反応を楽しむ10のセリフ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヤンキーだなんだって言われている河上くん。
実は優しくて、意外と人のことしっかり見ていたりするのを私は知っている。
今日だって、また子ちゃんがシャーペン忘れたって困っていたら貸していたし、高杉くんや岡田くんのよく分からない発言をフォローしていた。
そうやって目で追っていることを知ってか知らずか、些細なきっかけから私と河上くんは時々話すようにやった。
普段のポーカーフェイスもいいけど、たまーに見せる笑顔もかっこいいなって思っているのは、ここだけの秘密。
「こないだはCD貸してくれたよ。お通ちゃんはよく分かんなくて、早めに返したけど」
「あー、アイツ何考えてるか分からん感じだもんな」
一緒にご飯を食べていた退がそういって河上くんの方をちょっと嫌そうに見ているけど、それは確かにと思う。
サングラスだし、一人だけシャツの色違うし、ヘッドホンしてるし、ギター抱えてるし、高杉くんにやたら固執してるっぽいし。
確かに何を考えているか分からない。
「よく他校の生徒と喧嘩してるみたいだし…。それなのにお前よく普通に話せるよな」
「えぇーだって自分から喧嘩しにいく感じでもないんでしょ?一応ちゃんと学校にも来てるしさ」
「まぁ…でも校則違反だなんだって風紀委員的には悩みの種って感じだよ」
やれやれなんて言いながら退は食べ終えたゴミを片付けていく。
ズゴゴゴッと音を立ててパックジュースを飲み干すと、部活がどうのこうのと言いながら席を立ってしまった。
「悩みの種かぁ…風紀委員も大変なんだなぁ」
私も残りのお弁当を食べ終えると、残りの昼休みは音楽を聴きながら本を読むことにした。
お妙ちゃんや神楽ちゃんと話すのも楽しいけれど、今日は本を読みたい。そんな気分の日があってもいいと思う。
午後の授業が終わり、すっかり疲れてしまった私はホームルームが終わるとさっさと教室を出た。
耳にはしっかりとイヤホンをつけて、自分の世界に入り込む準備をして下駄箱で靴を履こうとした時、唐突に忘れ物を思い出した。
「明日出すノート忘れるとか…危ない所だったわ」
面倒に思いながらも先程歩いてきた道をまた戻れば、教室はしんと静かになっていた。
私が教室を出てからさほど時間も経っていないが、もうみんな帰ったのだろうか?
不思議に思いながらもガラガラと音を立てながら教室に足を踏み入れれば、河上くんが席に着いていた。
「あれっ?どうしたの?」
河上くんはパッと顔を上げて私を見ると、片手を上げてふっと笑った。
イケメンは何をしても様になる。
「晋助が戻ってこなくてな。待つ間にたまには課題でもと」
「たまにはって…そっか、あんまり授業出てないもんね」
「左様。だが出席日数をどうこう言われておるし、しばらくは真面目に出るつもりでござるよ」
「そっかぁ!」
じゃあ明日も会えるね~なんて恥ずかしくて言える訳もなく、でももう少し話したくて、机からノートを取った私は河上くんの席に近づいてみる。
言葉通り真面目にやるのか、そこには私が今しがた取りに来た課題が広げられていた。
「おぉ!ちゃんとしてるのね」
「ぶっ……ちゃんと…してるでござるよ」
クックッと笑う口元を隠しながら、河上くんは小さく体を揺らした。
褒めたつもりだったけれど、ちょっと言葉を間違えてしまったようだ。
焦ってすぐに謝れば、スマン気にするなと逆に謝られてしまった。
「河上くんすごいね。私もやっちゃおうかな」
「あぁ、ならこちらに」
私の一言に、河上くんは隣りの席をポンポンと叩いて座るように促してくれた。
なんてスマートな男なんだろう。
同い年とは思えないほどのイケメンぶりに、最早感動すら覚えてしまいそうな程だ。
「お言葉に甘えて…」
これは滅多にないチャンスと腰掛けると、河上くんの横顔がバッチリ見られて、鼻筋通っているなとか意外と髪の毛フワフワしてそうだな、触れてみたいな、と邪な思いに駆られて何だかドキドキした。
私が河上くんに対して秘めているこの思いは、結構重症なのかもしれない。
「んー?ここよく分かんないな…」
「どれ…あぁ、これは教科書のここに…」
「あっ、ホント…ありがとう河上くん」
「いや、この位なんてことはないでござるよ」
結局、高杉くんは30分を過ぎても戻ってきていない。
もしかして帰ったんじゃ?と思わなくもないが、河上くんはすっかり勉強モードに入ってしまったようで、課題以外にも解かずに置いていた過去の課題にも手をつけていた。
普段あまり見ることの無い光景に胸を躍らせるも、あまりジロジロ見るわけにもいかない。
「そういえば…主は、拙者にも皆と変わらぬ態度でござるな」
「え?態度?」
「あぁ…その、怖くはないのかと思ってな。拙者達は評判の良い方ではござらんだろう」
「んんー、まぁ確かに…」
否定できなくて苦笑すれば、河上くんも少し眉を寄せて困った顔をしていた。
話してみれば何も怖いことは無いのに…と思う一方で、こんな姿の彼を知っているのはごく僅かだと思うと、あまり多くの人に知られるのは嫌だなんてわがままを思ってしまう。
「河上くん、ちょっと耳貸して」
「ん?」
河上くんはヘッドホンを外して、私の方へと少し傾いた。
私は形のいい耳にそっと唇を寄せて、こそこそと囁いた。
「私は河上くんのこと優しい人だと思うよ」
パッと離れて、照れ隠しにへへへとふざけて笑えば、河上くんはキョトンとした顔で私を見て、すぐに同じように口角を上げた。
「ありがとう」
河上くんの、初めて見るはにかんだような遠慮がちな笑顔に、私は胸を撃ち抜かれてしまった。
実は優しくて、意外と人のことしっかり見ていたりするのを私は知っている。
今日だって、また子ちゃんがシャーペン忘れたって困っていたら貸していたし、高杉くんや岡田くんのよく分からない発言をフォローしていた。
そうやって目で追っていることを知ってか知らずか、些細なきっかけから私と河上くんは時々話すようにやった。
普段のポーカーフェイスもいいけど、たまーに見せる笑顔もかっこいいなって思っているのは、ここだけの秘密。
「こないだはCD貸してくれたよ。お通ちゃんはよく分かんなくて、早めに返したけど」
「あー、アイツ何考えてるか分からん感じだもんな」
一緒にご飯を食べていた退がそういって河上くんの方をちょっと嫌そうに見ているけど、それは確かにと思う。
サングラスだし、一人だけシャツの色違うし、ヘッドホンしてるし、ギター抱えてるし、高杉くんにやたら固執してるっぽいし。
確かに何を考えているか分からない。
「よく他校の生徒と喧嘩してるみたいだし…。それなのにお前よく普通に話せるよな」
「えぇーだって自分から喧嘩しにいく感じでもないんでしょ?一応ちゃんと学校にも来てるしさ」
「まぁ…でも校則違反だなんだって風紀委員的には悩みの種って感じだよ」
やれやれなんて言いながら退は食べ終えたゴミを片付けていく。
ズゴゴゴッと音を立ててパックジュースを飲み干すと、部活がどうのこうのと言いながら席を立ってしまった。
「悩みの種かぁ…風紀委員も大変なんだなぁ」
私も残りのお弁当を食べ終えると、残りの昼休みは音楽を聴きながら本を読むことにした。
お妙ちゃんや神楽ちゃんと話すのも楽しいけれど、今日は本を読みたい。そんな気分の日があってもいいと思う。
午後の授業が終わり、すっかり疲れてしまった私はホームルームが終わるとさっさと教室を出た。
耳にはしっかりとイヤホンをつけて、自分の世界に入り込む準備をして下駄箱で靴を履こうとした時、唐突に忘れ物を思い出した。
「明日出すノート忘れるとか…危ない所だったわ」
面倒に思いながらも先程歩いてきた道をまた戻れば、教室はしんと静かになっていた。
私が教室を出てからさほど時間も経っていないが、もうみんな帰ったのだろうか?
不思議に思いながらもガラガラと音を立てながら教室に足を踏み入れれば、河上くんが席に着いていた。
「あれっ?どうしたの?」
河上くんはパッと顔を上げて私を見ると、片手を上げてふっと笑った。
イケメンは何をしても様になる。
「晋助が戻ってこなくてな。待つ間にたまには課題でもと」
「たまにはって…そっか、あんまり授業出てないもんね」
「左様。だが出席日数をどうこう言われておるし、しばらくは真面目に出るつもりでござるよ」
「そっかぁ!」
じゃあ明日も会えるね~なんて恥ずかしくて言える訳もなく、でももう少し話したくて、机からノートを取った私は河上くんの席に近づいてみる。
言葉通り真面目にやるのか、そこには私が今しがた取りに来た課題が広げられていた。
「おぉ!ちゃんとしてるのね」
「ぶっ……ちゃんと…してるでござるよ」
クックッと笑う口元を隠しながら、河上くんは小さく体を揺らした。
褒めたつもりだったけれど、ちょっと言葉を間違えてしまったようだ。
焦ってすぐに謝れば、スマン気にするなと逆に謝られてしまった。
「河上くんすごいね。私もやっちゃおうかな」
「あぁ、ならこちらに」
私の一言に、河上くんは隣りの席をポンポンと叩いて座るように促してくれた。
なんてスマートな男なんだろう。
同い年とは思えないほどのイケメンぶりに、最早感動すら覚えてしまいそうな程だ。
「お言葉に甘えて…」
これは滅多にないチャンスと腰掛けると、河上くんの横顔がバッチリ見られて、鼻筋通っているなとか意外と髪の毛フワフワしてそうだな、触れてみたいな、と邪な思いに駆られて何だかドキドキした。
私が河上くんに対して秘めているこの思いは、結構重症なのかもしれない。
「んー?ここよく分かんないな…」
「どれ…あぁ、これは教科書のここに…」
「あっ、ホント…ありがとう河上くん」
「いや、この位なんてことはないでござるよ」
結局、高杉くんは30分を過ぎても戻ってきていない。
もしかして帰ったんじゃ?と思わなくもないが、河上くんはすっかり勉強モードに入ってしまったようで、課題以外にも解かずに置いていた過去の課題にも手をつけていた。
普段あまり見ることの無い光景に胸を躍らせるも、あまりジロジロ見るわけにもいかない。
「そういえば…主は、拙者にも皆と変わらぬ態度でござるな」
「え?態度?」
「あぁ…その、怖くはないのかと思ってな。拙者達は評判の良い方ではござらんだろう」
「んんー、まぁ確かに…」
否定できなくて苦笑すれば、河上くんも少し眉を寄せて困った顔をしていた。
話してみれば何も怖いことは無いのに…と思う一方で、こんな姿の彼を知っているのはごく僅かだと思うと、あまり多くの人に知られるのは嫌だなんてわがままを思ってしまう。
「河上くん、ちょっと耳貸して」
「ん?」
河上くんはヘッドホンを外して、私の方へと少し傾いた。
私は形のいい耳にそっと唇を寄せて、こそこそと囁いた。
「私は河上くんのこと優しい人だと思うよ」
パッと離れて、照れ隠しにへへへとふざけて笑えば、河上くんはキョトンとした顔で私を見て、すぐに同じように口角を上げた。
「ありがとう」
河上くんの、初めて見るはにかんだような遠慮がちな笑顔に、私は胸を撃ち抜かれてしまった。