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君に出逢って恋をして

「光希が俺の初恋」
「…初恋は実らないって言葉、知ってる?」
「………」

若干の八の字眉毛で僕を見る顔が、何だか今にも泣き出しそうで可笑しい。
普段はあんなにカッコ良くて、女子は勿論、男子にも慕われているのに…

「ねえ…ジンは僕のどこが好きなの?」
「全部!」
「何ソレ。普通、何かあるでしょ?可愛いトコとか優しいトコとか…」
「ん~…強いて言うならエロいとこかなぁ。とにかく全部!」
「エロいって…」


ふ~ん…一応、通じてた訳だ…僕のお色気作戦




小学4年でアメリカから日本へ越して来た。
初めての土地。見知らぬ人々。
期待よりも不安が大きかった僕の中に、ジンはスッと入ってきた。

慣れない環境で戸惑ってばかりの僕に差し伸べてくれた手は、いつも温かく優しかった
隣で笑うジンの笑顔が何より心強かった…


ジンの隣に居られるなら、どんな手でも使ってみせる


「ジンは…僕よりも前に好きになった人はいないの?」
「いないよ。言ったろ?光希が俺の初恋だって」
「後にも一度も?」
「いない、け…ど、光希は…誰か好きな人がいるのか?」
「好きな人、いるよ」
「へ、へぇ…いるんだ…好きな人……」

“誰?” と動きかけた唇を、僕の唇で塞ぐ。

「ねえ…ジンの初恋を最後の恋にしてくれるなら、誕生日に欲しいモノ…あげられるんだけど?」


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