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銀ちゃんはだらしない。
お金にもだらしないし、朝はのんびり起きるから、朝どころかお昼の時だってある。
お酒を飲んで帰ってきたときには、足元がおぼつかないくらいの時だってあるらしい。
らしいというのは、私は万事屋の従業員ではないし、同棲などしていないから知らないのだ。
それはさておき、そういった小さなだめな男のレッテルがどんどん増えていった結果、銀ちゃんはよく神楽ちゃんからマダオだなんて言われている。
「そんなんでいいの?銀ちゃん」
「あー?別にいいんじゃねえの」
「でも銀ちゃんは強くてかっこいいよ?」
「ぽん子がそう思ってくれてるだけで、俺は満足だよ」
そういって、いつも眠たそうな目をしてソファにごろりと転がったままの銀ちゃん。
それを言われてしまったら、私はもう何も言えなくなるというのに。
全く気にする素振りのない銀ちゃんの顔に乗せられた雑誌を取って、ちょっとだけ眉をひそめた顔をのぞき込んだ。
「なぁーに、構ってちゃんなワケ?」
「んー?うん、そうかも」
「ンよっこらせっとォ……」
「銀ちゃん、それオジサンみたい」
「うるせー。んで?何する?」
体を起こした銀ちゃんの隣に座って、私は彼の大きな手にそっと触れた。
その手を銀ちゃんは何も言わずにそっと握り返してきたけど、物足りなくて節くれた指に私の頼りない指を絡めていく。
「おー、なに?積極的?」
「たまにはね」
恋愛経験の浅い私にも、時々、ああ私のお相手はこの人なんだなぁって思うときがある。
ふとした時に笑いあったり、好きなものが似ていたり、指を絡めて手を繋いだときにしっくりくる感じだとか。
「銀ちゃん」
「んー?」
「大好き」
「知ってますゥー」
「知ってるって知ってますぅ」
「知ってるって知ってるって知っ」
「もういいー」
「ンだよ、ぽん子が始めたんだろ」
銀ちゃんの大きな手が私の頭に伸びてきて、わしゃわしゃと遠慮なく髪をかき乱す。
ぐらぐらと揺れる視界で、くすくす笑いながら銀ちゃんの方を向けば、そのまま後頭部を支えられて唇と唇がそっと触れた。
何度かそれを繰り返していたら、私は何だかおかしな気持ちになって、プッと小さく吹き出してしまう。
「なぁーに笑ってんの」
少しだけムッとした銀ちゃんが可愛く見えて仕方ない。
何でもないよ、とだけ言うと、そうかい、と銀ちゃんも答える。
そんな銀ちゃんの胸板に頬を当てるようにしなだれると、また髪をサラサラと触ったあと、それが自然なことかのように腰までゆっくりと手のひらが下降した。
「銀ちゃんのエッチ」
「そう、俺エッチなの」
「エッチなおじさん?」
「おじさんじゃねぇ、お兄さんだ」
「何それ」
たまらなくおかしくて、体を震わせる。
銀ちゃんはそんな私の口をまた塞いで、ぬるりと舌を滑り込ませて絡めとる。
ゆっくりゆっくり遊んだあとに、大人の色を含んだ目を少し細めて耳元で囁いた。
「ぽん子、シよ?」
ジジジッと、蝉が鳴いた。
その音をぼんやり聞きながら、私は銀ちゃんに誘われるがままに、奥の部屋へと足を進める。
銀ちゃんの匂いでいっぱいのこの部屋で、私はいまから抱かれるのだろう。
お金にもだらしないし、朝はのんびり起きるから、朝どころかお昼の時だってある。
お酒を飲んで帰ってきたときには、足元がおぼつかないくらいの時だってあるらしい。
らしいというのは、私は万事屋の従業員ではないし、同棲などしていないから知らないのだ。
それはさておき、そういった小さなだめな男のレッテルがどんどん増えていった結果、銀ちゃんはよく神楽ちゃんからマダオだなんて言われている。
「そんなんでいいの?銀ちゃん」
「あー?別にいいんじゃねえの」
「でも銀ちゃんは強くてかっこいいよ?」
「ぽん子がそう思ってくれてるだけで、俺は満足だよ」
そういって、いつも眠たそうな目をしてソファにごろりと転がったままの銀ちゃん。
それを言われてしまったら、私はもう何も言えなくなるというのに。
全く気にする素振りのない銀ちゃんの顔に乗せられた雑誌を取って、ちょっとだけ眉をひそめた顔をのぞき込んだ。
「なぁーに、構ってちゃんなワケ?」
「んー?うん、そうかも」
「ンよっこらせっとォ……」
「銀ちゃん、それオジサンみたい」
「うるせー。んで?何する?」
体を起こした銀ちゃんの隣に座って、私は彼の大きな手にそっと触れた。
その手を銀ちゃんは何も言わずにそっと握り返してきたけど、物足りなくて節くれた指に私の頼りない指を絡めていく。
「おー、なに?積極的?」
「たまにはね」
恋愛経験の浅い私にも、時々、ああ私のお相手はこの人なんだなぁって思うときがある。
ふとした時に笑いあったり、好きなものが似ていたり、指を絡めて手を繋いだときにしっくりくる感じだとか。
「銀ちゃん」
「んー?」
「大好き」
「知ってますゥー」
「知ってるって知ってますぅ」
「知ってるって知ってるって知っ」
「もういいー」
「ンだよ、ぽん子が始めたんだろ」
銀ちゃんの大きな手が私の頭に伸びてきて、わしゃわしゃと遠慮なく髪をかき乱す。
ぐらぐらと揺れる視界で、くすくす笑いながら銀ちゃんの方を向けば、そのまま後頭部を支えられて唇と唇がそっと触れた。
何度かそれを繰り返していたら、私は何だかおかしな気持ちになって、プッと小さく吹き出してしまう。
「なぁーに笑ってんの」
少しだけムッとした銀ちゃんが可愛く見えて仕方ない。
何でもないよ、とだけ言うと、そうかい、と銀ちゃんも答える。
そんな銀ちゃんの胸板に頬を当てるようにしなだれると、また髪をサラサラと触ったあと、それが自然なことかのように腰までゆっくりと手のひらが下降した。
「銀ちゃんのエッチ」
「そう、俺エッチなの」
「エッチなおじさん?」
「おじさんじゃねぇ、お兄さんだ」
「何それ」
たまらなくおかしくて、体を震わせる。
銀ちゃんはそんな私の口をまた塞いで、ぬるりと舌を滑り込ませて絡めとる。
ゆっくりゆっくり遊んだあとに、大人の色を含んだ目を少し細めて耳元で囁いた。
「ぽん子、シよ?」
ジジジッと、蝉が鳴いた。
その音をぼんやり聞きながら、私は銀ちゃんに誘われるがままに、奥の部屋へと足を進める。
銀ちゃんの匂いでいっぱいのこの部屋で、私はいまから抱かれるのだろう。