出会い編
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名刺の住所を頼りにたどり着いた「万事屋銀ちゃん」の前で、私はどのタイミングで声をかけようかと悩んでいた。
中から騒々しい声が漏れており、ただでさえ訪問が苦手な私はすっかり立ち往生してしまっていた。
「寒いし、どうしよう。ノックとかして聞こえるのかな…勝手に開けちゃ失礼だし…電話してから来なきゃだったかな……」
ちょっとだけ玄関から下がってウロウロしていると、急にドタバタ騒がしくなりガラガラガラ!!と大きな音を立てて引き戸が開いた。
「もう銀さんなんか腐っても知りませんから!」
「新八ィ、さっさと行くアル!あんな昼寝魔人と関わったら、私たちまでダメ人間になってしまうネ」
あまりの突然の出来事に固まっていると、男の子と女の子が威勢のいい声で何やら怒りながら出てきた。
そしてこちらをパッと振り向くと、当たり前だが驚いた顔で固まっている。
「あっ、あの…驚かしてすみません。坂田銀時さん居ますか?」
2人はそれぞれに私の顔を見つめ、今度はお互いに向き合って固まると「お客さん来たァァァ」とまた部屋の中へと戻ってしまった。
眼鏡の男の子は、すみませんと直ぐに戻ってきてくれて簡単に先程の女の子と男の子自身の名前を教えてくれた。
そのまま中へと案内してくれたが、来客ひとつでそんなに大騒ぎするということはあまり依頼はないのだろうか…などと不躾なことを想像してしまった。
中へ通されると、坂田銀時さんはソファへどっかりと座って誰?という顔をしたが、すぐにいつものやる気のなさそうな表情へと戻った。
「依頼ではなくすみません。私はぽん田ぽん子と申します。坂田銀時さんへお礼も兼ねてストールを届けに参りました」
促されるまま私も反対側に腰掛け、近くで見る銀色の彼に鼓動が早くなるのを感じながらも、なんとか用件を伝えることが出来たが坂田銀時さんはキョトンとした顔をしている。
「ストール?」
3人揃ってこちらを見られると 、何やら物凄く気恥しい気持ちになってしまうが、紙袋の中からストールといくらか多めに包んでもらったお団子を机の上に差し出した。
「わぁぁ!こんなに沢山のお団子!ありがとうネ!」
「待て神楽!1人で食おうとしてんじゃねぇ!てか俺宛のもんだろーが!」
「ちょっと2人とも落ち着いてくださいよ!
すみません騒がしくて…銀さんにお礼なんて、何があったか聞いてもいいですか?」
わあわあと大騒ぎしながらお団子を奪い合う2人をよそに、私は新八くんに事のあらましを伝えると、なるほどそれで、と納得してくれたようだ。
「銀さん、人助けなんてやるじゃないですか!身投げは勘違いだそうですよ!」
「人助け?身投げ?」
もぐもぐと口を動かしながら坂田銀時さんは新八くんの言葉を繰り返した。
そして急にこちらを注視すると、小さな声で「えっ…嘘だろ…別人じゃねぇか。化けるもんだな」と言ったのが聞こえた。
お邪魔した時に気づいて貰えなかったことに納得し、いかに己が普段は身だしなみに気を遣わずにいるか少しだけ反省した。
その分与える印象は大きかったようで、それだけでも良しとするが。
「危ないところをありがとうございました。お陰様で悩みの種も解決致しました」
頭を下げると、いいっていいって!と言われ、姿勢を正せばじぃっと坂田銀時さんは私の方を見てきてしっかりと目線が合ってしまった。
見つめられてドキドキするも、久しぶりに化粧をして前髪も何とか整えて来たけれど、どこかおかしい所があったのだろうかという別のドキドキへと変わり始めた頃、耐えきれずにそっと視線を外して指先を擦り合わせる。
「めっちゃ可愛い子ネ!銀ちゃんも隅に置けないアルな!」
「何言ってんだマセガキ!」
「えっ銀さん照れてるんですか?」
「何言ってんだクソガキ!」
「ツッコミにキレがないヨ銀ちゃん…可愛い子を目の前にしていい歳して胸きゅんアルか?キモイアル」
「だーー!っもううるせえな!」
顔を上げてやり取りを眺めていれば、坂田銀時さんは右に左にと慌ただしく反応をしていて、それが何だか面白くってクスクスと笑ってしまった。
それに気付いた新八くんがにっこりと笑って「銀さん良かったですね」と言ったところで坂田銀時さんは怒り出して2人を玄関へと追いやってしまった。
外で騒いでいた声が静まると、やれやれと言いながら彼は戻ってきてどかっとソファに座り込んだ。
「あー、何だ…騒がしくて悪かったな」
「いえいえ、楽しかったですよ」
ふふっと笑いながら言うと、彼は私とは反対に「うるせーだけだろ」と苦笑したが、そんな表情にもまたドキッと胸が早まった。
やはり、私はこの人の事が…。
「あのよ、この間は怒鳴りつけて悪かったな。身投げだと思って焦っちまったんだわ」
目の前の彼は、バツが悪そうにぽりぽりと頬を掻きながら謝ってきた。
まさかそんな事を言われるとは思っておらず驚いて、慌てて両手をパタパタと振る。
「坂田さんは悪くありませんよ!私の方が紛らわしい真似をしてすみませんでした!気にしていませんから大丈夫ですよ」
「…そうか」
彼はほっとした様な顔で一言返事をした。
「それにしたって、あの時のもっさり女子がこうもなるもんかねぇ」
「もっさりとは失礼ですね。あの時は…そうですね、少し立て込んでおりましたから」
「へぇ、もう解決したのかよ?」
「はい、坂田さんのお陰です。あの後すぐに解決しました」
もうそろそろ帰りますと伝えると、彼は玄関まで見送るわとわざわざ出てきてくれた。
外にはいつの間にかチラホラと雪が降っていて、ふわりと私の方にも飛んできた。
「あの…」
寒そうに震える彼に向き直り、正面から真っ直ぐに視線を合わせると、彼の真っ赤な瞳は私の方をしっかりと捉えている。
「あの…また来てもいい、ですか…?」
緊張してたどたどしくなってしまったが、今日言いたかったことをやっと伝えることが出来た。
彼はにやり、と意地悪そうに笑うと徐に私の頭に手を置いて、わしゃわしゃと乱暴にかき混ぜた。
「わっわっ、さかたさ…」
「名前、名刺に書いてんだから知ってんだろ?銀さんでいいぜ」
「えっ、あっ…銀、さん…」
中々の力に体がふらつきそうになるのを耐えて、たどたどしく名前を呼べば彼は満足そうに頭から手を離してくれた。
そして今度は、とても優しい目をしてこう言ってくれた。
「遠慮なくまたいつでも来いよ、ぽん子ちゃん」
これが、これが、恋心というものか。
そうハッキリと自覚しながら、私は真っ赤な顔を隠すべく「また来ます!」と背中を向けて階段を駆け下りる。
頬の熱は私の気持ちを嫌な程に主張し、触れた指先の冷たさを飲み込むほどであった。
中から騒々しい声が漏れており、ただでさえ訪問が苦手な私はすっかり立ち往生してしまっていた。
「寒いし、どうしよう。ノックとかして聞こえるのかな…勝手に開けちゃ失礼だし…電話してから来なきゃだったかな……」
ちょっとだけ玄関から下がってウロウロしていると、急にドタバタ騒がしくなりガラガラガラ!!と大きな音を立てて引き戸が開いた。
「もう銀さんなんか腐っても知りませんから!」
「新八ィ、さっさと行くアル!あんな昼寝魔人と関わったら、私たちまでダメ人間になってしまうネ」
あまりの突然の出来事に固まっていると、男の子と女の子が威勢のいい声で何やら怒りながら出てきた。
そしてこちらをパッと振り向くと、当たり前だが驚いた顔で固まっている。
「あっ、あの…驚かしてすみません。坂田銀時さん居ますか?」
2人はそれぞれに私の顔を見つめ、今度はお互いに向き合って固まると「お客さん来たァァァ」とまた部屋の中へと戻ってしまった。
眼鏡の男の子は、すみませんと直ぐに戻ってきてくれて簡単に先程の女の子と男の子自身の名前を教えてくれた。
そのまま中へと案内してくれたが、来客ひとつでそんなに大騒ぎするということはあまり依頼はないのだろうか…などと不躾なことを想像してしまった。
中へ通されると、坂田銀時さんはソファへどっかりと座って誰?という顔をしたが、すぐにいつものやる気のなさそうな表情へと戻った。
「依頼ではなくすみません。私はぽん田ぽん子と申します。坂田銀時さんへお礼も兼ねてストールを届けに参りました」
促されるまま私も反対側に腰掛け、近くで見る銀色の彼に鼓動が早くなるのを感じながらも、なんとか用件を伝えることが出来たが坂田銀時さんはキョトンとした顔をしている。
「ストール?」
3人揃ってこちらを見られると 、何やら物凄く気恥しい気持ちになってしまうが、紙袋の中からストールといくらか多めに包んでもらったお団子を机の上に差し出した。
「わぁぁ!こんなに沢山のお団子!ありがとうネ!」
「待て神楽!1人で食おうとしてんじゃねぇ!てか俺宛のもんだろーが!」
「ちょっと2人とも落ち着いてくださいよ!
すみません騒がしくて…銀さんにお礼なんて、何があったか聞いてもいいですか?」
わあわあと大騒ぎしながらお団子を奪い合う2人をよそに、私は新八くんに事のあらましを伝えると、なるほどそれで、と納得してくれたようだ。
「銀さん、人助けなんてやるじゃないですか!身投げは勘違いだそうですよ!」
「人助け?身投げ?」
もぐもぐと口を動かしながら坂田銀時さんは新八くんの言葉を繰り返した。
そして急にこちらを注視すると、小さな声で「えっ…嘘だろ…別人じゃねぇか。化けるもんだな」と言ったのが聞こえた。
お邪魔した時に気づいて貰えなかったことに納得し、いかに己が普段は身だしなみに気を遣わずにいるか少しだけ反省した。
その分与える印象は大きかったようで、それだけでも良しとするが。
「危ないところをありがとうございました。お陰様で悩みの種も解決致しました」
頭を下げると、いいっていいって!と言われ、姿勢を正せばじぃっと坂田銀時さんは私の方を見てきてしっかりと目線が合ってしまった。
見つめられてドキドキするも、久しぶりに化粧をして前髪も何とか整えて来たけれど、どこかおかしい所があったのだろうかという別のドキドキへと変わり始めた頃、耐えきれずにそっと視線を外して指先を擦り合わせる。
「めっちゃ可愛い子ネ!銀ちゃんも隅に置けないアルな!」
「何言ってんだマセガキ!」
「えっ銀さん照れてるんですか?」
「何言ってんだクソガキ!」
「ツッコミにキレがないヨ銀ちゃん…可愛い子を目の前にしていい歳して胸きゅんアルか?キモイアル」
「だーー!っもううるせえな!」
顔を上げてやり取りを眺めていれば、坂田銀時さんは右に左にと慌ただしく反応をしていて、それが何だか面白くってクスクスと笑ってしまった。
それに気付いた新八くんがにっこりと笑って「銀さん良かったですね」と言ったところで坂田銀時さんは怒り出して2人を玄関へと追いやってしまった。
外で騒いでいた声が静まると、やれやれと言いながら彼は戻ってきてどかっとソファに座り込んだ。
「あー、何だ…騒がしくて悪かったな」
「いえいえ、楽しかったですよ」
ふふっと笑いながら言うと、彼は私とは反対に「うるせーだけだろ」と苦笑したが、そんな表情にもまたドキッと胸が早まった。
やはり、私はこの人の事が…。
「あのよ、この間は怒鳴りつけて悪かったな。身投げだと思って焦っちまったんだわ」
目の前の彼は、バツが悪そうにぽりぽりと頬を掻きながら謝ってきた。
まさかそんな事を言われるとは思っておらず驚いて、慌てて両手をパタパタと振る。
「坂田さんは悪くありませんよ!私の方が紛らわしい真似をしてすみませんでした!気にしていませんから大丈夫ですよ」
「…そうか」
彼はほっとした様な顔で一言返事をした。
「それにしたって、あの時のもっさり女子がこうもなるもんかねぇ」
「もっさりとは失礼ですね。あの時は…そうですね、少し立て込んでおりましたから」
「へぇ、もう解決したのかよ?」
「はい、坂田さんのお陰です。あの後すぐに解決しました」
もうそろそろ帰りますと伝えると、彼は玄関まで見送るわとわざわざ出てきてくれた。
外にはいつの間にかチラホラと雪が降っていて、ふわりと私の方にも飛んできた。
「あの…」
寒そうに震える彼に向き直り、正面から真っ直ぐに視線を合わせると、彼の真っ赤な瞳は私の方をしっかりと捉えている。
「あの…また来てもいい、ですか…?」
緊張してたどたどしくなってしまったが、今日言いたかったことをやっと伝えることが出来た。
彼はにやり、と意地悪そうに笑うと徐に私の頭に手を置いて、わしゃわしゃと乱暴にかき混ぜた。
「わっわっ、さかたさ…」
「名前、名刺に書いてんだから知ってんだろ?銀さんでいいぜ」
「えっ、あっ…銀、さん…」
中々の力に体がふらつきそうになるのを耐えて、たどたどしく名前を呼べば彼は満足そうに頭から手を離してくれた。
そして今度は、とても優しい目をしてこう言ってくれた。
「遠慮なくまたいつでも来いよ、ぽん子ちゃん」
これが、これが、恋心というものか。
そうハッキリと自覚しながら、私は真っ赤な顔を隠すべく「また来ます!」と背中を向けて階段を駆け下りる。
頬の熱は私の気持ちを嫌な程に主張し、触れた指先の冷たさを飲み込むほどであった。