お付き合い編
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たまには模様替えでもしてみようかと掃除をしていると、仕事部屋の隣の空き部屋に銀さんの服や下着が置いてあることに気がついた。
寝ていてそのまま朝を迎えることもあるから、予備として置いているんだろうとその程度にしか思っていなかったが、ある日洗面台を見ると歯ブラシが1本増えていた。
明らかに銀さんの私物がわが家を侵食し始めていると気づいた時、もう私は完全に銀さんの手の内にいたのだろう。
ああでもないこうでもないと一人でぶつぶつ呟きながら原稿を書いていると、私の元に一本の電話が掛かってきた。
「ちょっと寄っていいか」と電話越しに話す彼はいつもの調子で、今日も私の家で寛ぐつもりなのだろう。
しばらくして、玄関から銀さんの間延びした声が聞こえたかと思うと私が開けるより先に玄関の鍵がカチャリと回された。
すっかり彼のものになってしまった合鍵で鍵を開けた銀さんに、私はまた部屋に戻って原稿に取り組もうと椅子に腰掛けた。
鍵を渡してからというもの、基本的に銀さんは連絡がつけばこうして勝手に入ってきて、勝手に好きなように過ごしているのだ。
だが今日は勝手が少し違ったようで、よっこいせという掛け声がしたと思えば今度はバタバタと何やら騒がしい音が玄関先で響いている。
「銀さん?」
パソコンから手を離して部屋からひょっこりと顔だけを出して覗いてみれば、銀さんが何やら大荷物を下ろしているところだった。
一体何事かと慌てて銀さんの元へ向かえば、どうやって運んできたのかそこには一組の布団が紐に括られていた。
「えっ?布団?」
「おう。俺がぽん子ちゃんのベッドで寝たら、ぽん子がゆっくり寝らんねーかなと思って」
「えっ?!でも、え?!」
ブーツを脱いだ銀さんは再び布団を抱えると、廊下をずんずん歩き出した。
そして迷うことなくドアを開けたのは、銀さんが度々荷物を置くようになっていた空き部屋だ。
「よっこいせっと
だいぶ俺の部屋っぽい感じになってきたな」
うんうんと頷く銀さんの言葉に耳を疑い、慌てて部屋を覗き込むと、そこには銀さんの服と先程運ばれた布団だけではなかった。
先日…いや、一、二週間ほど前までにはなかった衣類や漫画が重ねられ、一体いつの間に運び込まれていたのかと私は目の前がクラりとした。
「…ん?テーブルまである…」
「それこたつだったぞ。
押し入れの奥で眠ってたからぽん子のじゃねぇの」
「あ、あー…そういえば買ったものの組み立てるのが面倒で置いてた…」
隣りでは超がつきそうな程にご機嫌な銀さんがニコニコと微笑んでいる。
きっと合鍵を渡した時から運び込まれていたのだろうが、まさか銀さんの部屋が作られていたことに全く気が付かないとは自分でもどうかしていると頭が痛くなる。
「もうこれ銀さんのお部屋になっちゃってますよね」
「おうよ。これでぽん子ちゃんが二徹、三徹しても俺が傍でサポートしてやれるってもんよ」
「えっ!銀さんまさかその為に?!」
本日何度目かの驚愕に対し、ドヤ顔の銀さんは腰に手を当てて満足そうなことこの上ない。
「だってお前、仕事つまると飯もろくに食わねーわりにシャワーだけ毎日しても頭も濡れたままでフラフラしながら原稿やってんだろ?
そのうちポックリ逝くんじゃねえかって俺心配してんだけど」
「うっ……ぐうの音も出ない……
というかお風呂上がりのことまで何で知って……」
「まぁそこは気にしなさんな」
私の頭をぐいっと自分の肩に引き寄せた銀さんは、そのまま顔を寄せて額と額をこつんと軽くぶつけた。
同じ目線になった銀さんはいつものやる気なさげな瞳をしているが、その口元はゆるやかに微笑んでいる。
「あと、まだ理由あるんだけどよ」
「万事屋さんより快適だから?」
「ちげーよ!や、それもまぁなきしにもあらずだけど」
ふっと笑った銀さんは私に軽くキスをして顔を離すと、今度はぎゅっと抱きしめてきた。
珍しく緊張でもしているのか、私と銀さんの体に挟まれた私の掌には銀さんの鼓動が伝わってくる。
「ぽん子ちゃんと出来るだけ離れたくねぇなって思って」
そう耳元で囁かれ、私はじんわりと体温が上がった。
そう言われてしまうと、私はもう何も言えなくなり銀さんの服を皺がつきそうな程ぎゅうっと強く握りしめた。
「も、銀さん…」
「なに?」
「……可愛いなって……」
一瞬固まった銀さんは私を抱きしめたまま吹き出して、頭の上でハハハ!と笑った。
それに釣られて私も同じように笑い出すと、銀さんはまた嬉しそうに声を上げて笑いだした。
幸せが歩いてきた!
寝ていてそのまま朝を迎えることもあるから、予備として置いているんだろうとその程度にしか思っていなかったが、ある日洗面台を見ると歯ブラシが1本増えていた。
明らかに銀さんの私物がわが家を侵食し始めていると気づいた時、もう私は完全に銀さんの手の内にいたのだろう。
ああでもないこうでもないと一人でぶつぶつ呟きながら原稿を書いていると、私の元に一本の電話が掛かってきた。
「ちょっと寄っていいか」と電話越しに話す彼はいつもの調子で、今日も私の家で寛ぐつもりなのだろう。
しばらくして、玄関から銀さんの間延びした声が聞こえたかと思うと私が開けるより先に玄関の鍵がカチャリと回された。
すっかり彼のものになってしまった合鍵で鍵を開けた銀さんに、私はまた部屋に戻って原稿に取り組もうと椅子に腰掛けた。
鍵を渡してからというもの、基本的に銀さんは連絡がつけばこうして勝手に入ってきて、勝手に好きなように過ごしているのだ。
だが今日は勝手が少し違ったようで、よっこいせという掛け声がしたと思えば今度はバタバタと何やら騒がしい音が玄関先で響いている。
「銀さん?」
パソコンから手を離して部屋からひょっこりと顔だけを出して覗いてみれば、銀さんが何やら大荷物を下ろしているところだった。
一体何事かと慌てて銀さんの元へ向かえば、どうやって運んできたのかそこには一組の布団が紐に括られていた。
「えっ?布団?」
「おう。俺がぽん子ちゃんのベッドで寝たら、ぽん子がゆっくり寝らんねーかなと思って」
「えっ?!でも、え?!」
ブーツを脱いだ銀さんは再び布団を抱えると、廊下をずんずん歩き出した。
そして迷うことなくドアを開けたのは、銀さんが度々荷物を置くようになっていた空き部屋だ。
「よっこいせっと
だいぶ俺の部屋っぽい感じになってきたな」
うんうんと頷く銀さんの言葉に耳を疑い、慌てて部屋を覗き込むと、そこには銀さんの服と先程運ばれた布団だけではなかった。
先日…いや、一、二週間ほど前までにはなかった衣類や漫画が重ねられ、一体いつの間に運び込まれていたのかと私は目の前がクラりとした。
「…ん?テーブルまである…」
「それこたつだったぞ。
押し入れの奥で眠ってたからぽん子のじゃねぇの」
「あ、あー…そういえば買ったものの組み立てるのが面倒で置いてた…」
隣りでは超がつきそうな程にご機嫌な銀さんがニコニコと微笑んでいる。
きっと合鍵を渡した時から運び込まれていたのだろうが、まさか銀さんの部屋が作られていたことに全く気が付かないとは自分でもどうかしていると頭が痛くなる。
「もうこれ銀さんのお部屋になっちゃってますよね」
「おうよ。これでぽん子ちゃんが二徹、三徹しても俺が傍でサポートしてやれるってもんよ」
「えっ!銀さんまさかその為に?!」
本日何度目かの驚愕に対し、ドヤ顔の銀さんは腰に手を当てて満足そうなことこの上ない。
「だってお前、仕事つまると飯もろくに食わねーわりにシャワーだけ毎日しても頭も濡れたままでフラフラしながら原稿やってんだろ?
そのうちポックリ逝くんじゃねえかって俺心配してんだけど」
「うっ……ぐうの音も出ない……
というかお風呂上がりのことまで何で知って……」
「まぁそこは気にしなさんな」
私の頭をぐいっと自分の肩に引き寄せた銀さんは、そのまま顔を寄せて額と額をこつんと軽くぶつけた。
同じ目線になった銀さんはいつものやる気なさげな瞳をしているが、その口元はゆるやかに微笑んでいる。
「あと、まだ理由あるんだけどよ」
「万事屋さんより快適だから?」
「ちげーよ!や、それもまぁなきしにもあらずだけど」
ふっと笑った銀さんは私に軽くキスをして顔を離すと、今度はぎゅっと抱きしめてきた。
珍しく緊張でもしているのか、私と銀さんの体に挟まれた私の掌には銀さんの鼓動が伝わってくる。
「ぽん子ちゃんと出来るだけ離れたくねぇなって思って」
そう耳元で囁かれ、私はじんわりと体温が上がった。
そう言われてしまうと、私はもう何も言えなくなり銀さんの服を皺がつきそうな程ぎゅうっと強く握りしめた。
「も、銀さん…」
「なに?」
「……可愛いなって……」
一瞬固まった銀さんは私を抱きしめたまま吹き出して、頭の上でハハハ!と笑った。
それに釣られて私も同じように笑い出すと、銀さんはまた嬉しそうに声を上げて笑いだした。
幸せが歩いてきた!