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ここに二人、揉めている恋人達がいた。
彼氏にとって彼女は初めての彼女であり、それなりに大切にしていたつもりだったが、彼氏の誕生日にとんでもないプレゼントを用意したと言い出した彼女の言葉に、この喧嘩は始まった。
「だーかーらー、好きにしていいよって言ってるじゃん」
「だから好きにしてんだろィ」
屯所にある沖田の自室で、一組の布団を挟んで向かい合う二人は、先程から同じ話を繰り返している。
部屋の主である沖田は胡座をかいて雑誌をパラパラとめくり、ぽん子はそんな沖田に頬を膨らませていた。
「何が嫌なの?いいじゃん、総悟だって楽しく童貞卒業できるんだから」
「何でテメーの都合で俺の一生に一度のピュアを失うことになるんでさァ。ふざけんなこの痴女が」
「ちちっ痴女じゃないし!」
「いや痴女だろ」
正座の姿勢で小さな手をきつく握りしめたぽん子が叫ぶが、沖田は一度もぽん子を見ずに冷たく言い放つ。
付き合っているんだかいないんだか分からないと散々周りから言われているこの関係に、ぽん子は嫌気が差していた。
更に彼女は嘘をついていた。
実は彼女にとっても、初めての彼氏は沖田総悟の他ならないのだが、交際に至った時には、何故か沖田の中ではぽん子は経験者だと思われていたのだ。
「何で?素敵な日になると思ったのに」
「逆に聞くけど、何でそれがプレゼントになると思ったんで?」
「えー、男のロマン的な?バレンタインに私を食べて!的な?」
「クソか」
「えー!?違うのぉ?!」
この反応に違和感を覚えた沖田は、まじまじとぽん子のことを頭から足の先までジロリと眺めて黙る。
そんな沖田に怖気づいたように、ぽん子はどことなく逃げ腰になりながらキッと睨みつけた。
「お前………」
「なっ何よ…」
「もしかして処女?」
「んなっ!」
真っ赤になるぽん子に、みるみるうちに口元を歪めていく沖田はどこからどう見ても新しいおもちゃを見つけた顔だ。
「そっかぁ~お前、処女のくせに上から目線であーだこーだ言ってた訳かぁ」
「ちっ!ちがっ……」
「え?違う?」
雑誌を閉じて放り投げた沖田が、狼狽えるぽん子をニヤニヤと舐めるように見つめている。
「ちが……わない…………」
沖田の問に、ぽん子が絞り出すように答えた瞬間、沖田はついにひっくり返って大笑いを始めてしまった。
そんな彼氏の姿に、ぽん子の目にはじわじわと涙が浮かび上がったが、笑い転げる沖田はそれに気付いてはいない。
これまでどんなに卑猥な事を言われようが、舐めた口を利かれようが、ぽん子は例えそれが一歳でも年上の女だからと決して涙を見せることはなかった。
「うっ……も、いい!帰る!」
勢い良く立ち上がったぽん子は、沖田を振り返らずに襖に手をかけた。
だがその手は襖に触れる前に、ぐらりと揺れる視界の中で天井に伸ばされていた。
ろくに受け身も取れないままに尻餅をつき、再び目を開けた時には、視界に広がるのは沖田の姿だ。
「足引っ掛けて寝技に持ち込むとか……普通の女子だったら大怪我だよ」
「ぽん子は普通の女子じゃねぇだろィ。俺の下に就いてんだから」
とぼけた顔で、沖田は簡単に言いのけた。
その態度にぽん子の涙はすっかり引っ込むと、諦めたようにそっと沖田の頬に手を伸ばす。
「俺なりに大事にしてたつもりが、追い詰めてやしたかねェ」
「…だって皆、恋人に見えないとかいうし、総悟も全然触れてくれないし」
「だからってキスすっ飛ばしてセックスは無えや」
案外、真っ当なことを言ってのけた沖田は、ぽん子の目を見て離さない。
痛いほど真っ直ぐな視線が刺さっているぽん子は、一度目を閉じると、次に目を開くいたときには顔ごと逸らして呟いた。
「………だって…好きだから、触れたかったんだもん」
そうして、ちらりと沖田を盗み見たぽん子は困った顔でふにゃりと笑う。
「ぽん子、ほんとバッッッカでぃ」
「……うるさいよ、総悟」
「しょうがねぇや。丸ごと頂いてやりまさァ」
「えっ?」
先程とは打って変わって、恐ろしいほど優しい笑みをぽん子に向けた沖田は、彼女の耳元でそっと囁いた。
「せっかくのぽん子の処女を簡単に貰っちゃ楽しくねェ。お前が泣いて欲しがるまで、じっくり可愛がってから貰うとしやしょう」
ぽん子が顔を引きつらせ、やっぱり無しで!と叫びだすまで、あと数秒。
彼氏にとって彼女は初めての彼女であり、それなりに大切にしていたつもりだったが、彼氏の誕生日にとんでもないプレゼントを用意したと言い出した彼女の言葉に、この喧嘩は始まった。
「だーかーらー、好きにしていいよって言ってるじゃん」
「だから好きにしてんだろィ」
屯所にある沖田の自室で、一組の布団を挟んで向かい合う二人は、先程から同じ話を繰り返している。
部屋の主である沖田は胡座をかいて雑誌をパラパラとめくり、ぽん子はそんな沖田に頬を膨らませていた。
「何が嫌なの?いいじゃん、総悟だって楽しく童貞卒業できるんだから」
「何でテメーの都合で俺の一生に一度のピュアを失うことになるんでさァ。ふざけんなこの痴女が」
「ちちっ痴女じゃないし!」
「いや痴女だろ」
正座の姿勢で小さな手をきつく握りしめたぽん子が叫ぶが、沖田は一度もぽん子を見ずに冷たく言い放つ。
付き合っているんだかいないんだか分からないと散々周りから言われているこの関係に、ぽん子は嫌気が差していた。
更に彼女は嘘をついていた。
実は彼女にとっても、初めての彼氏は沖田総悟の他ならないのだが、交際に至った時には、何故か沖田の中ではぽん子は経験者だと思われていたのだ。
「何で?素敵な日になると思ったのに」
「逆に聞くけど、何でそれがプレゼントになると思ったんで?」
「えー、男のロマン的な?バレンタインに私を食べて!的な?」
「クソか」
「えー!?違うのぉ?!」
この反応に違和感を覚えた沖田は、まじまじとぽん子のことを頭から足の先までジロリと眺めて黙る。
そんな沖田に怖気づいたように、ぽん子はどことなく逃げ腰になりながらキッと睨みつけた。
「お前………」
「なっ何よ…」
「もしかして処女?」
「んなっ!」
真っ赤になるぽん子に、みるみるうちに口元を歪めていく沖田はどこからどう見ても新しいおもちゃを見つけた顔だ。
「そっかぁ~お前、処女のくせに上から目線であーだこーだ言ってた訳かぁ」
「ちっ!ちがっ……」
「え?違う?」
雑誌を閉じて放り投げた沖田が、狼狽えるぽん子をニヤニヤと舐めるように見つめている。
「ちが……わない…………」
沖田の問に、ぽん子が絞り出すように答えた瞬間、沖田はついにひっくり返って大笑いを始めてしまった。
そんな彼氏の姿に、ぽん子の目にはじわじわと涙が浮かび上がったが、笑い転げる沖田はそれに気付いてはいない。
これまでどんなに卑猥な事を言われようが、舐めた口を利かれようが、ぽん子は例えそれが一歳でも年上の女だからと決して涙を見せることはなかった。
「うっ……も、いい!帰る!」
勢い良く立ち上がったぽん子は、沖田を振り返らずに襖に手をかけた。
だがその手は襖に触れる前に、ぐらりと揺れる視界の中で天井に伸ばされていた。
ろくに受け身も取れないままに尻餅をつき、再び目を開けた時には、視界に広がるのは沖田の姿だ。
「足引っ掛けて寝技に持ち込むとか……普通の女子だったら大怪我だよ」
「ぽん子は普通の女子じゃねぇだろィ。俺の下に就いてんだから」
とぼけた顔で、沖田は簡単に言いのけた。
その態度にぽん子の涙はすっかり引っ込むと、諦めたようにそっと沖田の頬に手を伸ばす。
「俺なりに大事にしてたつもりが、追い詰めてやしたかねェ」
「…だって皆、恋人に見えないとかいうし、総悟も全然触れてくれないし」
「だからってキスすっ飛ばしてセックスは無えや」
案外、真っ当なことを言ってのけた沖田は、ぽん子の目を見て離さない。
痛いほど真っ直ぐな視線が刺さっているぽん子は、一度目を閉じると、次に目を開くいたときには顔ごと逸らして呟いた。
「………だって…好きだから、触れたかったんだもん」
そうして、ちらりと沖田を盗み見たぽん子は困った顔でふにゃりと笑う。
「ぽん子、ほんとバッッッカでぃ」
「……うるさいよ、総悟」
「しょうがねぇや。丸ごと頂いてやりまさァ」
「えっ?」
先程とは打って変わって、恐ろしいほど優しい笑みをぽん子に向けた沖田は、彼女の耳元でそっと囁いた。
「せっかくのぽん子の処女を簡単に貰っちゃ楽しくねェ。お前が泣いて欲しがるまで、じっくり可愛がってから貰うとしやしょう」
ぽん子が顔を引きつらせ、やっぱり無しで!と叫びだすまで、あと数秒。