反応を楽しむ10のセリフ
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本日の万事屋の依頼は、晴太くんの相手という簡単なお仕事だ。
暇つぶしに万事屋へ遊びに来ていた私は帰ろうとも思ったが、子守りなら人手は多い方がいいからと言われ、ホイホイ着いてきた私がバカだった。
今、私は銀時と一緒に、押し入れの中で息を潜めている。
「何で同じとこに隠れるかなぁ…」
「うるせーな、隠れんぼと言ったら押し入れ一択だろ」
勉強に飽きた晴太くんと遊ぼうということになり、私と銀時は各々違う方向に動いたはずなのに、私が先に隠れていた押し入れに銀時がギリギリになって潜り込んできた。
無理やり入り込んだ銀時に背後から口を塞がれ、真っ暗な小部屋と化した空間では、二人分の息づかいだけが静かに聞こえてくる。
聞き耳を立てて様子を伺えば、晴太くんはどうやら他の部屋を探しに行ってしまったようだ。
今のうちに他の場所へとも思ったが、銀時が「面倒だからここに隠れてようぜ」と言って動かないので、私も動けずに今に至る。
「ぽん子?どした?」
黙ったままの私を不審に思ったのか、銀時が私の顔をペチペチ触りながら問いかけてくる。
「い、いや…なんでもない…」
「お前そんな顔熱くさせてて、何でもない事ないだろ!もしかして具合悪いなんて言うんじゃねーだろうな?ウチは労災なんて出ねーぞ」
「何でもないってば!ちょっと離れてよ」
「ちょ、おま、バカ!イデデデデ!」
銀時を出口側に無理やり追い込もうと肘を突き立てるも、暴れる銀時が壁や襖にぶつかりガタガタと軋んだ音をさせながら揺れ動いただけだ。
外に出ない限りこの距離が離れることは無いと分かっていても、恥ずかしくて顔を見られたくなかったのだ。
目が慣れてきたとはいえ、暗くて見えないだろうけどね。
「とりあえず落ち着け!一旦落ち着こう、ぽん子だってこんな所見つかりたくないだろ?」
「そりゃそうよ!」
「一回深呼吸な。ホラ、吸ってー吐いてー」
「うっ、うん」
すーはーすーはーと言われた通りに深呼吸を繰り返すと、少しだけ気持ちも心臓の音も落ち着いていく。
その様子を感じ取ってか、小声で「こんなことになっちまって悪いな」と呟く銀時に、私も当たり障りなく返事をする。
そうやってボソボソと話しているうち、冷静さを取り戻した私は段々と自分の置かれている状況を理解し始めた。
そして、今どのような状況でいるかを理解した私はまた顔が熱くなっていくのが分かった。
背が高い銀時は、膝を曲げないとこのスペースに隠れることは出来なかったのだろう。それは仕方の無いことだ。
私の背中は銀時の胸にピッタリくっついており、抱き枕にでも抱きつくように足で挟まれている。
口を塞いでいた手は今は頭を掴まれていて、ボールにでもなった気分だ。
「あ、あの、銀時?」
「あ?なんだよ」
小声での会話になるため、どうしても耳元で囁かれる銀時の低い声に、意識したくなくても心臓が早鐘を打つ。
「少しでいいから、離れられないよね…?」
「バカかおめー。無理言ってんじゃないよ」
「だよね…」
普段なんとも思っていなかったのに、吐息まで耳にかかる程の距離でずっと話しかけられて、私はおかしくなってしまったのだろうか。
今は頭を掴んでいた手は私の肩に置かれ、もう片方の手は腕枕のようにしているのか、ふわふわした髪が時々私の耳を掠めている。
「…何か、こうしてるとアレだな」
「えっ何?アレって?」
「いや、ぽん子、細いなぁと思って」
「…ヒッ?!」
そっと首に手をかけられて、ゾワゾワと背筋を何かが這うような感覚に思わず小さく悲鳴を上げたが、銀時はそのまま「ポキっと折れそうだな」なんて呑気に呟いている。
「ちょっと止めてよ!」
「んな怒ることねーだろ」
着物が乱れるのも構わず、お尻で銀時にぶつかれば、大事なところにぶつかったのか背後では唸り声が聞こえてくる。
「てめっ……銀さんの銀さんに何してくれる……」
「知らないわよ!」
あくまで小声で叫びながら振り返れば、思いのほか銀時はすぐ近くに居たようだ。
身を乗り出していた銀時と、振り返った私で、見事に正面衝突をした。
「…………………」
ふにっと柔らかい感触がして、ふわっと甘い香りが鼻をくすぐる。
薄暗い中で見えた赤い瞳が、妖しく揺らめいたように感じた。
彫刻のように固まることしか出来ずにいる私から、柔らかい唇がゆっくりと離れる。
「……ぽん子ちゃん、不可抗力って知ってる?」
「う、うん」
「お!それなら話は早いよな。俺はわざとじゃなかったし、お前もわざとじゃなかった。オーケー?」
「お、おお、おーけー」
「良し。じゃあこれは不可抗力。痛み分けってことで」
まだ唇と唇がくっつきそうな距離で、真顔でつらつらと話す銀時から私は目が離せない。
銀時にとっては「軽いハプニング」程度だったかも知れないが、私は今、雷でも落ちたかのような衝撃に見舞われている。
「で、で、でも」
「え、何?」
「でも、は、は、初めてで…」
かぁぁっと、顔が一気に熱くなっていく。
火でも着きました?という程に熱を持った私の頬を、銀時のぬるい手がべちっと触れた。
「まじか」
「まじだよぉ…」
あわあわと口を動かしながら、銀時の言葉をオウム返しにすれば、銀時はそのまま私の頬をぶにっと摘むと困ったように「すまん」と呟いた。
許せるか!と思った瞬間、先程の柔らかい感触が再びゆっくりと私の唇に触れる。
「?!」
数秒間ぴったりとくっついていた銀時の唇が離れ、私は思わず止めていた呼吸を再開して、足りない酸素を補うように大きく息を吸い込んだ。
「はぁっ……はっ、はっ……な、なんっ……?!」
鯉のようにパクパクと口を動かして、言葉という言葉を投げることが出来ない私に銀時はいつもの気だるげな声でしれっと言い放った。
「いや、責任取ろうと思って」
「せっ、責任?!」
「いや、ぽん子のファーストキス奪ったから」
「えっ?えっ?どういうこと?」
「いや、責任っていうか、前からお前のこと好きだしつい手が出たっていうか。あれ、俺何言ってんだろテヘ」
「はぁ?!好き?!はぁ?!」
狼狽える私をその字のごとく放って、銀時はぐるりと背中を向けると襖に手をかけると押し入れを開けた。
新鮮な空気と眩しい光が一気に入ってきて、私はあまりの刺激に瞼を閉じて手のひらで目を覆った。
銀時はさっさと出ていくと、よっこらせなんて言いながら押し入れの前にヤンキー座りでこちらに手を伸ばしている。
「ほら、出てこい」
「えっ…あ、ありがと…」
這うように出てきた私に目を合わせない銀時は、そっぽを向いているがその頬は少しだけ赤い。
色々聞きたいことはあるが、私もあまり直視することが出来ない。
おずおずと手を離して着物のヨレをササッと簡単に直す素振りで目を逸らすと、銀時がポツリと言った。
「帰ったら、ちゃんと告白するから」
その言葉に顔を上げた瞬間、玄関から晴太くんの明るい声が飛び込んできた。
「ごめーん!ぽん子姉ちゃん!銀さん!外に遊びに行って忘れてたー!!」
「コルァ!晴太テメー!」
「ギャァァ!銀さんごめんてー!」
バタバタと慌ただしく玄関に走り出す銀時を目で追って、私は胸の前でぎゅうっと両手を握りしめた。
さっきからずっと、心臓が痛いほど脈打っている。
「帰ったら、って……」
騒々しい二人の声を聞きながら、私はポツリと呟いた。
『(きっと)約束だよ』
暇つぶしに万事屋へ遊びに来ていた私は帰ろうとも思ったが、子守りなら人手は多い方がいいからと言われ、ホイホイ着いてきた私がバカだった。
今、私は銀時と一緒に、押し入れの中で息を潜めている。
「何で同じとこに隠れるかなぁ…」
「うるせーな、隠れんぼと言ったら押し入れ一択だろ」
勉強に飽きた晴太くんと遊ぼうということになり、私と銀時は各々違う方向に動いたはずなのに、私が先に隠れていた押し入れに銀時がギリギリになって潜り込んできた。
無理やり入り込んだ銀時に背後から口を塞がれ、真っ暗な小部屋と化した空間では、二人分の息づかいだけが静かに聞こえてくる。
聞き耳を立てて様子を伺えば、晴太くんはどうやら他の部屋を探しに行ってしまったようだ。
今のうちに他の場所へとも思ったが、銀時が「面倒だからここに隠れてようぜ」と言って動かないので、私も動けずに今に至る。
「ぽん子?どした?」
黙ったままの私を不審に思ったのか、銀時が私の顔をペチペチ触りながら問いかけてくる。
「い、いや…なんでもない…」
「お前そんな顔熱くさせてて、何でもない事ないだろ!もしかして具合悪いなんて言うんじゃねーだろうな?ウチは労災なんて出ねーぞ」
「何でもないってば!ちょっと離れてよ」
「ちょ、おま、バカ!イデデデデ!」
銀時を出口側に無理やり追い込もうと肘を突き立てるも、暴れる銀時が壁や襖にぶつかりガタガタと軋んだ音をさせながら揺れ動いただけだ。
外に出ない限りこの距離が離れることは無いと分かっていても、恥ずかしくて顔を見られたくなかったのだ。
目が慣れてきたとはいえ、暗くて見えないだろうけどね。
「とりあえず落ち着け!一旦落ち着こう、ぽん子だってこんな所見つかりたくないだろ?」
「そりゃそうよ!」
「一回深呼吸な。ホラ、吸ってー吐いてー」
「うっ、うん」
すーはーすーはーと言われた通りに深呼吸を繰り返すと、少しだけ気持ちも心臓の音も落ち着いていく。
その様子を感じ取ってか、小声で「こんなことになっちまって悪いな」と呟く銀時に、私も当たり障りなく返事をする。
そうやってボソボソと話しているうち、冷静さを取り戻した私は段々と自分の置かれている状況を理解し始めた。
そして、今どのような状況でいるかを理解した私はまた顔が熱くなっていくのが分かった。
背が高い銀時は、膝を曲げないとこのスペースに隠れることは出来なかったのだろう。それは仕方の無いことだ。
私の背中は銀時の胸にピッタリくっついており、抱き枕にでも抱きつくように足で挟まれている。
口を塞いでいた手は今は頭を掴まれていて、ボールにでもなった気分だ。
「あ、あの、銀時?」
「あ?なんだよ」
小声での会話になるため、どうしても耳元で囁かれる銀時の低い声に、意識したくなくても心臓が早鐘を打つ。
「少しでいいから、離れられないよね…?」
「バカかおめー。無理言ってんじゃないよ」
「だよね…」
普段なんとも思っていなかったのに、吐息まで耳にかかる程の距離でずっと話しかけられて、私はおかしくなってしまったのだろうか。
今は頭を掴んでいた手は私の肩に置かれ、もう片方の手は腕枕のようにしているのか、ふわふわした髪が時々私の耳を掠めている。
「…何か、こうしてるとアレだな」
「えっ何?アレって?」
「いや、ぽん子、細いなぁと思って」
「…ヒッ?!」
そっと首に手をかけられて、ゾワゾワと背筋を何かが這うような感覚に思わず小さく悲鳴を上げたが、銀時はそのまま「ポキっと折れそうだな」なんて呑気に呟いている。
「ちょっと止めてよ!」
「んな怒ることねーだろ」
着物が乱れるのも構わず、お尻で銀時にぶつかれば、大事なところにぶつかったのか背後では唸り声が聞こえてくる。
「てめっ……銀さんの銀さんに何してくれる……」
「知らないわよ!」
あくまで小声で叫びながら振り返れば、思いのほか銀時はすぐ近くに居たようだ。
身を乗り出していた銀時と、振り返った私で、見事に正面衝突をした。
「…………………」
ふにっと柔らかい感触がして、ふわっと甘い香りが鼻をくすぐる。
薄暗い中で見えた赤い瞳が、妖しく揺らめいたように感じた。
彫刻のように固まることしか出来ずにいる私から、柔らかい唇がゆっくりと離れる。
「……ぽん子ちゃん、不可抗力って知ってる?」
「う、うん」
「お!それなら話は早いよな。俺はわざとじゃなかったし、お前もわざとじゃなかった。オーケー?」
「お、おお、おーけー」
「良し。じゃあこれは不可抗力。痛み分けってことで」
まだ唇と唇がくっつきそうな距離で、真顔でつらつらと話す銀時から私は目が離せない。
銀時にとっては「軽いハプニング」程度だったかも知れないが、私は今、雷でも落ちたかのような衝撃に見舞われている。
「で、で、でも」
「え、何?」
「でも、は、は、初めてで…」
かぁぁっと、顔が一気に熱くなっていく。
火でも着きました?という程に熱を持った私の頬を、銀時のぬるい手がべちっと触れた。
「まじか」
「まじだよぉ…」
あわあわと口を動かしながら、銀時の言葉をオウム返しにすれば、銀時はそのまま私の頬をぶにっと摘むと困ったように「すまん」と呟いた。
許せるか!と思った瞬間、先程の柔らかい感触が再びゆっくりと私の唇に触れる。
「?!」
数秒間ぴったりとくっついていた銀時の唇が離れ、私は思わず止めていた呼吸を再開して、足りない酸素を補うように大きく息を吸い込んだ。
「はぁっ……はっ、はっ……な、なんっ……?!」
鯉のようにパクパクと口を動かして、言葉という言葉を投げることが出来ない私に銀時はいつもの気だるげな声でしれっと言い放った。
「いや、責任取ろうと思って」
「せっ、責任?!」
「いや、ぽん子のファーストキス奪ったから」
「えっ?えっ?どういうこと?」
「いや、責任っていうか、前からお前のこと好きだしつい手が出たっていうか。あれ、俺何言ってんだろテヘ」
「はぁ?!好き?!はぁ?!」
狼狽える私をその字のごとく放って、銀時はぐるりと背中を向けると襖に手をかけると押し入れを開けた。
新鮮な空気と眩しい光が一気に入ってきて、私はあまりの刺激に瞼を閉じて手のひらで目を覆った。
銀時はさっさと出ていくと、よっこらせなんて言いながら押し入れの前にヤンキー座りでこちらに手を伸ばしている。
「ほら、出てこい」
「えっ…あ、ありがと…」
這うように出てきた私に目を合わせない銀時は、そっぽを向いているがその頬は少しだけ赤い。
色々聞きたいことはあるが、私もあまり直視することが出来ない。
おずおずと手を離して着物のヨレをササッと簡単に直す素振りで目を逸らすと、銀時がポツリと言った。
「帰ったら、ちゃんと告白するから」
その言葉に顔を上げた瞬間、玄関から晴太くんの明るい声が飛び込んできた。
「ごめーん!ぽん子姉ちゃん!銀さん!外に遊びに行って忘れてたー!!」
「コルァ!晴太テメー!」
「ギャァァ!銀さんごめんてー!」
バタバタと慌ただしく玄関に走り出す銀時を目で追って、私は胸の前でぎゅうっと両手を握りしめた。
さっきからずっと、心臓が痛いほど脈打っている。
「帰ったら、って……」
騒々しい二人の声を聞きながら、私はポツリと呟いた。
『(きっと)約束だよ』