楽ちゃん、今周りに誰も居ないよね」
「居ないけど…どしたネ?」
『あれっ、もしかして俺の声かな』
「だよね、何だか他の声も聞こえた気がしたんだけど気の所為だよね」
『それ多分俺だわ、おーいぽん子ちゃん、俺ですー』
どこかから、いきなり声が聞こえてくる。それもハッキリと私の名前を呼んでいる!
神楽ちゃんには全く聞こえていないようで、キョトンとした顔で私を見て首を傾げている。
いつもならその可愛さで頭を撫でるところだが、『聞こえてるよね?ぽん子ちゃぁん』という言葉に、今の私はその余裕はなかった。
慌てて神楽ちゃんに別れを告げて、猛スピードで自宅へと帰ると、自室へ駆け込みベッドの中へと飛び込んだ。
「えっ、何、呪い?知らないうちに私何かに取り憑かれた?」
『お前にゃ何も取り憑いてねぇから大丈夫だよ』
「あっそうなんだ、じゃあ…」
この声は一体どこから聞こえているのでしょうか?
体を起こしてキョロキョロと周りを見渡すも、そこはいつもと変わらない景色が拡がっている。
ただ一つだけ違うとすれば…
『よぉ、やっと聞こえるようになったか~』
私の通学リュックの上にちょこんと座っている何者かが、にやりとこちらを見ている。
「手乗り銀八?」
『誰が銀八だ!』
髪の毛を逆立てるが如く立ち上がってこちらを睨みつけるその姿は、まるで担任の先生を幾重にも小さくさせたような見た目をしている。
「なにこれーちっちゃい銀八先生がいる…」
そろっと指を伸ばして触れてみると、ほんのり暖かい。
指先でつんつんすれば、小さな体は少しだけ私の動きに合わせて揺れて、銀色の髪もふわふわと揺れている。
『銀八先生じゃねえっつの。俺は銀時だ』
「銀時?」
小さい先生ならぬ銀時は、ふんふんと頷いている。最初は気味悪く思っていたが、マスコットキャラクターのように見えてきて今では少し可愛いとすら思えているから不思議だ。
『ぽん子、だいぶ前にババアからお守り貰っただろ?
俺はそのお守りの中に入ってたちっせぇ木刀の付喪神って訳だ』
「はぁ…人のおばあちゃんをババアって…」
どうだと言わんばかりに胸を張った銀時は、どうやら付喪神という分類の何がしからしい。
付喪神といえば、物に命が宿ることでどうのこうのと聞いたことがあるような気がして、ネットで探してみることにした。
「何なに、人間にイタズラをする…えっ!困るんだけど」
『いやいや、イタズラったって靴を左右に入れ替えたぐらいしかしてねぇよ?』
そう言われて思い返せば、ここ数日何故か靴の場所が入れ替わっていて、何度か腹を立てたことがあった。
まさかその犯人がこんなよく分からない存在の仕業だったなんて。
「それ銀時の仕業だったの!?地味にストレス溜まるから止めなさい!」
『あっスンマセン…』
スマホを覗き込むべく私の肩に移動していた銀時を手のひらに乗せ、目を釣りあげて怒れば銀時は焦った顔で正座をした。
そのまましょんぼりと頭を垂れる姿に、叱られた子犬のような姿を重ねてしまった私は銀時の頬を親指で撫でると、そっとベッドの上に小さな体を下ろした。
「とりあえず…害がないなら良いんだけど…ないんだよね?」
どうやら悪さといってもほんの些細なことのようだし、彼を観察するのも悪くないと思い始めていた私は一応、彼の気持ちを確認しておく。
嘘をつかれたらそれまでだが、彼も神と名前が付いているのならそんなに悪さはしないだろう。
悪くない神様ならば、だけど…。
『おー、やっと気づいてもらったからな
今後は悪さしねぇよ』
銀時のその言葉に、ほっと胸を撫で下ろす。
この小さな神様が何をしに現れたのかは分からないが、こんな超常現象が起こるのであれば、私はこれからは物を大切にしようと思ったのであった。
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