土方くんとトッシーと私と(土方)
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あの後、お妙ちゃんが電話を取ってくれてそのままお会計しましょう、済んだら解散で!という何とも不完全燃焼な状態で帰ることになってしまった。
それから土方くんからどころかトッシーからだって連絡がないし、私もなんて反応したらいいのか分からず気まずい状況が続いている。
「そもそも、私を取り合ってるとか…」
一気にかぁぁっと熱くなった頬を引っぱたく。まさかそんな幸せなことがある訳が無いのだ。
だってあの後の土方くんは、思わず視線を向けてしまった私と一瞬目が合ったかと思ったらすぐに逸らされてしまい、挙句に避けるように立ち上がってそれから視線が合うことは一度も無かったのだから。
「むしろ迷惑に思われてしまったかもしれない…」
そう考えると、胸がきゅうっと締め付けられるように苦しくなってしまう。
いつの間にかこんなに土方くんのことが好きになっていたんだなぁとしみじみと感じるが、そんなことに耽っている場合ではない。
せっかく友達になれたのだから、嫌われたくないというのが乙女心というものだろう。
でももし嫌われていたらきっとクリスマスに誘ってくれなかっただろうし、気にしない方がいい…と自分に言い聞かせながら、目の前の課題をせっせと片付けることに集中しようとするが気になるものは気になってしまう。
あーだこーだと考えているうちに、あっという間に数日が経ってしまいもうすぐ年越しだというのに気持ちが晴れることはない。
そうしてあることに気付いた。
「トッシーは気にすることないじゃんね」
思い立ったが吉日!と、いそいそとスマホを取り出すと通知のランプがついていた。何だろう?とタップしてみれば、そこには今まさに連絡しようと思っていたトッシーから、気の抜けるようなメッセージが届いていた。
「ありがとうぽん子氏ぃぃぃ!キミは僕の親友といってもいいくらいだよ!じゃ、早速だけどよろしくね!」
語尾に星でも付いているんじやないかと思うくらいの勢いで歓迎され、私はいつものように持参させられた携帯ゲーム機を片手にわずかだが圧倒されてしまった。
先日送られてきた内容は、どうしても欲しいアイテムがあるから手伝って欲しいということだったのだ。
そんな訳で今、私は土方家へお邪魔している。
例によって土方くんは不在のようで残念なようなほっとしたような気持ちであるが、慌ただしく私を座らせたトッシーはいつも通り向かいに座ると、せわしなくコントローラーを操作している。
こたつの中で少し足を崩せば冷えきっていた足がじんわりと温まって気持ちがいい。
「トッシーあのさ…」
土方くん、あれから私の事で何か言ってた?
そう聞きたいけど返事が怖くて、なんでござるか?とキョトンとするトッシーに苦笑いをしてやっぱりなんでもないやとだけ答えた。
「良くわからないけれど、アイテムドロップしたら報告を!」
びしっと指をさされて、はいはいと返事をして私も拙い動きでコントローラーを握り直した。
こっそりトッシーを盗み見ると、すごく真剣な表情をして画面を見つめている。
そういう顔をしている時は本当に土方くんにそっくりなんだけどなぁ、なんて思って、避けられたことを思い出して少しだけまた胸がちくんと痛んだ。
「はぁ~つっかれたぁ!」
お邪魔してから2時間ほどは経っただろうか。
お目当てのアイテムが見つかり、バトンタッチしたところでグッと背筋を伸ばして解放感に浸る。
向かいのトッシーも嬉しそうに声を上げて、なんやかんやと早口にまくし立てているがあまり興味が湧かなくて聞き流していると、どっと疲れが押し寄せたのか急に目がシパシパしてきた。
「あー眠い…目が疲れたのかな…」
「思いのほか時間がかかったから、そうかもしれないでござる」
ごめんよぽん子氏~と言いつつ、たぶんそんなに謝る気のないトッシーは「ちょっと喉が乾いたから飲み物取ってくるね」と部屋を出て行ってしまった。相変わらずマイペースなトッシーに振り回されているなぁと自分に呆れつつテーブルに伏す。少しだけ…と目を閉じると、ついウトウトしてしまう。
お邪魔した時はお昼すぎだったから、少し眠ってしまっても大丈夫かな、でも男子の部屋で寝るのは…でもトッシーだしな、なんて考えていたら、キィっと小さな音がした。ドアが開いたのか、冷たい風が流れてくる。
「…は?…寝てる?」
「ん……?トッシーおかえりー…」
ああもう眠ってもいいやと瞼を閉じたまま声をかけると、トッシーが私の髪を撫でたのか毛先が頬に触れてくすぐったくて、ふふっと笑ってしまう。
スキンシップなんて珍しいけど、これが土方くんだったらって考えたらそんなに悪い気もしない。なんて邪なことを考えてしまう。
優しく髪をくすぐる手にそっと触れて、重い瞼をなんとか持ち上げようとしたけれども眠気には敵わず、それでも何とかきゅっと指を掴んだ。
「知ってるでしょ……土方くんが好きだって…」
そう言って力を緩めると、トッシーのぬくもりがすっと引いた。どうやら人で遊ぶのは止めてくれたらしい。
「好きって…いつ言えるかなぁ…」
声になるかならないかでぽつりと言えば、もう眠気のピークに達してしまった私はそのまま夢の中へと落ちていった。
それから土方くんからどころかトッシーからだって連絡がないし、私もなんて反応したらいいのか分からず気まずい状況が続いている。
「そもそも、私を取り合ってるとか…」
一気にかぁぁっと熱くなった頬を引っぱたく。まさかそんな幸せなことがある訳が無いのだ。
だってあの後の土方くんは、思わず視線を向けてしまった私と一瞬目が合ったかと思ったらすぐに逸らされてしまい、挙句に避けるように立ち上がってそれから視線が合うことは一度も無かったのだから。
「むしろ迷惑に思われてしまったかもしれない…」
そう考えると、胸がきゅうっと締め付けられるように苦しくなってしまう。
いつの間にかこんなに土方くんのことが好きになっていたんだなぁとしみじみと感じるが、そんなことに耽っている場合ではない。
せっかく友達になれたのだから、嫌われたくないというのが乙女心というものだろう。
でももし嫌われていたらきっとクリスマスに誘ってくれなかっただろうし、気にしない方がいい…と自分に言い聞かせながら、目の前の課題をせっせと片付けることに集中しようとするが気になるものは気になってしまう。
あーだこーだと考えているうちに、あっという間に数日が経ってしまいもうすぐ年越しだというのに気持ちが晴れることはない。
そうしてあることに気付いた。
「トッシーは気にすることないじゃんね」
思い立ったが吉日!と、いそいそとスマホを取り出すと通知のランプがついていた。何だろう?とタップしてみれば、そこには今まさに連絡しようと思っていたトッシーから、気の抜けるようなメッセージが届いていた。
「ありがとうぽん子氏ぃぃぃ!キミは僕の親友といってもいいくらいだよ!じゃ、早速だけどよろしくね!」
語尾に星でも付いているんじやないかと思うくらいの勢いで歓迎され、私はいつものように持参させられた携帯ゲーム機を片手にわずかだが圧倒されてしまった。
先日送られてきた内容は、どうしても欲しいアイテムがあるから手伝って欲しいということだったのだ。
そんな訳で今、私は土方家へお邪魔している。
例によって土方くんは不在のようで残念なようなほっとしたような気持ちであるが、慌ただしく私を座らせたトッシーはいつも通り向かいに座ると、せわしなくコントローラーを操作している。
こたつの中で少し足を崩せば冷えきっていた足がじんわりと温まって気持ちがいい。
「トッシーあのさ…」
土方くん、あれから私の事で何か言ってた?
そう聞きたいけど返事が怖くて、なんでござるか?とキョトンとするトッシーに苦笑いをしてやっぱりなんでもないやとだけ答えた。
「良くわからないけれど、アイテムドロップしたら報告を!」
びしっと指をさされて、はいはいと返事をして私も拙い動きでコントローラーを握り直した。
こっそりトッシーを盗み見ると、すごく真剣な表情をして画面を見つめている。
そういう顔をしている時は本当に土方くんにそっくりなんだけどなぁ、なんて思って、避けられたことを思い出して少しだけまた胸がちくんと痛んだ。
「はぁ~つっかれたぁ!」
お邪魔してから2時間ほどは経っただろうか。
お目当てのアイテムが見つかり、バトンタッチしたところでグッと背筋を伸ばして解放感に浸る。
向かいのトッシーも嬉しそうに声を上げて、なんやかんやと早口にまくし立てているがあまり興味が湧かなくて聞き流していると、どっと疲れが押し寄せたのか急に目がシパシパしてきた。
「あー眠い…目が疲れたのかな…」
「思いのほか時間がかかったから、そうかもしれないでござる」
ごめんよぽん子氏~と言いつつ、たぶんそんなに謝る気のないトッシーは「ちょっと喉が乾いたから飲み物取ってくるね」と部屋を出て行ってしまった。相変わらずマイペースなトッシーに振り回されているなぁと自分に呆れつつテーブルに伏す。少しだけ…と目を閉じると、ついウトウトしてしまう。
お邪魔した時はお昼すぎだったから、少し眠ってしまっても大丈夫かな、でも男子の部屋で寝るのは…でもトッシーだしな、なんて考えていたら、キィっと小さな音がした。ドアが開いたのか、冷たい風が流れてくる。
「…は?…寝てる?」
「ん……?トッシーおかえりー…」
ああもう眠ってもいいやと瞼を閉じたまま声をかけると、トッシーが私の髪を撫でたのか毛先が頬に触れてくすぐったくて、ふふっと笑ってしまう。
スキンシップなんて珍しいけど、これが土方くんだったらって考えたらそんなに悪い気もしない。なんて邪なことを考えてしまう。
優しく髪をくすぐる手にそっと触れて、重い瞼をなんとか持ち上げようとしたけれども眠気には敵わず、それでも何とかきゅっと指を掴んだ。
「知ってるでしょ……土方くんが好きだって…」
そう言って力を緩めると、トッシーのぬくもりがすっと引いた。どうやら人で遊ぶのは止めてくれたらしい。
「好きって…いつ言えるかなぁ…」
声になるかならないかでぽつりと言えば、もう眠気のピークに達してしまった私はそのまま夢の中へと落ちていった。