お付き合い編
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先程から、俺はぽん子の隣りでぽん子と同じように川の流れをぼんやりと眺めている。
たまたま外を歩いていたぽん子に声をかけたところ、「少し行き詰まったので川を見に行こうかと」と言われたのがきっかけだが、普段の俺なら付き添うことはしないだろう。
それをなぜ着いてきたかと言うと、冬の一件を思い出して不安になったからというのはぽん子には内緒だ。
かれこれ一時間はこうしている気がするが、時々話しかけても上の空で返事はするわ、前髪からチラチラと覗く瞳の色もいつもと違ってどんより暗く曇っているように見える。
「ぽん子ちゃーん、そろそろ戻んない?」
ぼんやりとした表情で、ただ流れを見つめるぽん子に小さく訪ねてみたが、声が小さすぎたのか無視されてしまった。
急ぎの用もない俺はこのままボンヤリしていても構わないが、あまりに長時間を外で過ごすのは、ほとんど引きこもりのこいつには毒だろう。
そう思い、改めてぽん子に顔を向けた俺は固まってしまった。
「ちょ、ぽん子?」
ぽん子は静かに涙をツゥっと流していた。
慌てて肩を掴んで揺すれば、ハッとした顔で俺を見たが、瞬間、その目からはポロポロと涙が溢れた。
「あ、銀さん…」
「急に泣くなんてどうしたよ」
「すみません、あっ、ちょっとごめんなさい」
数回目をぱちぱちさせたぽん子は、持っていた手帳にスラスラと何事かを書き込んでいく。
その筆は止まることはなく進み、ノートを黒く染めていく。
時々ぽん子の目に溜まった涙がポタっと落ちては筆をとるその腕を濡らした。
「…………っはぁ」
パタン、と両手で手帳を閉じるぽん子。
恐る恐る覗き込めばその顔はスッキリとしたもので、涙のせいもあるかも知れないが、先程とは打って変わって俺を見る瞳はキラキラと輝いていた。
「あ、あのー、ぽん子ちゃん?」
「あぁっ!銀さんごめんなさい!私ぼーっとしちゃって」
「いやぁそれは良いんだけどよ、急に泣き出すからビビっちまうだろ」
まだ涙のあとが残るぽん子の目の下を親指で撫でると、ぽん子はあたふたと慌てて仰け反り、目をぐしぐしと乱暴に擦った。
「ちょおま、前髪が目に刺さんぞ」
「だっ大丈夫です!あっ」
「あぁー…真っ赤になっちまってる」
手首を掴んで止めさせれば、色白の肌が赤く染まって、泣いたあとがよきハッキリと分かるようになってしまっている。
「これ早く冷やさねーと腫れるんじゃね?」
「えっ、そんな酷いですか?」
「分かんねーけど。これ借りるぞ。ちと待ってろ」
ぽん子の手提げから手拭いを抜き取り、川の中にそれを突っ込むと、春とはいえヒヤリとした感覚が一気に手を包み込む。
飛沫をあげないようにそっと持ち上げ軽く絞ってぽん子に渡すと、小さくお礼を言った彼女は目に当てて、冷たくて気持ちいいと呟いた。
「すみません、話を練っていたら頭の中でどんどん膨らんじゃって…」
「あー、なるほどな」
少しだけ鼻を鳴らして照れくさそうにこちら見たぽん子の頭を、ぐいっと俺の胸元に引き寄せてひたすらぐしゃぐしゃに撫でてやれば、ぽん子は最初こそ狼狽えていたようだが直ぐに大人しくなった。
「あんまり心配かけんなよ」
「…ん、ごめんなさい」
女の涙は、とか言うけど
「あっ、旦那がもさ子を泣かしてまさァ」
「白昼堂々、痴話喧嘩かァ?ちょうどいい、総悟、コイツ暴行罪でしょっぴくぞ」
「うっせーなチンピラ警察共!どっか行け!暴行罪って何だクソマヨラーが!」
「み、見ないでください…!」
たまたま外を歩いていたぽん子に声をかけたところ、「少し行き詰まったので川を見に行こうかと」と言われたのがきっかけだが、普段の俺なら付き添うことはしないだろう。
それをなぜ着いてきたかと言うと、冬の一件を思い出して不安になったからというのはぽん子には内緒だ。
かれこれ一時間はこうしている気がするが、時々話しかけても上の空で返事はするわ、前髪からチラチラと覗く瞳の色もいつもと違ってどんより暗く曇っているように見える。
「ぽん子ちゃーん、そろそろ戻んない?」
ぼんやりとした表情で、ただ流れを見つめるぽん子に小さく訪ねてみたが、声が小さすぎたのか無視されてしまった。
急ぎの用もない俺はこのままボンヤリしていても構わないが、あまりに長時間を外で過ごすのは、ほとんど引きこもりのこいつには毒だろう。
そう思い、改めてぽん子に顔を向けた俺は固まってしまった。
「ちょ、ぽん子?」
ぽん子は静かに涙をツゥっと流していた。
慌てて肩を掴んで揺すれば、ハッとした顔で俺を見たが、瞬間、その目からはポロポロと涙が溢れた。
「あ、銀さん…」
「急に泣くなんてどうしたよ」
「すみません、あっ、ちょっとごめんなさい」
数回目をぱちぱちさせたぽん子は、持っていた手帳にスラスラと何事かを書き込んでいく。
その筆は止まることはなく進み、ノートを黒く染めていく。
時々ぽん子の目に溜まった涙がポタっと落ちては筆をとるその腕を濡らした。
「…………っはぁ」
パタン、と両手で手帳を閉じるぽん子。
恐る恐る覗き込めばその顔はスッキリとしたもので、涙のせいもあるかも知れないが、先程とは打って変わって俺を見る瞳はキラキラと輝いていた。
「あ、あのー、ぽん子ちゃん?」
「あぁっ!銀さんごめんなさい!私ぼーっとしちゃって」
「いやぁそれは良いんだけどよ、急に泣き出すからビビっちまうだろ」
まだ涙のあとが残るぽん子の目の下を親指で撫でると、ぽん子はあたふたと慌てて仰け反り、目をぐしぐしと乱暴に擦った。
「ちょおま、前髪が目に刺さんぞ」
「だっ大丈夫です!あっ」
「あぁー…真っ赤になっちまってる」
手首を掴んで止めさせれば、色白の肌が赤く染まって、泣いたあとがよきハッキリと分かるようになってしまっている。
「これ早く冷やさねーと腫れるんじゃね?」
「えっ、そんな酷いですか?」
「分かんねーけど。これ借りるぞ。ちと待ってろ」
ぽん子の手提げから手拭いを抜き取り、川の中にそれを突っ込むと、春とはいえヒヤリとした感覚が一気に手を包み込む。
飛沫をあげないようにそっと持ち上げ軽く絞ってぽん子に渡すと、小さくお礼を言った彼女は目に当てて、冷たくて気持ちいいと呟いた。
「すみません、話を練っていたら頭の中でどんどん膨らんじゃって…」
「あー、なるほどな」
少しだけ鼻を鳴らして照れくさそうにこちら見たぽん子の頭を、ぐいっと俺の胸元に引き寄せてひたすらぐしゃぐしゃに撫でてやれば、ぽん子は最初こそ狼狽えていたようだが直ぐに大人しくなった。
「あんまり心配かけんなよ」
「…ん、ごめんなさい」
女の涙は、とか言うけど
「あっ、旦那がもさ子を泣かしてまさァ」
「白昼堂々、痴話喧嘩かァ?ちょうどいい、総悟、コイツ暴行罪でしょっぴくぞ」
「うっせーなチンピラ警察共!どっか行け!暴行罪って何だクソマヨラーが!」
「み、見ないでください…!」