土方くんとトッシーと私と(土方)
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『十四郎の好物はマヨネーズだよ』
あれから、トッシーのくれた土方くんの好きなものとして得たこの情報に私は困惑を隠せないでいる。
キャラクターでも音楽でも、テレビ番組でも無く「マヨネーズ」という調味料という回答に、どう反応したらいいのか分からないのだ。
でもたしかに、と思い当たる節が何度かあった。
放課後ファーストフード店に立ち寄った時、土方くんといつものメンバーとたまたま居合わせたことがあった。
私からテーブルまで行くことはなくて、手を振ったら手を挙げて振り返してくれたぐらいだったけど、そう言われればその時に持っていたのは赤いキャップの調味料だった。
「あれはマイマヨだったのね…」
土方くんがまさかマヨラーだったとは。それでもあの体型を維持しているとは恐ろしい…私なら直ぐに太っちゃいそうなのに…。
『マヨネーズ美味しいもんね。教えてくれてありがとう!』
意外な好物に驚いたものの、トッシーに返信をして私は試験勉強へと取り組むことにした。
「最近、朝めっちゃ寒いのに昼間暖かいのやばいよね~」
「わかる~」
ざわざわと騒がしい教室の隅で、友達とのんびりお弁当を食べながらそんな和やかな会話をする。
試験間近ということもあって、教科書片手に追われていたりピリつく人もいる中、井戸端会議的なゆる~い話に落ち着くのが私達らしい。
そんな中、友達が思い出したように声を上げた。
「そういえば私、好きな人にチョコ渡したんだよね」
「え!そうだったんだ!…どうだったの?」
大声を出してしまい、何名かが驚いて私の方を見たがすぐにまた教室がざわめき、私は口元を隠すようにこっそりと続きを促した。
友達はちょっと困ったような顔をして、でもどこか嬉しそうに口元をニヤニヤさせている。
「実はさ…私の好きなものとか欲しいものとか遠回しに聞いてくるんだけど、ホワイトデーにお返しくれるみたい」
「え~!てことは脈ありそうってこと?」
「じゃないかなぁ?バレバレなんだけど、隠れて好きなものを調べるってあたり期待しちゃうよねぇ」
そういった友達の言葉に、私はちょっとした引っ掛かりを感じた。
「隠れて…」
「ぽん子?」
「うぅん、上手くいくといいねぇ!」
「ありがと!」
隠れて好きなものを探る…
つい最近、トッシーを使って土方くんに同じことをしたことを思い出した。
トッシーには私の気持ちはバレバレだけど、もし土方くんに直接聞いて教えてくれたのだとしたら、もしかしたら私の気持ちも土方くんに…?
「ぶふぇっ!」
「ぽん子サァン?授業中だぞ~」
「す、すみません…」
思わず言葉とも言えない何かが吹き出してしまい、銀八先生に注意されてしまった。
クラスメイトからの視線と笑い声で顔が真っ赤になってしまったが、勿論それだけが理由ではない。
土方くんにもし私の気持ちがバレていたら、会った時どんな顔をすればいいのか!
考えただけで恥ずかしさで身体中から火を噴いてしまいそうだ。
それからというもの、放課後に土方くんや神楽ちゃんたちと試験勉強で集まったりする度に私は土方くんの近くに座るどころか、顔を直視することが出来なくなっていた。
余計なことを考えれば考えるほど上手く話すことが出来なくて、友達になりたいと伝えた時のように戻ってしまったのだ。
きっとトッシーが今の私を見たら、小馬鹿にされるかもしれない。それか、哀れむかもしれない。
それぐらい土方くんを避けまくっている自信がある。
「本当は話したいのに…バカだ…」
そうしてモヤモヤしながらも試験を終えて、世間はすっかりホワイトデー一色に染まっているようだった。
ピンクや赤が散りばめられたバレンタインとはまた違って、ホワイトやブルーで彩られた言葉があちこちのお店で目につくようになっていた。
「ホワイトデーかぁ…友達は晴れてお付き合いになるだろうけど、私は友達に戻れるかどうかすら…」
とほほ、とでも付きそうなぐらい肩を落として帰路に着く私は、きっと頭にキノコでも生えそうなぐらい暗いオーラに包まれていることだろう。
バレンタインデーのあの日に戻れるものなら戻して欲しいや、と心から願う私である。
小心者の恋
あれから、トッシーのくれた土方くんの好きなものとして得たこの情報に私は困惑を隠せないでいる。
キャラクターでも音楽でも、テレビ番組でも無く「マヨネーズ」という調味料という回答に、どう反応したらいいのか分からないのだ。
でもたしかに、と思い当たる節が何度かあった。
放課後ファーストフード店に立ち寄った時、土方くんといつものメンバーとたまたま居合わせたことがあった。
私からテーブルまで行くことはなくて、手を振ったら手を挙げて振り返してくれたぐらいだったけど、そう言われればその時に持っていたのは赤いキャップの調味料だった。
「あれはマイマヨだったのね…」
土方くんがまさかマヨラーだったとは。それでもあの体型を維持しているとは恐ろしい…私なら直ぐに太っちゃいそうなのに…。
『マヨネーズ美味しいもんね。教えてくれてありがとう!』
意外な好物に驚いたものの、トッシーに返信をして私は試験勉強へと取り組むことにした。
「最近、朝めっちゃ寒いのに昼間暖かいのやばいよね~」
「わかる~」
ざわざわと騒がしい教室の隅で、友達とのんびりお弁当を食べながらそんな和やかな会話をする。
試験間近ということもあって、教科書片手に追われていたりピリつく人もいる中、井戸端会議的なゆる~い話に落ち着くのが私達らしい。
そんな中、友達が思い出したように声を上げた。
「そういえば私、好きな人にチョコ渡したんだよね」
「え!そうだったんだ!…どうだったの?」
大声を出してしまい、何名かが驚いて私の方を見たがすぐにまた教室がざわめき、私は口元を隠すようにこっそりと続きを促した。
友達はちょっと困ったような顔をして、でもどこか嬉しそうに口元をニヤニヤさせている。
「実はさ…私の好きなものとか欲しいものとか遠回しに聞いてくるんだけど、ホワイトデーにお返しくれるみたい」
「え~!てことは脈ありそうってこと?」
「じゃないかなぁ?バレバレなんだけど、隠れて好きなものを調べるってあたり期待しちゃうよねぇ」
そういった友達の言葉に、私はちょっとした引っ掛かりを感じた。
「隠れて…」
「ぽん子?」
「うぅん、上手くいくといいねぇ!」
「ありがと!」
隠れて好きなものを探る…
つい最近、トッシーを使って土方くんに同じことをしたことを思い出した。
トッシーには私の気持ちはバレバレだけど、もし土方くんに直接聞いて教えてくれたのだとしたら、もしかしたら私の気持ちも土方くんに…?
「ぶふぇっ!」
「ぽん子サァン?授業中だぞ~」
「す、すみません…」
思わず言葉とも言えない何かが吹き出してしまい、銀八先生に注意されてしまった。
クラスメイトからの視線と笑い声で顔が真っ赤になってしまったが、勿論それだけが理由ではない。
土方くんにもし私の気持ちがバレていたら、会った時どんな顔をすればいいのか!
考えただけで恥ずかしさで身体中から火を噴いてしまいそうだ。
それからというもの、放課後に土方くんや神楽ちゃんたちと試験勉強で集まったりする度に私は土方くんの近くに座るどころか、顔を直視することが出来なくなっていた。
余計なことを考えれば考えるほど上手く話すことが出来なくて、友達になりたいと伝えた時のように戻ってしまったのだ。
きっとトッシーが今の私を見たら、小馬鹿にされるかもしれない。それか、哀れむかもしれない。
それぐらい土方くんを避けまくっている自信がある。
「本当は話したいのに…バカだ…」
そうしてモヤモヤしながらも試験を終えて、世間はすっかりホワイトデー一色に染まっているようだった。
ピンクや赤が散りばめられたバレンタインとはまた違って、ホワイトやブルーで彩られた言葉があちこちのお店で目につくようになっていた。
「ホワイトデーかぁ…友達は晴れてお付き合いになるだろうけど、私は友達に戻れるかどうかすら…」
とほほ、とでも付きそうなぐらい肩を落として帰路に着く私は、きっと頭にキノコでも生えそうなぐらい暗いオーラに包まれていることだろう。
バレンタインデーのあの日に戻れるものなら戻して欲しいや、と心から願う私である。
小心者の恋