お題
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すっかり涼しくなった風を浴びながら、草花が生えた小道をのんびりと歩く。
日陰に入れば少し肌寒く感じるが、日向に出れば心地よい日差しで体が温まる感じがした。
単に日光が当たらないから寒いのか、自身の筋力が不足しているからか…は不明だが、どちらにせよつい最近まで暑かった記憶が急に秋めいた様に感じる。
そんな事を考えながらもふらふらと人の流れに合わせて歩いていると、前方から軽やかな声が聞こえてきた。
すれ違う人の中に子供らが混じっていて、その子らの首からは虫かごがぶら下がっている。
「虫取りかぁ。子供の頃にやってた………かなぁ……」
たしか鈴虫の音色は好きだった記憶があるが、捕まえたことはあっただろうかと歩きながら思い返してみた。
だが、どう考えても虫を触るどころか集めていた記憶すら思い浮かばず、今もどちらかといえば苦手ということは……と、ぐるぐると悩む。
「よっ!珍しく出歩いてんなぁ」
「うわぁ!…あ、銀さん。こんにちは」
突然背中を叩かれて、私は体を跳ねさせて振り向く。
そこにはいたずらっ子のように笑う銀さんがいた。
安心して私も笑えば、銀さんは隣りに並んで歩幅を合わせて歩き始めた。
先程目の前で騒いでいた子供たちは、もうすっかり遠くの方に離れてしまっていた。
「まーたネタ探しか何かしてんの?」
「そんなところですね。銀さんは何を?」
「俺?俺は別に…さ、散歩?」
「ええっ…何で私に聞くんですか」
何でだろうなー。と誤魔化す銀さんからは、ふわりと甘い匂いがする。
また神楽ちゃんと新八くんに黙って、こっそり甘味でも食べたのだろうか。
もしそうなら、それが発覚したときの神楽ちゃんの怒りようが目に浮かぶようだと思いながら、ちらりと銀さんを見た。
そんな彼の隣りを歩きながら、時折ぶつかりそうになる手を繋いでみようか、どうしようかと考えながら、あと少しで触れてしまいそうな所で怖気づいて慌てて手を引っ込めた。
「あっ」
「えっ?」
ふいに銀さんが私の前に出た。
驚いた私が一歩隣へ足を運べば、前から歩いてきていた男の子の顔と銀さんのお腹がぶつかり、男の子はアッと声を上げて見上げた。
どうやら前を向かずに歩いていたらしいその子は、困った顔をしてこちらを見上げたまま固まっている。
そんな彼の小さな頭をグリグリ撫でながら、「前向いて歩こうな」と笑った銀さんに頭を下げた男の子は、小走りで去っていった。
「ありがとうございます。私もぶつからないように気をつけなくちゃ」
「おぅ。ぽん子は細っこいから、ガキ相手にでもぶっ倒れそうだもんなぁ」
「そっ…そんなには弱くないです……たぶん…」
「多分かよ」
ぷっと吹き出して笑う銀さんに少しだけ唇を尖らせるが、きっとなんの威圧感も与えられていないだろう。
余計に表情を崩した銀さんは、楽しそうに悪い悪い、と笑いながら私のぶらぶらと下げられていた手を取った。
私よりも大きくて厚いその手から、じわりと温かさが広がっていく。
「あー…、ぽん子ちゃん危なっかしいから」
「…………」
「なんつって」
見上げた銀さんは照れ隠しなのか、困ったような顔をして頬をかいている。
そんな彼の手を私もぎゅっと握り返し、にこりと笑っていった。
「銀さんも、いつもどこかフラフラしてるそうなので…捕まえておかなきゃですね」
ふふふっと笑えば、予想外の言葉だったのか、銀さんはまさに鳩が豆鉄砲をくったような顔だ。
突然足を止めた私達を、数名の人が通り過ぎながらちらりと見てすれ違う。
固まっていた銀さんは数回瞬きをして、ハッとすると珍しく頬を少しだけ染めて笑った。
「もう捕まってるようなもんだけどな」
ぐいっと強く引き寄せられて、一際寄せられた銀さんに私もちょっとだけ頬を染めながら、二人でクスクスと笑い合う。
そしてまた歩き出すと、どこに行こうかなんてことを、今更ながら話し始めた。
「そういやどこか行くつもりだったりした?」
「いえ、お腹も空いたので帰ろうかと」
「それなら外で済ましちまえば?」
「そうですねぇ…たまにはそうしようかなぁ」
「そうと決まれば」
「あっ!帰り道ですし、お登勢さんの所に行きましょう!」
「…………」
日陰に入れば少し肌寒く感じるが、日向に出れば心地よい日差しで体が温まる感じがした。
単に日光が当たらないから寒いのか、自身の筋力が不足しているからか…は不明だが、どちらにせよつい最近まで暑かった記憶が急に秋めいた様に感じる。
そんな事を考えながらもふらふらと人の流れに合わせて歩いていると、前方から軽やかな声が聞こえてきた。
すれ違う人の中に子供らが混じっていて、その子らの首からは虫かごがぶら下がっている。
「虫取りかぁ。子供の頃にやってた………かなぁ……」
たしか鈴虫の音色は好きだった記憶があるが、捕まえたことはあっただろうかと歩きながら思い返してみた。
だが、どう考えても虫を触るどころか集めていた記憶すら思い浮かばず、今もどちらかといえば苦手ということは……と、ぐるぐると悩む。
「よっ!珍しく出歩いてんなぁ」
「うわぁ!…あ、銀さん。こんにちは」
突然背中を叩かれて、私は体を跳ねさせて振り向く。
そこにはいたずらっ子のように笑う銀さんがいた。
安心して私も笑えば、銀さんは隣りに並んで歩幅を合わせて歩き始めた。
先程目の前で騒いでいた子供たちは、もうすっかり遠くの方に離れてしまっていた。
「まーたネタ探しか何かしてんの?」
「そんなところですね。銀さんは何を?」
「俺?俺は別に…さ、散歩?」
「ええっ…何で私に聞くんですか」
何でだろうなー。と誤魔化す銀さんからは、ふわりと甘い匂いがする。
また神楽ちゃんと新八くんに黙って、こっそり甘味でも食べたのだろうか。
もしそうなら、それが発覚したときの神楽ちゃんの怒りようが目に浮かぶようだと思いながら、ちらりと銀さんを見た。
そんな彼の隣りを歩きながら、時折ぶつかりそうになる手を繋いでみようか、どうしようかと考えながら、あと少しで触れてしまいそうな所で怖気づいて慌てて手を引っ込めた。
「あっ」
「えっ?」
ふいに銀さんが私の前に出た。
驚いた私が一歩隣へ足を運べば、前から歩いてきていた男の子の顔と銀さんのお腹がぶつかり、男の子はアッと声を上げて見上げた。
どうやら前を向かずに歩いていたらしいその子は、困った顔をしてこちらを見上げたまま固まっている。
そんな彼の小さな頭をグリグリ撫でながら、「前向いて歩こうな」と笑った銀さんに頭を下げた男の子は、小走りで去っていった。
「ありがとうございます。私もぶつからないように気をつけなくちゃ」
「おぅ。ぽん子は細っこいから、ガキ相手にでもぶっ倒れそうだもんなぁ」
「そっ…そんなには弱くないです……たぶん…」
「多分かよ」
ぷっと吹き出して笑う銀さんに少しだけ唇を尖らせるが、きっとなんの威圧感も与えられていないだろう。
余計に表情を崩した銀さんは、楽しそうに悪い悪い、と笑いながら私のぶらぶらと下げられていた手を取った。
私よりも大きくて厚いその手から、じわりと温かさが広がっていく。
「あー…、ぽん子ちゃん危なっかしいから」
「…………」
「なんつって」
見上げた銀さんは照れ隠しなのか、困ったような顔をして頬をかいている。
そんな彼の手を私もぎゅっと握り返し、にこりと笑っていった。
「銀さんも、いつもどこかフラフラしてるそうなので…捕まえておかなきゃですね」
ふふふっと笑えば、予想外の言葉だったのか、銀さんはまさに鳩が豆鉄砲をくったような顔だ。
突然足を止めた私達を、数名の人が通り過ぎながらちらりと見てすれ違う。
固まっていた銀さんは数回瞬きをして、ハッとすると珍しく頬を少しだけ染めて笑った。
「もう捕まってるようなもんだけどな」
ぐいっと強く引き寄せられて、一際寄せられた銀さんに私もちょっとだけ頬を染めながら、二人でクスクスと笑い合う。
そしてまた歩き出すと、どこに行こうかなんてことを、今更ながら話し始めた。
「そういやどこか行くつもりだったりした?」
「いえ、お腹も空いたので帰ろうかと」
「それなら外で済ましちまえば?」
「そうですねぇ…たまにはそうしようかなぁ」
「そうと決まれば」
「あっ!帰り道ですし、お登勢さんの所に行きましょう!」
「…………」