反応を楽しむ10のセリフ
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五月といえば、連休。
連休といえば、遊びに行く。
遊びに行くといえば、遊園地!
遊園地といえば、ジェットコースター!
一人連想ゲームを脳内で無理やり繋げながら、私は一人、ベンチで荷物を守っている。
誰の荷物か?そうそれは、クラスメイトのマヨラーとジミーとチャイナと怪力とサド王子と呼ばれる人々の荷物だ。
まさか休みに顔を合わすとは思っていなかったこの男子メンバーとは、奇しくも同じことを考えていたようだ。
互いにその姿を確認した瞬間「げっ」と口にしてしまったが、途中何度も遭遇するうちに何だかんだで行動を共にすることとなってしまった。
そんな彼女らは今、ジェットコースターに乗っている。
私は生憎コンタクトな為、飛んでいっては困るからという理由で荷物持ちを買って出たのだ。
決して怖い訳では無い。
コンタクトが飛んではその後の楽しみは一切なくなってしまうからだ。
ゴォォォと鳴り響くコースターの音とキャーキャーと楽しそうな声を遠くで聞きながら、私はストローで残り少しのジュースをズゴゴと言わせながら吸い上げる。
「よくあんな乗り物に乗ろうと思うよ…怖くないのかね…」
暫くすると、皆が楽しそうに声を上げながら帰ってきた。
「ぽん子も乗ればよかったのに!楽しかったアル!」
「そっかぁ~でも換えのコンタクトないし、しょうがないよ」
「そうよ、神楽ちゃん。それに他にもアトラクションはあるんだから、ぽん子ちゃんと一緒に楽しめるものを探しましょうよ」
戻ってきてすぐに、興奮気味の神楽ちゃんが頬を紅潮させながらあれこれと感想を述べてくれた。
その隣りの妙ちゃんは多分私がジェットコースターが苦手なことを気付いていてフォローを入れたのだろう、まるで女神だ。
そんな女神をストーカーするゴリラは不在のため、私だけがその姿を拝んでいる。
そんな二人の後ろからぞろぞろと歩いてくる男達は、心無しか疲れたような顔に見えるのは気のせいだろうか。
「キーキーうるさくて全然楽しめやしねぇな」
「残念ですねェ、土方さん。キーキー騒いでたのはザキでさァ」
「沖田さんが固定バーガタガタさせるからでしょうが!」
絵に描いたようなヤレヤレ感を醸しながら、土方くんがこちらへとだるそうに歩いてきた。
その後ろを沖田くんが相変わらず悪びれもせず山崎くんを弄りながら寄ってきて、そのまま私の隣りへ座ってすぐにジュースを飲み始めた。
「あーダルっ」
「下から見てる分には楽しそうだったけど、沖田くんは好きじゃなかった?」
「あー…、何か思ってたのと違ったんでさァ」
はぁ~っと分かりやすくため息をついた沖田くんが、飲み干したジュースのボトルをゴミ箱にポイッと投げれば、それは綺麗な放射線を描いてゴミ箱の中へと吸い込まれていった。
「おおお、凄いね沖田くん」
「誰でも出来まさァ」
分かりにくいけど、ちょっと得意げな顔になった沖田くんは頭の後ろで両手を組んでふんぞり返っている。
神楽ちゃんと妙ちゃんは、次はどこへ行こうかと楽しそうに話していて、土方くんと山崎くんも何やかんやと女子二人の会話に混ざっている。
「ねぇ沖田くん、さっき思ってたのと違ったって言ってたけど、もしかしてぐるぐる回るようなやつが好きなの?」
「別にアレ自体がどうって訳じゃ」
「ぽん子!次はここ行くヨロシ!!」
バシン!と力強くテーブルにマップを広げた神楽ちゃんに驚いていたら、ココ!と一箇所を指さされた。
それを見た私はサァッと血の気が引いたのを感じ、そんな私を見た沖田くんが楽しそうにニヤリと笑う。
「チャイナにしちゃあ良いチョイスじゃねぇか」
「えっ」
「ここならコンタクトが飛ぶ心配もねェだろぃ、なぁぽん子?」
「えっ、あ、うん……そうだね…」
沖田くんから腕を引っ張られ、皆の後を渋々着いていけば、目の前に広がるのは〝 いかにも〟なお化け屋敷。
作り物と分かっていても、怖いものが苦手な私にとってはまぁまぁのハードルの高さだ。
お化けが苦手なはずの土方くんならきっと、「くだらねぇ。他のアトラクション行くぞ」とか言ってくれるはずと期待していたけど、沖田くんが何かけしかけたのか山崎くんとさっさと入ってしまった。
勿論、神楽ちゃん達は先陣切って入場し、中からは「キャホホーイ!」と謎の笑い声が響いている。
「次の方、どうぞ~」
しばらくして、案外普通の顔で出てきた土方くんの様子に安堵した私は沖田くんに促されて恐る恐る足を踏み入れた。
予想していたよりも作り物感に溢れていて、これならそう怖くはないかも、と油断した瞬間、吹き出た風に情けない悲鳴を上げて先を行く沖田くんの背中に飛びかかった。
「おおおおお沖田くん!置いてかないでよぉぉぉ」
「ぽん子がチンタラしてっからだろィ」
冷めた目でこちらを見る沖田くんに、情けというものは無いのか!と言いたいけれど、この方はドS王子なだけあってそんなものは持ち合わせては居ないようだ。
小馬鹿にしたように、進みやすよと言われて慌ててその腕をぎゅっと掴めば、驚いた顔で振り向かれてしまった。
「ごっごめん!ごめん!」
「い、いや…」
さすがの沖田くんも、いきなり腕を掴まれてはいい気はしなかったかも知れないが、私は私で一人にされては堪らない。
「今だけは手を繋いでて!」
お願いします!と頼み込んでみると、沖田くんは珍しく困ったように眉を下げてこちらを見ていた。
そして、私が掴んでいた手をしっかり繋ぎ直して、「しょーがねぇやつ」とそっぽを向いてしまった。
「ありがと、沖田くん」
私の声は聞こえなかったのか、沖田くんが振り向くことは無かった。
だけど、手を繋いで歩幅を合わせてくれたお陰で、何とか止まらずに出口に近づけたようだ。
外から零れる光と、賑やかな囲気で出口が近いことを知ると、私はホッと胸をなでおろして沖田くんを見る。
「何でィ」
「えっ?いや、手、離した方が良いんじゃ…」
「………あぁ」
未だに繋がれた手を見る沖田くんを不思議に思うも、その表情からは何も読み取れない。
呆気なく離れた手に、なぜか少しだけ寂しく感じたが、私はそのまま出口に向かおうとした。
「ぽん子」
「ん?何?沖田くん」
振り向くと、沖田くんはそれが当たり前のように私に向かって手を差し出してきた。
きょとんとして固まる私を他所に、ちょっと照れくさそうな沖田くんが乱暴に私の手を掴むと、出口までそのまま歩き出してしまった。
「ぽん子はどんくせェから、出るまで繋いでやらァ」
「えっ?えぇっ?!でも皆に勘違いされちゃうよ?」
慌てる私に沖田くんは振り向いて、ニヤリといつもの意地悪な顔で楽しそうに笑った。
「ぽん子が好きだっつってんでさァ。勘違いされて好都合でィ」
連休といえば、遊びに行く。
遊びに行くといえば、遊園地!
遊園地といえば、ジェットコースター!
一人連想ゲームを脳内で無理やり繋げながら、私は一人、ベンチで荷物を守っている。
誰の荷物か?そうそれは、クラスメイトのマヨラーとジミーとチャイナと怪力とサド王子と呼ばれる人々の荷物だ。
まさか休みに顔を合わすとは思っていなかったこの男子メンバーとは、奇しくも同じことを考えていたようだ。
互いにその姿を確認した瞬間「げっ」と口にしてしまったが、途中何度も遭遇するうちに何だかんだで行動を共にすることとなってしまった。
そんな彼女らは今、ジェットコースターに乗っている。
私は生憎コンタクトな為、飛んでいっては困るからという理由で荷物持ちを買って出たのだ。
決して怖い訳では無い。
コンタクトが飛んではその後の楽しみは一切なくなってしまうからだ。
ゴォォォと鳴り響くコースターの音とキャーキャーと楽しそうな声を遠くで聞きながら、私はストローで残り少しのジュースをズゴゴと言わせながら吸い上げる。
「よくあんな乗り物に乗ろうと思うよ…怖くないのかね…」
暫くすると、皆が楽しそうに声を上げながら帰ってきた。
「ぽん子も乗ればよかったのに!楽しかったアル!」
「そっかぁ~でも換えのコンタクトないし、しょうがないよ」
「そうよ、神楽ちゃん。それに他にもアトラクションはあるんだから、ぽん子ちゃんと一緒に楽しめるものを探しましょうよ」
戻ってきてすぐに、興奮気味の神楽ちゃんが頬を紅潮させながらあれこれと感想を述べてくれた。
その隣りの妙ちゃんは多分私がジェットコースターが苦手なことを気付いていてフォローを入れたのだろう、まるで女神だ。
そんな女神をストーカーするゴリラは不在のため、私だけがその姿を拝んでいる。
そんな二人の後ろからぞろぞろと歩いてくる男達は、心無しか疲れたような顔に見えるのは気のせいだろうか。
「キーキーうるさくて全然楽しめやしねぇな」
「残念ですねェ、土方さん。キーキー騒いでたのはザキでさァ」
「沖田さんが固定バーガタガタさせるからでしょうが!」
絵に描いたようなヤレヤレ感を醸しながら、土方くんがこちらへとだるそうに歩いてきた。
その後ろを沖田くんが相変わらず悪びれもせず山崎くんを弄りながら寄ってきて、そのまま私の隣りへ座ってすぐにジュースを飲み始めた。
「あーダルっ」
「下から見てる分には楽しそうだったけど、沖田くんは好きじゃなかった?」
「あー…、何か思ってたのと違ったんでさァ」
はぁ~っと分かりやすくため息をついた沖田くんが、飲み干したジュースのボトルをゴミ箱にポイッと投げれば、それは綺麗な放射線を描いてゴミ箱の中へと吸い込まれていった。
「おおお、凄いね沖田くん」
「誰でも出来まさァ」
分かりにくいけど、ちょっと得意げな顔になった沖田くんは頭の後ろで両手を組んでふんぞり返っている。
神楽ちゃんと妙ちゃんは、次はどこへ行こうかと楽しそうに話していて、土方くんと山崎くんも何やかんやと女子二人の会話に混ざっている。
「ねぇ沖田くん、さっき思ってたのと違ったって言ってたけど、もしかしてぐるぐる回るようなやつが好きなの?」
「別にアレ自体がどうって訳じゃ」
「ぽん子!次はここ行くヨロシ!!」
バシン!と力強くテーブルにマップを広げた神楽ちゃんに驚いていたら、ココ!と一箇所を指さされた。
それを見た私はサァッと血の気が引いたのを感じ、そんな私を見た沖田くんが楽しそうにニヤリと笑う。
「チャイナにしちゃあ良いチョイスじゃねぇか」
「えっ」
「ここならコンタクトが飛ぶ心配もねェだろぃ、なぁぽん子?」
「えっ、あ、うん……そうだね…」
沖田くんから腕を引っ張られ、皆の後を渋々着いていけば、目の前に広がるのは〝 いかにも〟なお化け屋敷。
作り物と分かっていても、怖いものが苦手な私にとってはまぁまぁのハードルの高さだ。
お化けが苦手なはずの土方くんならきっと、「くだらねぇ。他のアトラクション行くぞ」とか言ってくれるはずと期待していたけど、沖田くんが何かけしかけたのか山崎くんとさっさと入ってしまった。
勿論、神楽ちゃん達は先陣切って入場し、中からは「キャホホーイ!」と謎の笑い声が響いている。
「次の方、どうぞ~」
しばらくして、案外普通の顔で出てきた土方くんの様子に安堵した私は沖田くんに促されて恐る恐る足を踏み入れた。
予想していたよりも作り物感に溢れていて、これならそう怖くはないかも、と油断した瞬間、吹き出た風に情けない悲鳴を上げて先を行く沖田くんの背中に飛びかかった。
「おおおおお沖田くん!置いてかないでよぉぉぉ」
「ぽん子がチンタラしてっからだろィ」
冷めた目でこちらを見る沖田くんに、情けというものは無いのか!と言いたいけれど、この方はドS王子なだけあってそんなものは持ち合わせては居ないようだ。
小馬鹿にしたように、進みやすよと言われて慌ててその腕をぎゅっと掴めば、驚いた顔で振り向かれてしまった。
「ごっごめん!ごめん!」
「い、いや…」
さすがの沖田くんも、いきなり腕を掴まれてはいい気はしなかったかも知れないが、私は私で一人にされては堪らない。
「今だけは手を繋いでて!」
お願いします!と頼み込んでみると、沖田くんは珍しく困ったように眉を下げてこちらを見ていた。
そして、私が掴んでいた手をしっかり繋ぎ直して、「しょーがねぇやつ」とそっぽを向いてしまった。
「ありがと、沖田くん」
私の声は聞こえなかったのか、沖田くんが振り向くことは無かった。
だけど、手を繋いで歩幅を合わせてくれたお陰で、何とか止まらずに出口に近づけたようだ。
外から零れる光と、賑やかな囲気で出口が近いことを知ると、私はホッと胸をなでおろして沖田くんを見る。
「何でィ」
「えっ?いや、手、離した方が良いんじゃ…」
「………あぁ」
未だに繋がれた手を見る沖田くんを不思議に思うも、その表情からは何も読み取れない。
呆気なく離れた手に、なぜか少しだけ寂しく感じたが、私はそのまま出口に向かおうとした。
「ぽん子」
「ん?何?沖田くん」
振り向くと、沖田くんはそれが当たり前のように私に向かって手を差し出してきた。
きょとんとして固まる私を他所に、ちょっと照れくさそうな沖田くんが乱暴に私の手を掴むと、出口までそのまま歩き出してしまった。
「ぽん子はどんくせェから、出るまで繋いでやらァ」
「えっ?えぇっ?!でも皆に勘違いされちゃうよ?」
慌てる私に沖田くんは振り向いて、ニヤリといつもの意地悪な顔で楽しそうに笑った。
「ぽん子が好きだっつってんでさァ。勘違いされて好都合でィ」