土方くんとトッシーと私と(土方)
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土方くんの双子の弟であるトッシーと私が友達になって半年経った頃のこと、私の秘めていた気持ちはトッシーにバレていたらしい。
トッシーとは相変わらずゲームやアニメや学校のことなど他愛もない話ばかりだけど、結構打ち解けてきた仲だと思う。
そんな春から夏をすっ飛ばして秋の休日、子供たちが走り回る公園のベンチに腰掛けてゲームをしていた時、まるで息をするようにトッシーは言ったのである。
「ぽん子氏はさ、十四郎のこと恋愛対象として好きだよね」
なんの前触れもなく言われたそれに、私は硬直してしまった。
カチャカチャとゲームを操作する音と、子供たちがはしゃぐ声が響いている中、私はトッシーに言われたことを頭の中で整理しようと試みるが失敗した。
ヘッドショットとやらをされた気分である。心臓がバクバクいっている。
「ナナナンデ?」
「ぽん子氏ィ、片言になってるでござるよ」
すごくバカにした顔でトッシーはこちらを見ると、プスススと吹き出した。
「ぽん子氏は十四郎の話になると分かりやすいんだよ
好きな食べ物とかどんな風に過ごしてるかとか話してると分かるんだよね~
自分からは聞いてこないけど、僕が話を振ったら真剣に聞いてるからさぁ。あぁ~十四郎のことが好きなんだろうなぁ~って確信したよね」
「そっかぁ…」
私ってそんなに分かりやすかったんだ、と思いながら熱くなった顔を両手でぱたぱたと扇ぐが、恥ずかしさでまだ動揺していてあまり効果はない。
「告白しないの?」
「し、しないよ!てか、接点もないのにできないって!」
そうでごさるなぁ~と言いながらも、トッシーはゲームを止めないしこちらを見ることもせずに興味があるんだか無いんだか分からない態度のままだ。
この人は悪魔か何かなんだろうか?いや、ただのオタクか…。
そう、今も私は彼にとって背景だ。一度クラス合同の授業があってラッキーなことに同じ係だったから荷物を準備して運んだりした程度で挨拶はしたけど、トッシーのことも聞くに聞けないしで色々と言葉を選んでいるうちに世間話しかできずに終わってしまった。
「トッシーとはこんなにお話しできるんだけどね…バレちゃってるんなら言うけど、やっぱ好きな人と話すのって緊張しちゃうっていうかさ」
「へー、僕は二次元にしか興味がないからその気持ちは分かりそうにないなぁ。残念でござるよ。
あっ、勿論ぽん子氏のことは友達として好きでござるよ!」
「あ、ありがとう…でも土方くんの顔で好きとか言われたら恥ずかしいからやめて…」
恥ずかしがり屋でござるな~なんて言いながら、時計を見たトッシーが急にバタバタと荷物を片付けて立ち上がった。
「やばい!僕、やることがあるんだった!!またねぽん子氏!」
トッシーは言うだけ言ってこちらが声をかける間もなく、さっさと走り去ってしまった。
訳も分からずポツンと残され、子供たちですらいつの間にか姿が見当たらなくて、こんな所で一人でゲームしているのも何だしと私も帰ることにした。
何を慌てていたんだろうということは夜にはすっかり忘れていて、翌朝目を覚ました私はトッシーから届いていた1件のメッセージで一気に眠気が吹っ飛んだ。
『あのあと十四郎の友達の沖田先輩と会ったんだけど、ぽん子氏のことが沖田先輩にバレちゃって、すごーく興味を持ってたからそのうち話しかけられるかも(てへ)』
あまりの衝撃に書いてある内容を理解するのに2度、3度見すると、そっとメッセージを閉じてギュッと目の前で両手を組んで握りしめた。
「沖田先輩って…これ多分あの沖田くんよね……ドSって聞いただけで実際には話したことないのに……
てかなんで先輩?」
その後のやり取りで、先輩呼びはトッシーがただパシられているだけとの説明で理解出来たが、なぜ私に興味を持ったのかは謎のままだった。
土方くんと接点を持つどころかドSと名高い沖田くんに目をつけられてしまったと思うと、いつもの日常から平和の文字が消えてしまうかも知れないという絶望感で、私の頭はいっぱいになってしまった。
だが非情にも時間はただ経過するのみ。諦めて学校へ行く支度を始める私は、きっと昨日よりもちょっとだけ窶れて見えるに違いない。
トッシーとは相変わらずゲームやアニメや学校のことなど他愛もない話ばかりだけど、結構打ち解けてきた仲だと思う。
そんな春から夏をすっ飛ばして秋の休日、子供たちが走り回る公園のベンチに腰掛けてゲームをしていた時、まるで息をするようにトッシーは言ったのである。
「ぽん子氏はさ、十四郎のこと恋愛対象として好きだよね」
なんの前触れもなく言われたそれに、私は硬直してしまった。
カチャカチャとゲームを操作する音と、子供たちがはしゃぐ声が響いている中、私はトッシーに言われたことを頭の中で整理しようと試みるが失敗した。
ヘッドショットとやらをされた気分である。心臓がバクバクいっている。
「ナナナンデ?」
「ぽん子氏ィ、片言になってるでござるよ」
すごくバカにした顔でトッシーはこちらを見ると、プスススと吹き出した。
「ぽん子氏は十四郎の話になると分かりやすいんだよ
好きな食べ物とかどんな風に過ごしてるかとか話してると分かるんだよね~
自分からは聞いてこないけど、僕が話を振ったら真剣に聞いてるからさぁ。あぁ~十四郎のことが好きなんだろうなぁ~って確信したよね」
「そっかぁ…」
私ってそんなに分かりやすかったんだ、と思いながら熱くなった顔を両手でぱたぱたと扇ぐが、恥ずかしさでまだ動揺していてあまり効果はない。
「告白しないの?」
「し、しないよ!てか、接点もないのにできないって!」
そうでごさるなぁ~と言いながらも、トッシーはゲームを止めないしこちらを見ることもせずに興味があるんだか無いんだか分からない態度のままだ。
この人は悪魔か何かなんだろうか?いや、ただのオタクか…。
そう、今も私は彼にとって背景だ。一度クラス合同の授業があってラッキーなことに同じ係だったから荷物を準備して運んだりした程度で挨拶はしたけど、トッシーのことも聞くに聞けないしで色々と言葉を選んでいるうちに世間話しかできずに終わってしまった。
「トッシーとはこんなにお話しできるんだけどね…バレちゃってるんなら言うけど、やっぱ好きな人と話すのって緊張しちゃうっていうかさ」
「へー、僕は二次元にしか興味がないからその気持ちは分かりそうにないなぁ。残念でござるよ。
あっ、勿論ぽん子氏のことは友達として好きでござるよ!」
「あ、ありがとう…でも土方くんの顔で好きとか言われたら恥ずかしいからやめて…」
恥ずかしがり屋でござるな~なんて言いながら、時計を見たトッシーが急にバタバタと荷物を片付けて立ち上がった。
「やばい!僕、やることがあるんだった!!またねぽん子氏!」
トッシーは言うだけ言ってこちらが声をかける間もなく、さっさと走り去ってしまった。
訳も分からずポツンと残され、子供たちですらいつの間にか姿が見当たらなくて、こんな所で一人でゲームしているのも何だしと私も帰ることにした。
何を慌てていたんだろうということは夜にはすっかり忘れていて、翌朝目を覚ました私はトッシーから届いていた1件のメッセージで一気に眠気が吹っ飛んだ。
『あのあと十四郎の友達の沖田先輩と会ったんだけど、ぽん子氏のことが沖田先輩にバレちゃって、すごーく興味を持ってたからそのうち話しかけられるかも(てへ)』
あまりの衝撃に書いてある内容を理解するのに2度、3度見すると、そっとメッセージを閉じてギュッと目の前で両手を組んで握りしめた。
「沖田先輩って…これ多分あの沖田くんよね……ドSって聞いただけで実際には話したことないのに……
てかなんで先輩?」
その後のやり取りで、先輩呼びはトッシーがただパシられているだけとの説明で理解出来たが、なぜ私に興味を持ったのかは謎のままだった。
土方くんと接点を持つどころかドSと名高い沖田くんに目をつけられてしまったと思うと、いつもの日常から平和の文字が消えてしまうかも知れないという絶望感で、私の頭はいっぱいになってしまった。
だが非情にも時間はただ経過するのみ。諦めて学校へ行く支度を始める私は、きっと昨日よりもちょっとだけ窶れて見えるに違いない。