土方くんとトッシーと私と(土方)
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初めて会った時の事なんて、ぽん田にゃ悪いが全く覚えていない。
1年の時に話したことがあるそうだが、多数いる同級生のうちの一人という程度の認識のまま総悟からぽん田のことを聞いて、トッシーとダチだなんてきっと頭のおかしいオタク女なんだろうとしか思っていなかった。
だが話してみれば案外面白いやつで話す機会が増えて、そうやって過ごしていくうちアイツが俺といる時とトッシーといる時じゃあ態度が違うことに気づいた。
それから注意して接していれば、トッシーといるぽん田はウンザリしたような顔をしながらも笑っていたり、楽しそうに話をしている。
じゃあ俺の前ではどうかというと、ぽん田はいつも緊張したような態度で笑っているんだか困っているんだ分からない顔で、だけど俺が話しかければちゃんと聞いてくれて返事もして、あぁきっと慣れの差なんだろうなと思えるようになっていた時だった。
クリスマスのあの日、チャイナ娘の一言に俺は知らないふりをしながら腹の底で固く閉めていた蓋をこじ開けられたような気がした。
トッシーはぽん田に対して恋愛感情なんてもんは持ってないハズだ。
だけど「取り合っている」と言われた時、そんなことは無いと言い切ることが出来ず結局うやむやなままぽん田のことも避けてしまった。
目を逸らした俺に対して何も言ってはこなかったが、寂しそうにこちらを見ていたのは気付いていたし、話しかけようとしていたのも知っている。
だから俺にだけ不自然だったのも、もしかして…と自惚れるくらいには、俺の方こそぽん田を意識するようになってしまった。
学校で見かけた時にはつい目で追いかけていたり、あいつのクラスが校庭に出ていれば姿を探してみたり。
それでも、俺から何かを起こすほど自分の気持ちに確信が持てず過ごしていた俺がぽん田の気持ちを知ってしまったのは、本当に偶然のことだった。
いつものように近藤さんや総悟と出かけて帰ってきたら、玄関にぽん田の靴があることに気づいた。
顔を合わせたらどうしようかと悩んだが、それはその時に考えようと自分の部屋に入ろうとした。
トッシーの部屋から細く明かりが漏れていて、その隙間からそっと覗いてみると部屋にいるのはぽん田だけで、コタツにうつ伏せになっていた。
通り過ぎようと思ったが、ピクリとも動かないぽん田にもしかして寝ている?と気になってドアノブに手をかけそっと入れば、ぽん田は俺をトッシーだと勘違いした様子で半ば夢の中のようだった。
初めて見たそんな姿に物珍しさと、ちょっとイタズラしてやろうという好奇心でぽん子に触れたのが間違いだったんだろう。
ぽん田の細い指が俺の指を掴んで、きっと勝手に聞いてはいけない言葉を耳にしてしまった。
ハッとしてぽん田から指を離し、慌てて部屋に戻る途中トッシーが帰ってきたのか玄関で物音がしたが、聞かなかった振りをして自室のドアを閉めた。
ぽん田に対する罪悪感からか後になって緊張しているのか心臓が痛いほどバクバクと高鳴り、床に座り込むと俺はこじ開けられた蓋が何だったのかをハッキリと自覚した。
それからぽん田の言葉を思い出して、熱くなった顔を両手で覆い隠しながら大きく息を吸って吐き出した。
トッシーの廊下を歩く足音とドアの閉まる音を俺は座り込んだまま聞き流し、壁一枚を隔てた向こう側でまだ眠ったままであろうぽん田を思い浮かべて髪を掻き乱した。
それが、ほんのつい先程の話。
ぽん田を家の近くまで送りながら、これまで感じていた俺に対する態度への違和感は全て俺への好意だったことも全部わかった上で、俺はぽん田にマフラーを貸した。
クソほど遠回しだが、口実のひとつでもないと俺はぽん田とまだ距離を詰められない。
のお陰というのはかなり癪だが、 帰宅した俺はトッシーの部屋の前で立ち止まると、ドアの前で小さく呟いた。
「テメーだけ会ってんじゃねぇよ」
今更気づいて嫉妬して、自分でも勝手だとは分かっているがコイツが聞いていようがいまいが関係なく何か一言いってやりたかった。
ドアの向こうからはなんの返事も無かったが、俺はそのまま自室へと戻るとベッドへ倒れ込み、そっと瞼を閉じる。
「俺だっせぇ」
ぽん田と自分の気持ちにやっと気づいた俺自身が情けなくて、ため息とともに自虐の言葉を口にした。
明日からどんな顔でぽん田と接したらいいんだ、なんて考えながらうだうだしていたら、あっという間に夜は更けていった。
君の夢に俺はいないけど
俺の夢ではトッシーとぽん田が仲良くしていて胸糞悪かった。
1年の時に話したことがあるそうだが、多数いる同級生のうちの一人という程度の認識のまま総悟からぽん田のことを聞いて、トッシーとダチだなんてきっと頭のおかしいオタク女なんだろうとしか思っていなかった。
だが話してみれば案外面白いやつで話す機会が増えて、そうやって過ごしていくうちアイツが俺といる時とトッシーといる時じゃあ態度が違うことに気づいた。
それから注意して接していれば、トッシーといるぽん田はウンザリしたような顔をしながらも笑っていたり、楽しそうに話をしている。
じゃあ俺の前ではどうかというと、ぽん田はいつも緊張したような態度で笑っているんだか困っているんだ分からない顔で、だけど俺が話しかければちゃんと聞いてくれて返事もして、あぁきっと慣れの差なんだろうなと思えるようになっていた時だった。
クリスマスのあの日、チャイナ娘の一言に俺は知らないふりをしながら腹の底で固く閉めていた蓋をこじ開けられたような気がした。
トッシーはぽん田に対して恋愛感情なんてもんは持ってないハズだ。
だけど「取り合っている」と言われた時、そんなことは無いと言い切ることが出来ず結局うやむやなままぽん田のことも避けてしまった。
目を逸らした俺に対して何も言ってはこなかったが、寂しそうにこちらを見ていたのは気付いていたし、話しかけようとしていたのも知っている。
だから俺にだけ不自然だったのも、もしかして…と自惚れるくらいには、俺の方こそぽん田を意識するようになってしまった。
学校で見かけた時にはつい目で追いかけていたり、あいつのクラスが校庭に出ていれば姿を探してみたり。
それでも、俺から何かを起こすほど自分の気持ちに確信が持てず過ごしていた俺がぽん田の気持ちを知ってしまったのは、本当に偶然のことだった。
いつものように近藤さんや総悟と出かけて帰ってきたら、玄関にぽん田の靴があることに気づいた。
顔を合わせたらどうしようかと悩んだが、それはその時に考えようと自分の部屋に入ろうとした。
トッシーの部屋から細く明かりが漏れていて、その隙間からそっと覗いてみると部屋にいるのはぽん田だけで、コタツにうつ伏せになっていた。
通り過ぎようと思ったが、ピクリとも動かないぽん田にもしかして寝ている?と気になってドアノブに手をかけそっと入れば、ぽん田は俺をトッシーだと勘違いした様子で半ば夢の中のようだった。
初めて見たそんな姿に物珍しさと、ちょっとイタズラしてやろうという好奇心でぽん子に触れたのが間違いだったんだろう。
ぽん田の細い指が俺の指を掴んで、きっと勝手に聞いてはいけない言葉を耳にしてしまった。
ハッとしてぽん田から指を離し、慌てて部屋に戻る途中トッシーが帰ってきたのか玄関で物音がしたが、聞かなかった振りをして自室のドアを閉めた。
ぽん田に対する罪悪感からか後になって緊張しているのか心臓が痛いほどバクバクと高鳴り、床に座り込むと俺はこじ開けられた蓋が何だったのかをハッキリと自覚した。
それからぽん田の言葉を思い出して、熱くなった顔を両手で覆い隠しながら大きく息を吸って吐き出した。
トッシーの廊下を歩く足音とドアの閉まる音を俺は座り込んだまま聞き流し、壁一枚を隔てた向こう側でまだ眠ったままであろうぽん田を思い浮かべて髪を掻き乱した。
それが、ほんのつい先程の話。
ぽん田を家の近くまで送りながら、これまで感じていた俺に対する態度への違和感は全て俺への好意だったことも全部わかった上で、俺はぽん田にマフラーを貸した。
クソほど遠回しだが、口実のひとつでもないと俺はぽん田とまだ距離を詰められない。
のお陰というのはかなり癪だが、 帰宅した俺はトッシーの部屋の前で立ち止まると、ドアの前で小さく呟いた。
「テメーだけ会ってんじゃねぇよ」
今更気づいて嫉妬して、自分でも勝手だとは分かっているがコイツが聞いていようがいまいが関係なく何か一言いってやりたかった。
ドアの向こうからはなんの返事も無かったが、俺はそのまま自室へと戻るとベッドへ倒れ込み、そっと瞼を閉じる。
「俺だっせぇ」
ぽん田と自分の気持ちにやっと気づいた俺自身が情けなくて、ため息とともに自虐の言葉を口にした。
明日からどんな顔でぽん田と接したらいいんだ、なんて考えながらうだうだしていたら、あっという間に夜は更けていった。
君の夢に俺はいないけど
俺の夢ではトッシーとぽん田が仲良くしていて胸糞悪かった。