メガネっ子さんの5つの苦悩
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遠くでセミの鳴き声と隊士たちの稽古の声が聞こえる中、俺は黙々と目の前の書類に取り掛かっている。
資料室からそう離れていない小さな部屋には、最近近藤さんの心遣いで小さな空調が取り付けられ、冷たい風がゆるく吹き出している。
クソ暑い外での鍛錬もこの後に控えているが、今はあと少しとなった書類を終わらせなければならない。
あと数枚といった報告書に目を通して、それから…と、考えていると小さくノックの音が響いた。
「お疲れ様です、土方副長。お茶をお持ちしました」
投げかけられた声に立ち上がりドアを開けるとぽん子がこちらを伺っている。
小柄なぽん子は俺を見上げながら、くりっとした丸い目でこちらを見ていたが俺の表情を見て少しその目が細められた。
「あー…悪いな…せっかくだが、もう終わる所でな」
「すっすみません、まだ掛かるかと思って…お邪魔しましたか…」
お盆に乗せられた湯のみと、その横の包みにちらりと目をやれば端の方に小さく「土方さん用」と記されており、手に取ると俺に準備したものだろうとひと目でわかるほどのマヨネーズがかかった串団子だった。
「いや待て、終わったら食うからちょっと時間をくれ」
ドアを大きく開いて迎えれば、ぽん子はぱあっと顔を輝かせて笑った。
「ハイッ、分かりました!」
ぽん子を俺の向かいに座らせ、再び書類に目を通しながらチラリとぽん子を見れば、興味深そうに室内を見回している。
「あんまりキョロキョロすんじゃねぇ」
「すみませんっ失礼しましたっ…」
呆れたように注意すれば、即座に前を向き背筋をしゃんと伸ばすぽん子に思わず笑みが溢れると、彼女もまた照れくさそうに微笑んだ。
残り数枚だった書類に目を通し終え、その束を纏めながらようやく一息つく。
ぽん子は静かにじっと俺を眺めており、一緒にどうだと声をかけたが慌てた様子で青い顔で断られてしまった。
仕方なく1人で食べ終えると、ぽん子は相変わらずこちらを見ながら微笑んでいる。
「さっきから何笑ってやがる」
お盆の上に包みや湯のみの他、俺の持ってきた筆記具なんかも乗せて立ち上がりながら聞くと、ぽん子はパッと両手で口を隠した。
「やだ、ごめんなさい!」
「俺の顔はそんなに面白ぇか?」
「いえっ!ただ…頬張る姿が可愛らしくて…ふふっ」
思い出したのか微笑むぽん子に、俺の事をそんなふうに見ていたのかと照れくさくなり、背中を向けて出口に向かうとぽん子は慌てて立ち上がり俺の後を着いてきた。
「土方さ、あっ副長、お盆は私が」
「いーよ、俺が持つから」
でも、だか私の仕事が、何だか言うぽん子を置いてさっさと会議室を出ると、数歩歩いたところでぽん子はアッと小さく声を上げた。
「わわっ、くもっちゃった」
振り向けば、曇って真っ白になったレンズに慌てて眼鏡を外すぽん子が居て、その慌てっぷりにぷッと小さく吹き出してしまった。
だが当の本人は俺が笑ったことにも気づいていないようで、俺の差し出したティッシュを受け取ると申し訳なさそうな顔で丁寧に拭き始めた。
その優しい手つきと、困ったような真剣なような表情につい見とれてしまい、総悟のことを単純だバカだ何だとは言えないなと考え直した。
鬼の副長だなんて通り名が着いてるってのに、こんな事でコイツを可愛いだのと思っちまって、案外俺も単純なのかも知れねェ。
「どうかしましたか?」
小首を傾げてこちらを見るぽん子の丸い頭にそっと手をやる。
それから俺の顔が見えないよう、彼女の前髪をぐちゃぐちゃに掻き乱してやった。
「何でもねェよ」
夏に涼しい所から出た時に曇る
小さなことで慌てる姿が愛しくて。
資料室からそう離れていない小さな部屋には、最近近藤さんの心遣いで小さな空調が取り付けられ、冷たい風がゆるく吹き出している。
クソ暑い外での鍛錬もこの後に控えているが、今はあと少しとなった書類を終わらせなければならない。
あと数枚といった報告書に目を通して、それから…と、考えていると小さくノックの音が響いた。
「お疲れ様です、土方副長。お茶をお持ちしました」
投げかけられた声に立ち上がりドアを開けるとぽん子がこちらを伺っている。
小柄なぽん子は俺を見上げながら、くりっとした丸い目でこちらを見ていたが俺の表情を見て少しその目が細められた。
「あー…悪いな…せっかくだが、もう終わる所でな」
「すっすみません、まだ掛かるかと思って…お邪魔しましたか…」
お盆に乗せられた湯のみと、その横の包みにちらりと目をやれば端の方に小さく「土方さん用」と記されており、手に取ると俺に準備したものだろうとひと目でわかるほどのマヨネーズがかかった串団子だった。
「いや待て、終わったら食うからちょっと時間をくれ」
ドアを大きく開いて迎えれば、ぽん子はぱあっと顔を輝かせて笑った。
「ハイッ、分かりました!」
ぽん子を俺の向かいに座らせ、再び書類に目を通しながらチラリとぽん子を見れば、興味深そうに室内を見回している。
「あんまりキョロキョロすんじゃねぇ」
「すみませんっ失礼しましたっ…」
呆れたように注意すれば、即座に前を向き背筋をしゃんと伸ばすぽん子に思わず笑みが溢れると、彼女もまた照れくさそうに微笑んだ。
残り数枚だった書類に目を通し終え、その束を纏めながらようやく一息つく。
ぽん子は静かにじっと俺を眺めており、一緒にどうだと声をかけたが慌てた様子で青い顔で断られてしまった。
仕方なく1人で食べ終えると、ぽん子は相変わらずこちらを見ながら微笑んでいる。
「さっきから何笑ってやがる」
お盆の上に包みや湯のみの他、俺の持ってきた筆記具なんかも乗せて立ち上がりながら聞くと、ぽん子はパッと両手で口を隠した。
「やだ、ごめんなさい!」
「俺の顔はそんなに面白ぇか?」
「いえっ!ただ…頬張る姿が可愛らしくて…ふふっ」
思い出したのか微笑むぽん子に、俺の事をそんなふうに見ていたのかと照れくさくなり、背中を向けて出口に向かうとぽん子は慌てて立ち上がり俺の後を着いてきた。
「土方さ、あっ副長、お盆は私が」
「いーよ、俺が持つから」
でも、だか私の仕事が、何だか言うぽん子を置いてさっさと会議室を出ると、数歩歩いたところでぽん子はアッと小さく声を上げた。
「わわっ、くもっちゃった」
振り向けば、曇って真っ白になったレンズに慌てて眼鏡を外すぽん子が居て、その慌てっぷりにぷッと小さく吹き出してしまった。
だが当の本人は俺が笑ったことにも気づいていないようで、俺の差し出したティッシュを受け取ると申し訳なさそうな顔で丁寧に拭き始めた。
その優しい手つきと、困ったような真剣なような表情につい見とれてしまい、総悟のことを単純だバカだ何だとは言えないなと考え直した。
鬼の副長だなんて通り名が着いてるってのに、こんな事でコイツを可愛いだのと思っちまって、案外俺も単純なのかも知れねェ。
「どうかしましたか?」
小首を傾げてこちらを見るぽん子の丸い頭にそっと手をやる。
それから俺の顔が見えないよう、彼女の前髪をぐちゃぐちゃに掻き乱してやった。
「何でもねェよ」
夏に涼しい所から出た時に曇る
小さなことで慌てる姿が愛しくて。