お付き合い編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「悪い子はいねーかー!」
こっそりアポなしでぽん子の家に訪問し、チャイム連打で驚かそうと思ったら鍵が掛かっていなかったのでドッキリでも仕掛けてやろうと大声で玄関に突撃してみた。
予想外に違いない俺の行動に、どんな反応をするだろうと年甲斐もなく胸を躍らせドアを開けると、家主は絶賛仕事中だったのだろう。
Tシャツにまさかのパンツ姿でペットボトルを片手に、こちらを向いて固まっていた。
その視線は凍りつきそうなほど冷たく、もしかするとぽん子は俺の事をゴミかなにかのように思っているかも知れない。
慌ててドアを閉め、見てしまった光景をかき消すように頭をブンブン振ったあと、改めてチャイムを鳴らして「こ、こんにちはー!万事屋銀ちゃんでーす!」と声をかけドアが開くのを待つ。
しばらくの間があったあと、恐らく地獄の門よりも重いであろうぽん子の家のドアが開いた。
「すみませんでした」
しっかりとジャージを履いたぽん子の前で正座した俺は、綺麗なフォームで手を揃え、廊下の床板に向かって額をつけている。
招いてはくれたものの、顔を伏せる前に見たぽん子は腕を組み仁王立ちでこちらを睨んでいた。きっと今もそのままなのだろう。雰囲気で怒りがヒシヒシと伝わってくる。
「まさか鍵が開いてると思わなくて…」
「たしかにそれは私が悪かったです。でも普通、よそのお宅に勝手に入ろうとしませんよね」
「すみませんでした」
はぁぁ、と長いため息をついたぽん子が、もういいですと言って離れていった。
慌てて顔を上げてその背中を視線で追うも、ぽん子はさっさと奥の部屋に籠ってしまった。
追いついたところで閉ざされた襖の前にぽつんと取り残され、我ながら馬鹿なことをしてしまったと後悔しながらガシガシと頭を掻き、襖の隣りに腰を下ろした。
何を言っても今は逆効果かも知れないが、顔を見に来たのに引きこもられてしまっては意味が無い。俺のせいだけど。
「なー、ぽん子?許してとは言わねぇから、出てきてくれよ…」
薄い壁越しに問いかけてみれば、カタンと小さく物音がしたがぽん子からの返事はない。
まぁ、彼氏でもない男から下着姿を見られてそう簡単に許すような女ではないだろうから、当たり前かもしれないが冷たい態度を取られたのは初めてで少し堪える。
「ぽん子ちゃーん?」
「……何ですか…」
ススッと軽い音がし、その開いた襖から顔を出したぽん子は先程のように怒っているようには見えないが、胡座から正座に座り直してもう一度きちんと謝った。
「悪気がないのは分かりました…。でも、凄く驚きました。今度からこんな事は絶対にしないで下さい!」
「はい!勿論です!」
ビシッと指差され、頭を垂れて丸くなっていた背筋がギュンと真っ直ぐになる。
そんな俺にぽん子はくすっと笑うと、部屋の中から出てきて俺に手を差し伸べてきた。
「仕事は片付けましたから、お話聞きます。何か御用があったんじゃないですか?」
「あ…あぁ、そう!」
温かな小さい手を握り立ち上がると、一旦その手を離して玄関に置いたままのチラシを取りに向かうと、ぽん子もゆっくりと着いてきて俺の手にある一枚の紙を覗き込んだ。
「恵方巻き?」
「そう!依頼先の近くで販売しててよ。もし良かったら一緒に買いに行かねぇかなって」
「恵方巻きかぁ…そっかぁ、そんな時期でしたね」
ぽん子は普段家に籠ってばかりだから、こういったイベントにあまり興味が無いかと不安になったが、連れ出す口実になればと持ってきたチラシに思いのほか釘付けだ。それに前向きのようで場所は近いのかと聞いてきた。
「うん、銀さんと一緒なら行こうかな」
にこっと笑顔を見せたぽん子に、俺はやっと胸を撫で下ろした。
「思ったより種類があって悩んでしまいました…」
「まぁいいじゃねぇの」
少し散歩しようと適当な理由をつけて遠回りしながらたどり着いた店であれこれ言いながら選び、家に戻ってきた俺とぽん子は恵方はどっちだ願い事が何だかんだと言いながら、お互い目が合っておかしくて笑ってしまった。
「じゃあ、頂きます!」
「いただきマース」
気を取り直して、無言でひたすら食い進めていくがなかなか量もあるし海苔が口について食べにくい。
何とか食べてしまい口をもごもごしながらぽん子を見ると、一生懸命に食べている姿が少しだけ子供っぽくて可愛いと思うと同時に、俺たち一体何をしてるんだろうとまた笑えてきた。
そうしてようやく食べ終え、水を飲んだぽん子がぷはぁと大きく息を吐く。
「なかなか、口が…疲れますね…」
「だよなぁ。先人たちも変な文化考えるよな」
「そうですね…でも無病息災や願い事が叶うようにって気持ちから生まれたものなら、こうして参加するのも悪くは無いですね」
「……だな」
笑いながら口元を拭くぽん子に、俺はお前が楽しいなら何だって良いけど、なんて柄にも無いことを思ってそんな自分に恥ずかしくなった。
だが、わざわざチラシまで持ってきた甲斐があったってもんだ。
「でも何でナマハゲで入ってきたんです?」
「あれな~鬼がなんて言うか分かんねぇからナマハゲでいいやって」
「ふふっ銀さんらしい」
節分の日にあなたと。
「そういえば恵方巻きの由来って下ネタ的な意味もあるそうですよ」
「まじかよ…って何でそんなん知ってんの?」
「うぃきに載ってました」
「え!ぽん子ちゃん文献とか取材じゃなくてそんなん見んの?!物書きってそんなんでいいの?!」
「大丈夫ですよ、私そういう系の話書きませんから」
「そう言う問題ィィ?!」
こっそりアポなしでぽん子の家に訪問し、チャイム連打で驚かそうと思ったら鍵が掛かっていなかったのでドッキリでも仕掛けてやろうと大声で玄関に突撃してみた。
予想外に違いない俺の行動に、どんな反応をするだろうと年甲斐もなく胸を躍らせドアを開けると、家主は絶賛仕事中だったのだろう。
Tシャツにまさかのパンツ姿でペットボトルを片手に、こちらを向いて固まっていた。
その視線は凍りつきそうなほど冷たく、もしかするとぽん子は俺の事をゴミかなにかのように思っているかも知れない。
慌ててドアを閉め、見てしまった光景をかき消すように頭をブンブン振ったあと、改めてチャイムを鳴らして「こ、こんにちはー!万事屋銀ちゃんでーす!」と声をかけドアが開くのを待つ。
しばらくの間があったあと、恐らく地獄の門よりも重いであろうぽん子の家のドアが開いた。
「すみませんでした」
しっかりとジャージを履いたぽん子の前で正座した俺は、綺麗なフォームで手を揃え、廊下の床板に向かって額をつけている。
招いてはくれたものの、顔を伏せる前に見たぽん子は腕を組み仁王立ちでこちらを睨んでいた。きっと今もそのままなのだろう。雰囲気で怒りがヒシヒシと伝わってくる。
「まさか鍵が開いてると思わなくて…」
「たしかにそれは私が悪かったです。でも普通、よそのお宅に勝手に入ろうとしませんよね」
「すみませんでした」
はぁぁ、と長いため息をついたぽん子が、もういいですと言って離れていった。
慌てて顔を上げてその背中を視線で追うも、ぽん子はさっさと奥の部屋に籠ってしまった。
追いついたところで閉ざされた襖の前にぽつんと取り残され、我ながら馬鹿なことをしてしまったと後悔しながらガシガシと頭を掻き、襖の隣りに腰を下ろした。
何を言っても今は逆効果かも知れないが、顔を見に来たのに引きこもられてしまっては意味が無い。俺のせいだけど。
「なー、ぽん子?許してとは言わねぇから、出てきてくれよ…」
薄い壁越しに問いかけてみれば、カタンと小さく物音がしたがぽん子からの返事はない。
まぁ、彼氏でもない男から下着姿を見られてそう簡単に許すような女ではないだろうから、当たり前かもしれないが冷たい態度を取られたのは初めてで少し堪える。
「ぽん子ちゃーん?」
「……何ですか…」
ススッと軽い音がし、その開いた襖から顔を出したぽん子は先程のように怒っているようには見えないが、胡座から正座に座り直してもう一度きちんと謝った。
「悪気がないのは分かりました…。でも、凄く驚きました。今度からこんな事は絶対にしないで下さい!」
「はい!勿論です!」
ビシッと指差され、頭を垂れて丸くなっていた背筋がギュンと真っ直ぐになる。
そんな俺にぽん子はくすっと笑うと、部屋の中から出てきて俺に手を差し伸べてきた。
「仕事は片付けましたから、お話聞きます。何か御用があったんじゃないですか?」
「あ…あぁ、そう!」
温かな小さい手を握り立ち上がると、一旦その手を離して玄関に置いたままのチラシを取りに向かうと、ぽん子もゆっくりと着いてきて俺の手にある一枚の紙を覗き込んだ。
「恵方巻き?」
「そう!依頼先の近くで販売しててよ。もし良かったら一緒に買いに行かねぇかなって」
「恵方巻きかぁ…そっかぁ、そんな時期でしたね」
ぽん子は普段家に籠ってばかりだから、こういったイベントにあまり興味が無いかと不安になったが、連れ出す口実になればと持ってきたチラシに思いのほか釘付けだ。それに前向きのようで場所は近いのかと聞いてきた。
「うん、銀さんと一緒なら行こうかな」
にこっと笑顔を見せたぽん子に、俺はやっと胸を撫で下ろした。
「思ったより種類があって悩んでしまいました…」
「まぁいいじゃねぇの」
少し散歩しようと適当な理由をつけて遠回りしながらたどり着いた店であれこれ言いながら選び、家に戻ってきた俺とぽん子は恵方はどっちだ願い事が何だかんだと言いながら、お互い目が合っておかしくて笑ってしまった。
「じゃあ、頂きます!」
「いただきマース」
気を取り直して、無言でひたすら食い進めていくがなかなか量もあるし海苔が口について食べにくい。
何とか食べてしまい口をもごもごしながらぽん子を見ると、一生懸命に食べている姿が少しだけ子供っぽくて可愛いと思うと同時に、俺たち一体何をしてるんだろうとまた笑えてきた。
そうしてようやく食べ終え、水を飲んだぽん子がぷはぁと大きく息を吐く。
「なかなか、口が…疲れますね…」
「だよなぁ。先人たちも変な文化考えるよな」
「そうですね…でも無病息災や願い事が叶うようにって気持ちから生まれたものなら、こうして参加するのも悪くは無いですね」
「……だな」
笑いながら口元を拭くぽん子に、俺はお前が楽しいなら何だって良いけど、なんて柄にも無いことを思ってそんな自分に恥ずかしくなった。
だが、わざわざチラシまで持ってきた甲斐があったってもんだ。
「でも何でナマハゲで入ってきたんです?」
「あれな~鬼がなんて言うか分かんねぇからナマハゲでいいやって」
「ふふっ銀さんらしい」
節分の日にあなたと。
「そういえば恵方巻きの由来って下ネタ的な意味もあるそうですよ」
「まじかよ…って何でそんなん知ってんの?」
「うぃきに載ってました」
「え!ぽん子ちゃん文献とか取材じゃなくてそんなん見んの?!物書きってそんなんでいいの?!」
「大丈夫ですよ、私そういう系の話書きませんから」
「そう言う問題ィィ?!」