土方くんとトッシーと私と(土方)
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土方くんの名前を見る度についに「友達」というポジションに立てたんだなぁと浮き足立つ私です。
あれから挨拶や世間話を時々送り合うぐらいには仲が深まった私は、たぶんここ数年で幸せの絶頂期にいると言っても過言ではないだろう。
遠くから眺めるだけだった存在が、こうしてメッセージを送りあえる関係にまで成長したのだ。
「これを喜ばずしてどうするのさ…」
むふふ、と1人で笑う私はだいぶ気持ち悪いだろうが、生憎誰に見られるでもないのでそんなことは気にしない。
そしてふと思ったのである。
「そういや土方くんとトッシー、クリスマスはどうするんだろう?」
私は毎年家族と過ごしているけどトッシーからは家族の話とか聞いてないし、土方くんは友達と過ごしそうな感じはするけど何となく聞きにくくて触れずにいた。
「彼女の話は聞いたことないけど、いるのかなぁ…」
普段話すことといったら、沖田くんのこととか近藤くんのこと、あとは…まぁクラスメイトのことがほとんどかも。よく考えたら2人のこと友達とは言ったものの、全然知らないんだなぁとゴロゴロ転がりながら考える。
「…誘ってみようかな?いや、でも2人はハードル高いし…でも土方くんと共通の友達いないしトッシーはなんか違うしなぁ……」
うだうだと悩んでいたらピロン、と着信を知らせる音が鳴り、画面を見てみれば今悩んでいた土方くんからメッセージが届いていた。
『よぉ、クリスマスって予定あるか?ないなら俺らの集まりにぽん田も来ねぇ?』
ナイデスーーー!!
思わず叫びそうになるほど胸が高鳴ってしまった。
『私もいいの?ぜひ参加させて下さい』
誰が来るかは分からないけど、土方くんとクリスマスを過ごせることの方が重要である。勇気を出すしかない!と、参加表明のためポチポチと返信をしたらすぐに既読がついた。
『悪ぃな。クラスの連中がお前のこと知りてぇって
時間は決まり次第また連絡する』
少し時間を置いて土方くんからメッセージが届き、了解!と送り返してフーっと一息ついた。
クラスの人達というと、留学生の小さい子とか近藤くんが追いかけ回している美人さんとかの事かなぁ、とぼんやりと考えてみるが、ふとトッシーのことを思い出した。
何となくリア充爆発しろ!って言ってそうなイメージしかないし最近会った時もアニメ見ながら「嫌なイベントの時期でござる」とか言っていたから、もしかしたらぼっちで過ごすのかもしれない。
「ごめんトッシー、私は土方くんとのイベントが発生したからそちらに向かうよ…!」
―――
「トッシー、帰りたいのは分かるけど私の横で項垂れるの止めてくんないかな」
「だって僕は早く帰ってDVDボックスを鑑賞、分析しないといけないのにこんな所に連れてこられてとんだ災難だと思わない?
クリスマスだからって集まって楽しいのなんて2次元の世界だけだと僕は考えるんだけどぽん子氏はどう思う?」
「私は土方くんとクリスマスを過ごせて幸せだよ、ごめんねトッシー」
「裏切り者ォォォ!早く帰りたいでござる!」
クリスマス当日、カラオケのパーティルームに集まったのは近藤くん沖田くん土方くんに、お妙ちゃんと神楽ちゃん、そして端っこで椅子と椅子の隙間に蹲っていたトッシーだ。
土方くんから事前に「総悟が名前とトッシーがダチって言い回って、クラスの女子が会ってみたいらしい。付き合わせてすまねぇ」と言われていたから色々とお話したりするのかぁと思っていたら案外そんなことはなかった。
女子だけで自己紹介をし合って和気あいあいとしていたが、途中から注文していた食べ物や飲み物が届いたところ神楽ちゃんが離脱。
お妙ちゃんと話をしていたら近藤くんがずっと絡んできて土方くんが止めて、また絡んできての繰り返しでお妙ちゃんの背中に鬼が見えた頃、トッシーがそっと私の隣りに座ってお妙ちゃんは近藤くんを始末してくるわ、と去ってしまった。
それからというもの沖田くんと神楽ちゃんは食べ物で揉めて、お妙ちゃんと近藤くんは言葉の拒否と突撃を繰り返していて、土方くんはさっきトイレといって出ていったので私とトッシーは2人でぽつん、だ。
結構長いこと滞在していて、そろそろ帰らないといけない頃じゃないかなとモニターを見ればあと15分と表示されている。
延長しないって話だから、カラオケ出たら帰りなよとトッシーを宥めながら土方くんの帰りを待つ。
「土方くん早く戻ってこないかな」
「呼んだか?」
「わっ!」
土方くんは騒がしすぎんだろと言いながら私のとなりに腰を下ろした。
左にトッシー、右に土方くんと並び、すぐさまトッシーは土方くんに物凄く嫌そうに文句を言い出した。
「十四郎、ぽん子氏の紹介も終わったんだし僕もう帰りたいんだけど
というか僕はここに来なくても良かったんじゃないかなぁ?ぽん子氏だけで充分だったよね?」
「あぁ?お前が寂しくオタクやってっから声掛けてやったんじゃねーか
毎年毎年部屋にこもってんじゃねーよ
そのうち部屋にキノコ生えんぞ」
「全然寂しく無いんですけど
むしろ充実した時間を過ごす予定だったんですけどォ
それに部屋は綺麗だからキノコは生えないでござる」
バチバチと頭上で火花が散っているような気がして、口も挟まず縮こまっていると神楽ちゃんが骨付き肉を片手に走ってきた。
「トッシーとマヨラー、さっすが双子だけあって同じ顔してるアル。怖い顔してどしたネ?」
「神楽ちゃん!実はトッシーが」
帰りたがっているから、と続けようとした時、神楽ちゃんはハッとした顔でキラキラと輝き出した。
「ぽん子を取り合ってるアル!」
「はぁ?!」
土方くんとトッシーの見事なハモリで、あんなにも騒がしかった室内が一瞬にしてシーンとなり、プルルルと退室を知らせる電話だけが鳴り響いた。
あれから挨拶や世間話を時々送り合うぐらいには仲が深まった私は、たぶんここ数年で幸せの絶頂期にいると言っても過言ではないだろう。
遠くから眺めるだけだった存在が、こうしてメッセージを送りあえる関係にまで成長したのだ。
「これを喜ばずしてどうするのさ…」
むふふ、と1人で笑う私はだいぶ気持ち悪いだろうが、生憎誰に見られるでもないのでそんなことは気にしない。
そしてふと思ったのである。
「そういや土方くんとトッシー、クリスマスはどうするんだろう?」
私は毎年家族と過ごしているけどトッシーからは家族の話とか聞いてないし、土方くんは友達と過ごしそうな感じはするけど何となく聞きにくくて触れずにいた。
「彼女の話は聞いたことないけど、いるのかなぁ…」
普段話すことといったら、沖田くんのこととか近藤くんのこと、あとは…まぁクラスメイトのことがほとんどかも。よく考えたら2人のこと友達とは言ったものの、全然知らないんだなぁとゴロゴロ転がりながら考える。
「…誘ってみようかな?いや、でも2人はハードル高いし…でも土方くんと共通の友達いないしトッシーはなんか違うしなぁ……」
うだうだと悩んでいたらピロン、と着信を知らせる音が鳴り、画面を見てみれば今悩んでいた土方くんからメッセージが届いていた。
『よぉ、クリスマスって予定あるか?ないなら俺らの集まりにぽん田も来ねぇ?』
ナイデスーーー!!
思わず叫びそうになるほど胸が高鳴ってしまった。
『私もいいの?ぜひ参加させて下さい』
誰が来るかは分からないけど、土方くんとクリスマスを過ごせることの方が重要である。勇気を出すしかない!と、参加表明のためポチポチと返信をしたらすぐに既読がついた。
『悪ぃな。クラスの連中がお前のこと知りてぇって
時間は決まり次第また連絡する』
少し時間を置いて土方くんからメッセージが届き、了解!と送り返してフーっと一息ついた。
クラスの人達というと、留学生の小さい子とか近藤くんが追いかけ回している美人さんとかの事かなぁ、とぼんやりと考えてみるが、ふとトッシーのことを思い出した。
何となくリア充爆発しろ!って言ってそうなイメージしかないし最近会った時もアニメ見ながら「嫌なイベントの時期でござる」とか言っていたから、もしかしたらぼっちで過ごすのかもしれない。
「ごめんトッシー、私は土方くんとのイベントが発生したからそちらに向かうよ…!」
―――
「トッシー、帰りたいのは分かるけど私の横で項垂れるの止めてくんないかな」
「だって僕は早く帰ってDVDボックスを鑑賞、分析しないといけないのにこんな所に連れてこられてとんだ災難だと思わない?
クリスマスだからって集まって楽しいのなんて2次元の世界だけだと僕は考えるんだけどぽん子氏はどう思う?」
「私は土方くんとクリスマスを過ごせて幸せだよ、ごめんねトッシー」
「裏切り者ォォォ!早く帰りたいでござる!」
クリスマス当日、カラオケのパーティルームに集まったのは近藤くん沖田くん土方くんに、お妙ちゃんと神楽ちゃん、そして端っこで椅子と椅子の隙間に蹲っていたトッシーだ。
土方くんから事前に「総悟が名前とトッシーがダチって言い回って、クラスの女子が会ってみたいらしい。付き合わせてすまねぇ」と言われていたから色々とお話したりするのかぁと思っていたら案外そんなことはなかった。
女子だけで自己紹介をし合って和気あいあいとしていたが、途中から注文していた食べ物や飲み物が届いたところ神楽ちゃんが離脱。
お妙ちゃんと話をしていたら近藤くんがずっと絡んできて土方くんが止めて、また絡んできての繰り返しでお妙ちゃんの背中に鬼が見えた頃、トッシーがそっと私の隣りに座ってお妙ちゃんは近藤くんを始末してくるわ、と去ってしまった。
それからというもの沖田くんと神楽ちゃんは食べ物で揉めて、お妙ちゃんと近藤くんは言葉の拒否と突撃を繰り返していて、土方くんはさっきトイレといって出ていったので私とトッシーは2人でぽつん、だ。
結構長いこと滞在していて、そろそろ帰らないといけない頃じゃないかなとモニターを見ればあと15分と表示されている。
延長しないって話だから、カラオケ出たら帰りなよとトッシーを宥めながら土方くんの帰りを待つ。
「土方くん早く戻ってこないかな」
「呼んだか?」
「わっ!」
土方くんは騒がしすぎんだろと言いながら私のとなりに腰を下ろした。
左にトッシー、右に土方くんと並び、すぐさまトッシーは土方くんに物凄く嫌そうに文句を言い出した。
「十四郎、ぽん子氏の紹介も終わったんだし僕もう帰りたいんだけど
というか僕はここに来なくても良かったんじゃないかなぁ?ぽん子氏だけで充分だったよね?」
「あぁ?お前が寂しくオタクやってっから声掛けてやったんじゃねーか
毎年毎年部屋にこもってんじゃねーよ
そのうち部屋にキノコ生えんぞ」
「全然寂しく無いんですけど
むしろ充実した時間を過ごす予定だったんですけどォ
それに部屋は綺麗だからキノコは生えないでござる」
バチバチと頭上で火花が散っているような気がして、口も挟まず縮こまっていると神楽ちゃんが骨付き肉を片手に走ってきた。
「トッシーとマヨラー、さっすが双子だけあって同じ顔してるアル。怖い顔してどしたネ?」
「神楽ちゃん!実はトッシーが」
帰りたがっているから、と続けようとした時、神楽ちゃんはハッとした顔でキラキラと輝き出した。
「ぽん子を取り合ってるアル!」
「はぁ?!」
土方くんとトッシーの見事なハモリで、あんなにも騒がしかった室内が一瞬にしてシーンとなり、プルルルと退室を知らせる電話だけが鳴り響いた。