反応を楽しむ10のセリフ
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人は極限まで追い込まれると、寝ることを忘れ、食うことも忘れる。
寝食を厳かにすれば、体調も崩すし心も荒んでくる。
初めは楽しさのあまり忘れていたことでも、あまり体にいいことでは無いだろう。
それが仕事で無理やりさせられていたとしたら、尚更のこと……。
「はい、時間ですよーぽん子ちゃーん」
「あっ、はい」
目の下にうっすら隈が出来てしまっているぽん子の肩に手を乗せてぐるりと椅子を回転させれば、ぼんやりとした表情で上擦った返事をよこされた。
いつもは追い込みと呼ばれるものとは無縁な仕事ぶりだが、今回は珍しく原稿に追われているらしい。
週末までには仕上げなければならないと暗い顔で嘆きながら、一日中パソコンを前に過ごしている。
一日目はそんなこともあるかと、万事屋へ帰って翌日に出直した。
二日目は早く終わるといいなと言いながら別れ、万事屋へと帰ったがどうにも様子が気になっていた。
三日目、顔色が悪くなっていたぽん子を無理やりベッドに押し込み、事情を聞き出して理解した。
「休憩時間ですよー」
通いすぎだろうというツッコミはさておき、それから俺は暇さえあればぽん子の傍でタイムスケジュールを管理している状態だ。
管理と言っても、シャワーだけは毎日やるのに食わず眠らずパソコンを前にするコイツを、時間になったら飲ませる食わせる仮眠をさせる程度で大したことはしていないのだが。
「ね、眠い……眠いです、銀さん」
「おー、ちと寝るか?でもその前に……」
目を擦りながら欠伸をするぽん子に苦笑しながら、冷蔵庫から飲むゼリーを取り出してカチッと蓋を外す。
目の前に出してやるも、相変わらず虚ろな目でこちらを見るぽん子に声をかけてやった。
「はい、あーんして」
「んぐっ」
片手でぽん子の頬をむんずと掴み、飲み口を無理やり開かせた口に突っ込み中身を押し出してやれば、ぽん子の喉が動いた。
突然の冷たさに驚いたのか、ぽん子は見開いた目をぱちぱちさせながら「少しだけ頭が冴えてきました」と言って、またカチャカチャとキーボードを鳴らして物語を書き進めていく。
「今度はどんな話だったっけ?」
「えぇと、遠くで見つめるだけだった男性が、思いを寄せる女性と出会ってっていう……」
「へー、順調?」
「はい!おかげさまで、あと数時間もあれば終わりそう…かな。
銀さんには助けられてばかりですね」
ふにゃっと俺を見上げるぽん子の頭をぐりぐりと撫でてやれば、何かを思いついたように急いで画面に向き直り、慌ただしくキーボードを叩き始めた。
眠気を何処かへすっ飛ばしたのか、すっかり仕事モードに切り替わったぽん子の小さな背中にほほ笑みかける。
「こんな世話がやける彼女、俺しか相手出来ねぇだろ」
小さな声でぽつりと呟いて、ベッドに腰掛けた。
ぽん子の今やってる仕事が終わったら、約束していた海やプールにでも誘ってみようか。まぁ俺泳げないんだけどね。
窓の外で鳴り響く蝉の声を聞きながら、まだまだ終わりそうにないぽん子に心の中でエールを贈るのであった。
寝食を厳かにすれば、体調も崩すし心も荒んでくる。
初めは楽しさのあまり忘れていたことでも、あまり体にいいことでは無いだろう。
それが仕事で無理やりさせられていたとしたら、尚更のこと……。
「はい、時間ですよーぽん子ちゃーん」
「あっ、はい」
目の下にうっすら隈が出来てしまっているぽん子の肩に手を乗せてぐるりと椅子を回転させれば、ぼんやりとした表情で上擦った返事をよこされた。
いつもは追い込みと呼ばれるものとは無縁な仕事ぶりだが、今回は珍しく原稿に追われているらしい。
週末までには仕上げなければならないと暗い顔で嘆きながら、一日中パソコンを前に過ごしている。
一日目はそんなこともあるかと、万事屋へ帰って翌日に出直した。
二日目は早く終わるといいなと言いながら別れ、万事屋へと帰ったがどうにも様子が気になっていた。
三日目、顔色が悪くなっていたぽん子を無理やりベッドに押し込み、事情を聞き出して理解した。
「休憩時間ですよー」
通いすぎだろうというツッコミはさておき、それから俺は暇さえあればぽん子の傍でタイムスケジュールを管理している状態だ。
管理と言っても、シャワーだけは毎日やるのに食わず眠らずパソコンを前にするコイツを、時間になったら飲ませる食わせる仮眠をさせる程度で大したことはしていないのだが。
「ね、眠い……眠いです、銀さん」
「おー、ちと寝るか?でもその前に……」
目を擦りながら欠伸をするぽん子に苦笑しながら、冷蔵庫から飲むゼリーを取り出してカチッと蓋を外す。
目の前に出してやるも、相変わらず虚ろな目でこちらを見るぽん子に声をかけてやった。
「はい、あーんして」
「んぐっ」
片手でぽん子の頬をむんずと掴み、飲み口を無理やり開かせた口に突っ込み中身を押し出してやれば、ぽん子の喉が動いた。
突然の冷たさに驚いたのか、ぽん子は見開いた目をぱちぱちさせながら「少しだけ頭が冴えてきました」と言って、またカチャカチャとキーボードを鳴らして物語を書き進めていく。
「今度はどんな話だったっけ?」
「えぇと、遠くで見つめるだけだった男性が、思いを寄せる女性と出会ってっていう……」
「へー、順調?」
「はい!おかげさまで、あと数時間もあれば終わりそう…かな。
銀さんには助けられてばかりですね」
ふにゃっと俺を見上げるぽん子の頭をぐりぐりと撫でてやれば、何かを思いついたように急いで画面に向き直り、慌ただしくキーボードを叩き始めた。
眠気を何処かへすっ飛ばしたのか、すっかり仕事モードに切り替わったぽん子の小さな背中にほほ笑みかける。
「こんな世話がやける彼女、俺しか相手出来ねぇだろ」
小さな声でぽつりと呟いて、ベッドに腰掛けた。
ぽん子の今やってる仕事が終わったら、約束していた海やプールにでも誘ってみようか。まぁ俺泳げないんだけどね。
窓の外で鳴り響く蝉の声を聞きながら、まだまだ終わりそうにないぽん子に心の中でエールを贈るのであった。