土方くんとトッシーと私と(土方)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
沖田くんが私に興味を持ったみたい(てへ)と伝えられたあの日から、あのドSと名高い沖田総悟くんから一体何を言われるだろうかと怯えながら過ごしていたある日、私は気づいたことがあった。
「沖田くんが知ってるってことは土方くんも知ってるんじゃ?」
沖田くんといえば、土方くんと近藤くんといつも一緒にいるイメージがある。
そもそも私のことを話した時に土方くんも一緒にいたのでは?という考えに至ったが、土方くんとほとんど話したことの無い私からトッシーのことを聞く勇気がある訳もなく、相変わらず私は遠巻きに彼を眺める生活を送っている。
話は戻るが、沖田くんってちょっと言い方はあれだけどバカって話だし、意外とそんなに気にしてないのかも~なんて失礼なことを思ったりして忘れかけていた頃、その時は突然やってきてしまった。
「おーい、アンタがぽん田ぽん子ってやつかィ」
いつものようにさっさと帰ってしまおうと廊下を歩いていると、後ろから声をかけられて振り返れば真顔の沖田くんが「よぅ」と片手を上げていた。
ついにこの時が来てしまった…。
別に何も悪いことをしていないのに、緊張からかじとりと手に汗を握りながらも私はなんとか平静を装って返事をした。
「トッシーとダチって聞いてやしたが、案外普通っつーか…地味な女だねェ」
「なっ!」
たしかに地味だが、初対面にも関わらずズケズケと失礼なもの言いにさすがに私もカチンと来た。
が、相手はドSと名高い沖田総悟だ。
私が何か言った所で勝てる気がしない。むしろボロカスに泣かされてしまいそうな気しかしないので、悔しいがグッと堪えて沖田くんを睨んだ。
「トッシーとは友達だけど、何か用?……ですか…」
くそ、怖くてタメ口が利けない。
ぐぬぬと思っていると、沖田くんはやれやれといった感じで私を上から下までじろりと見た。
「別に大した用じゃねーや。トッシーがダチっつーからどんな奴か気になっただけでさァ
もっとすんげぇオタク女かと思ったら普通すぎて意外でしたがねィ」
「はぁ…そうすか…」
本当にそれだけを聞きたかったのか、やる気のなさそうな目をした沖田くんはトッシーが言うほど興味なさげにしている。
それならさっさと帰らせて欲しいところだが、立ち去るタイミングが全く掴めないまま私は沖田くんと向き合い、ついには目を逸らしたら負けな気がしてきてこちらも彼を見つめ続ける。
もはやなにかしらの戦いだ。
そんな中「あっ」と言いながら沖田くんは唐突に目線を私から私の後ろに向けた。
「んなとこで何してんだ?総悟」
そのたった一言で、私の背筋はぴんと伸びた。
振り向かなくたって分かる、低く響く落ち着いたこの声は紛れもなく土方くんだ。
「土方さん、こいつがトッシーのダチでさァ」
「トッシーの?マジか」
沖田くんが土方くんを手招きしているが、私はというと緊張して土方くんの方を振り向くことも逃げることも出来ず、ただただその場で固まることしかできない。
そうこうしているうちに土方くんはすぐそこに来てしまい、私は土方くんとばっちり目が合ってしまった。
「っ…」
きっと今、とんでもなく真っ赤になっていると自分でも分かるぐらい一気に顔が熱くなった。
見た目はトッシーと同じなのにやっぱり全然違う。いつかの授業のときではなく意図して私を見られていることに、射抜くような瞳に、心臓が口から飛び出してしまいそうなほどバクバクと脈を打っている。
「お前…」
「はひ!」
「ブッ」
ハッとして沖田くんの方を見ると、彼はブクククと私を指さして笑っていた。
なんだコイツ、やっぱり失礼な人だな。
「は、はひって…おま…はひって……」
「そ、そんな!そんな笑わなくても…!」
沖田くんはケラケラと笑い、私はあまりの恥ずかしさに俯いてしまった。土方くんの事が気になるけど、こんな状況じゃきっと彼も変な女子だと思っているに違いない。
穴があったら入りたい。ちょっと涙も滲んできたし、これはもう逃げるしかないと決めサッと振り返り駆け出そうとした。
その時、強い力でグッと腕を引っ張られ私は石像のように動きが固まる。
「あっわり」
「ひ、ひじ、土方くん…?」
「お前が急に逃げようとすっから」
そりゃこんな失態晒したら逃げるよ。逃げたいよ。
でも掴まれた腕が熱くて離してほしくないような気もして、私は本当にばかだ。
これ以上の醜態を晒したくなくて振り向くことすら出来ないから、土方くんがどんな顔をしているのか分からない。だけど耳に届く声はすごく穏やかなものだった。
「総悟がバカにして悪かった
トッシーのこと、よろしく頼むな」
土方くんはそれだけ言うとそっと手を離し、沖田くんに帰るぞと促して沖田くんもへーへー、なんて返事をしている。
私もなにか言わなくちゃ、と思うけど言葉が出てこない。
『告白しないの?』
そうトッシーに言われたことが頭にボン!と浮かんだ。
いやいやこのタイミングで言えるわけない。沖田くんだっているし、でも次にいつ話す機会があるかも分からないし、でも、でも、でも…
「あの!」
慌てて土方くんに振り返りながら声をかけると、思ったよりも大きい声が出てしまい廊下に思い切り響いてしまった。
土方くんたちも驚いた顔でこちらを振り返っている。
「あっあの、私はその…えぇと…
ひ、土方くんとも友達になりたいです!」
土方くんがこちらに向ける真っ直ぐな瞳に、もはや私の頭は真っ白でひたすら頬が燃えるようだ。
何とか振り絞って出した言葉に、土方くんはちょっとだけ笑って言ってくれた。
「おぅ、またな」
なんという破壊力だろうか?
トッシーの笑顔を土方くんと似たようなものと思っていた私の意識を一瞬にして奪うのに十分すぎるほど、土方くん本人の微笑みはあまりにも眩しすぎた。
その後のことはよく覚えていないが、その日久しぶりにとてもよく眠れたことだけは確かだった。
「沖田くんが知ってるってことは土方くんも知ってるんじゃ?」
沖田くんといえば、土方くんと近藤くんといつも一緒にいるイメージがある。
そもそも私のことを話した時に土方くんも一緒にいたのでは?という考えに至ったが、土方くんとほとんど話したことの無い私からトッシーのことを聞く勇気がある訳もなく、相変わらず私は遠巻きに彼を眺める生活を送っている。
話は戻るが、沖田くんってちょっと言い方はあれだけどバカって話だし、意外とそんなに気にしてないのかも~なんて失礼なことを思ったりして忘れかけていた頃、その時は突然やってきてしまった。
「おーい、アンタがぽん田ぽん子ってやつかィ」
いつものようにさっさと帰ってしまおうと廊下を歩いていると、後ろから声をかけられて振り返れば真顔の沖田くんが「よぅ」と片手を上げていた。
ついにこの時が来てしまった…。
別に何も悪いことをしていないのに、緊張からかじとりと手に汗を握りながらも私はなんとか平静を装って返事をした。
「トッシーとダチって聞いてやしたが、案外普通っつーか…地味な女だねェ」
「なっ!」
たしかに地味だが、初対面にも関わらずズケズケと失礼なもの言いにさすがに私もカチンと来た。
が、相手はドSと名高い沖田総悟だ。
私が何か言った所で勝てる気がしない。むしろボロカスに泣かされてしまいそうな気しかしないので、悔しいがグッと堪えて沖田くんを睨んだ。
「トッシーとは友達だけど、何か用?……ですか…」
くそ、怖くてタメ口が利けない。
ぐぬぬと思っていると、沖田くんはやれやれといった感じで私を上から下までじろりと見た。
「別に大した用じゃねーや。トッシーがダチっつーからどんな奴か気になっただけでさァ
もっとすんげぇオタク女かと思ったら普通すぎて意外でしたがねィ」
「はぁ…そうすか…」
本当にそれだけを聞きたかったのか、やる気のなさそうな目をした沖田くんはトッシーが言うほど興味なさげにしている。
それならさっさと帰らせて欲しいところだが、立ち去るタイミングが全く掴めないまま私は沖田くんと向き合い、ついには目を逸らしたら負けな気がしてきてこちらも彼を見つめ続ける。
もはやなにかしらの戦いだ。
そんな中「あっ」と言いながら沖田くんは唐突に目線を私から私の後ろに向けた。
「んなとこで何してんだ?総悟」
そのたった一言で、私の背筋はぴんと伸びた。
振り向かなくたって分かる、低く響く落ち着いたこの声は紛れもなく土方くんだ。
「土方さん、こいつがトッシーのダチでさァ」
「トッシーの?マジか」
沖田くんが土方くんを手招きしているが、私はというと緊張して土方くんの方を振り向くことも逃げることも出来ず、ただただその場で固まることしかできない。
そうこうしているうちに土方くんはすぐそこに来てしまい、私は土方くんとばっちり目が合ってしまった。
「っ…」
きっと今、とんでもなく真っ赤になっていると自分でも分かるぐらい一気に顔が熱くなった。
見た目はトッシーと同じなのにやっぱり全然違う。いつかの授業のときではなく意図して私を見られていることに、射抜くような瞳に、心臓が口から飛び出してしまいそうなほどバクバクと脈を打っている。
「お前…」
「はひ!」
「ブッ」
ハッとして沖田くんの方を見ると、彼はブクククと私を指さして笑っていた。
なんだコイツ、やっぱり失礼な人だな。
「は、はひって…おま…はひって……」
「そ、そんな!そんな笑わなくても…!」
沖田くんはケラケラと笑い、私はあまりの恥ずかしさに俯いてしまった。土方くんの事が気になるけど、こんな状況じゃきっと彼も変な女子だと思っているに違いない。
穴があったら入りたい。ちょっと涙も滲んできたし、これはもう逃げるしかないと決めサッと振り返り駆け出そうとした。
その時、強い力でグッと腕を引っ張られ私は石像のように動きが固まる。
「あっわり」
「ひ、ひじ、土方くん…?」
「お前が急に逃げようとすっから」
そりゃこんな失態晒したら逃げるよ。逃げたいよ。
でも掴まれた腕が熱くて離してほしくないような気もして、私は本当にばかだ。
これ以上の醜態を晒したくなくて振り向くことすら出来ないから、土方くんがどんな顔をしているのか分からない。だけど耳に届く声はすごく穏やかなものだった。
「総悟がバカにして悪かった
トッシーのこと、よろしく頼むな」
土方くんはそれだけ言うとそっと手を離し、沖田くんに帰るぞと促して沖田くんもへーへー、なんて返事をしている。
私もなにか言わなくちゃ、と思うけど言葉が出てこない。
『告白しないの?』
そうトッシーに言われたことが頭にボン!と浮かんだ。
いやいやこのタイミングで言えるわけない。沖田くんだっているし、でも次にいつ話す機会があるかも分からないし、でも、でも、でも…
「あの!」
慌てて土方くんに振り返りながら声をかけると、思ったよりも大きい声が出てしまい廊下に思い切り響いてしまった。
土方くんたちも驚いた顔でこちらを振り返っている。
「あっあの、私はその…えぇと…
ひ、土方くんとも友達になりたいです!」
土方くんがこちらに向ける真っ直ぐな瞳に、もはや私の頭は真っ白でひたすら頬が燃えるようだ。
何とか振り絞って出した言葉に、土方くんはちょっとだけ笑って言ってくれた。
「おぅ、またな」
なんという破壊力だろうか?
トッシーの笑顔を土方くんと似たようなものと思っていた私の意識を一瞬にして奪うのに十分すぎるほど、土方くん本人の微笑みはあまりにも眩しすぎた。
その後のことはよく覚えていないが、その日久しぶりにとてもよく眠れたことだけは確かだった。