お付き合い編
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「海……はクラゲとかこえーから、プール行くか」
そう銀さんが言ったのは、梅雨が明けてすぐのことだった。
照りつけるような暑さ…というにはまだ早いかもしれないが、世間はもう盛夏のようだ。
エアコンを切ってしまえば、窓を開け放しても汗が滲むような暑さに、テレビでは連日プールや海の映像が流れている。
そんな体も思考も溶けてしまいそうなほどの暑さが続き、私達は涼を求めていた。
「プール……行きたいです!」
「おー、じゃ次会うときに行くとしますか」
「あっ、水着を買わないといけません。もう何年も着ていませんし、さすがに昔のは残っていませんから…」
「まじか。まぁ行く暇も余裕も…相手もいなかったろうしなぁ」
一言余計なことを言って笑う銀さんに口先だけで怒りながら、私はカラクリで水着を検索していく。
もし店頭で探すにしても、店先で選ぶだけで疲れてしまいそうな私は、こうして先に事前調査をするのだ。
だが、隣りで一緒に画面を覗き込む銀さんが段々と不機嫌になっていく。
「あっ、これ可愛い」
「そぉか?なーんかすぐ脱げちまいそうじゃね?」
「えーと……あっ、コレなんか」
「んぁー?ぽん子にはちょっと派手すぎねェ?」
「…………これ」
「いやいや、露出が過ぎるだろ」
あれは、これは、とクリックして拡大するも、銀さんはなかなか頷くことはない。
しびれを切らした私は銀さんに振り向くと、さすがに眉を寄せて反論することにした。
「どれもダメだなんて、私は水着なしでプールに行けって言うんですか?」
「そんなつもりはねぇケド…」
「じゃあ何だって言うんですか!」
椅子をくるりと回転させ、腕組みをして銀さんを見上げると、彼は困ったように頬をぽりぽりと掻く。
銀さんのその視線は参ったな、と言いたげにしばらく泳ぎ、ピタリと私の目を見て止まると、渋々といったように口を開いた。
「ぽん子はさぁ、ほら…」
「何ですか?」
「いや、なんつーか」
「何ですか!太ってきたって言いたいんですか?」
「いやいや、あー…ほら、デカイじゃんか」
胸が。
そう言って、困ったように口をふにゃりと開いた銀さんが私の胸を指差した。
その瞬間、何とも言えない空気に包まれた私達は、互いの視線を逸らすことができずしばらく見つめ合う。
そして、先に口を開いたのは私だった。
「そ、そ、そうは言ってもですね…」
恥ずかしくて再び椅子を回転させた私は、銀さんに背中を向けながらカラクリを適当に操作する。
カチカチとマウスを鳴らしながら、画面を見ていると、背後からぬうっと伸びてきた手が私の手に重なり、驚く間もなくカチッと一度クリックされた。
「これ、いいんじゃない」
「えっ?」
画面に映されたのは、胸元がすっきりとした黒色の水着。
胸が大きな人でもキレイに見せます、と銘打ったデザインで、覗き込むように見ている銀さんに視線を寄越せば、きゅっと口元が結ばれている。
「これに上からなんか…Tシャツとか着てくれたら、銀さんは安心なんですけど」
そう言いながら、ふいっと顔を背ける銀さん。
その頬はほんのり赤くて、妥協したのか照れているのかは分からないが、彼がとてもかわいく思えた。
「じゃあ、これにします」
「…………おぅ」
「ちょっと大きめのシャツも買っちゃおうかなぁ」
「ケツまで隠れるやつな」
「ふふっ」
背後のベッドに腰掛けた銀さんに笑いながら、サイズを確認してカゴの中へと入れていく。水着とセットで注文したシャツが届くのは翌々日あたりになるらしい。
「届いたら着てみないとですね」
「そん時はもちろん銀さんもチェックしに来るんでよろしくゥ」
「えー!お楽しみにはしないんですね」
ごろんと転がった銀さんに振り返って唇を尖らせると、銀さんはにやりと口角を上げて目を細めた。
う、となりながら振り向いたことを後悔するが、もう遅い。
「届いたやつ着たぽん子が、すんげーエロかったらプールで困んだろ?物陰に隠れて襲っちまうかも」
「ぎっ銀さん!何てこと言うんですか!」
ベッドに置いていたクッションで銀さんを軽く叩くと、ケラケラと笑った銀さんに腕を引っ張られてベッドに転がり込む。
私よりも少しだけ体温の高い銀さんの腕に抱かれて、胸の音を聞きながらそっと目を閉じる。
ちりんと鳴る風鈴に、夏の始まりを感じた気がした。
「でも俺泳げないんだよな」
「ええ!銀さんにも苦手なことが…」
「そー、だから泳ぎながら変なとこ触ったらゴメンな」
「えっ……あ、はい……」
「(最近のぽん子、カンが良くなってきたな…)」
そう銀さんが言ったのは、梅雨が明けてすぐのことだった。
照りつけるような暑さ…というにはまだ早いかもしれないが、世間はもう盛夏のようだ。
エアコンを切ってしまえば、窓を開け放しても汗が滲むような暑さに、テレビでは連日プールや海の映像が流れている。
そんな体も思考も溶けてしまいそうなほどの暑さが続き、私達は涼を求めていた。
「プール……行きたいです!」
「おー、じゃ次会うときに行くとしますか」
「あっ、水着を買わないといけません。もう何年も着ていませんし、さすがに昔のは残っていませんから…」
「まじか。まぁ行く暇も余裕も…相手もいなかったろうしなぁ」
一言余計なことを言って笑う銀さんに口先だけで怒りながら、私はカラクリで水着を検索していく。
もし店頭で探すにしても、店先で選ぶだけで疲れてしまいそうな私は、こうして先に事前調査をするのだ。
だが、隣りで一緒に画面を覗き込む銀さんが段々と不機嫌になっていく。
「あっ、これ可愛い」
「そぉか?なーんかすぐ脱げちまいそうじゃね?」
「えーと……あっ、コレなんか」
「んぁー?ぽん子にはちょっと派手すぎねェ?」
「…………これ」
「いやいや、露出が過ぎるだろ」
あれは、これは、とクリックして拡大するも、銀さんはなかなか頷くことはない。
しびれを切らした私は銀さんに振り向くと、さすがに眉を寄せて反論することにした。
「どれもダメだなんて、私は水着なしでプールに行けって言うんですか?」
「そんなつもりはねぇケド…」
「じゃあ何だって言うんですか!」
椅子をくるりと回転させ、腕組みをして銀さんを見上げると、彼は困ったように頬をぽりぽりと掻く。
銀さんのその視線は参ったな、と言いたげにしばらく泳ぎ、ピタリと私の目を見て止まると、渋々といったように口を開いた。
「ぽん子はさぁ、ほら…」
「何ですか?」
「いや、なんつーか」
「何ですか!太ってきたって言いたいんですか?」
「いやいや、あー…ほら、デカイじゃんか」
胸が。
そう言って、困ったように口をふにゃりと開いた銀さんが私の胸を指差した。
その瞬間、何とも言えない空気に包まれた私達は、互いの視線を逸らすことができずしばらく見つめ合う。
そして、先に口を開いたのは私だった。
「そ、そ、そうは言ってもですね…」
恥ずかしくて再び椅子を回転させた私は、銀さんに背中を向けながらカラクリを適当に操作する。
カチカチとマウスを鳴らしながら、画面を見ていると、背後からぬうっと伸びてきた手が私の手に重なり、驚く間もなくカチッと一度クリックされた。
「これ、いいんじゃない」
「えっ?」
画面に映されたのは、胸元がすっきりとした黒色の水着。
胸が大きな人でもキレイに見せます、と銘打ったデザインで、覗き込むように見ている銀さんに視線を寄越せば、きゅっと口元が結ばれている。
「これに上からなんか…Tシャツとか着てくれたら、銀さんは安心なんですけど」
そう言いながら、ふいっと顔を背ける銀さん。
その頬はほんのり赤くて、妥協したのか照れているのかは分からないが、彼がとてもかわいく思えた。
「じゃあ、これにします」
「…………おぅ」
「ちょっと大きめのシャツも買っちゃおうかなぁ」
「ケツまで隠れるやつな」
「ふふっ」
背後のベッドに腰掛けた銀さんに笑いながら、サイズを確認してカゴの中へと入れていく。水着とセットで注文したシャツが届くのは翌々日あたりになるらしい。
「届いたら着てみないとですね」
「そん時はもちろん銀さんもチェックしに来るんでよろしくゥ」
「えー!お楽しみにはしないんですね」
ごろんと転がった銀さんに振り返って唇を尖らせると、銀さんはにやりと口角を上げて目を細めた。
う、となりながら振り向いたことを後悔するが、もう遅い。
「届いたやつ着たぽん子が、すんげーエロかったらプールで困んだろ?物陰に隠れて襲っちまうかも」
「ぎっ銀さん!何てこと言うんですか!」
ベッドに置いていたクッションで銀さんを軽く叩くと、ケラケラと笑った銀さんに腕を引っ張られてベッドに転がり込む。
私よりも少しだけ体温の高い銀さんの腕に抱かれて、胸の音を聞きながらそっと目を閉じる。
ちりんと鳴る風鈴に、夏の始まりを感じた気がした。
「でも俺泳げないんだよな」
「ええ!銀さんにも苦手なことが…」
「そー、だから泳ぎながら変なとこ触ったらゴメンな」
「えっ……あ、はい……」
「(最近のぽん子、カンが良くなってきたな…)」