禁じられた恋 ~ Forbidden Lover ~
「ただいま」
玄関から聞こえた声に雑誌から顔を上げる。
「………」
「お帰り。義母さんなら駅まで父さんを迎えに行ったよ」
リビングに入ってきた悠宇が俺に気づき一瞬顔を強張らせるのに、気づかないフリをしてまた雑誌に視線を落とした。
「ふ~ん…そう」
「遅かったな」
冷蔵庫から水のペットボトルを取り出しグラスに注ぐ悠宇に声を掛けるも返事は無い。
雑誌を置いて悠宇の傍まで行く。
「訊いてるだろ?」
「……人と会ってたから」
それだけ言うと俺の隣を通り過ぎようとした悠宇から、嗅ぎ慣れた甘い匂いがした。
反射的に悠宇の腕を掴む。
「……何?」
「誰と会ってたんだ?」
「…っ、……兄さんには……関係無いでしょ」
「……ノブさんとか?」
咄嗟に逸らされた視線に、腕を掴む手に思わず力が籠もる。
「……痛い…」
僅かに顰めた表情が俺を見る。
それでも手を離さないで居ると
「…僕が……僕が誰と一緒に居ようと兄さんには関係無いでしょ!?僕は兄さんの所有物じゃないんだから、放っといてよ!!」
涙声で俺の手を振り払って、逃げ出すように2階へ上がる背中をただ見送った。
玄関から聞こえた声に雑誌から顔を上げる。
「………」
「お帰り。義母さんなら駅まで父さんを迎えに行ったよ」
リビングに入ってきた悠宇が俺に気づき一瞬顔を強張らせるのに、気づかないフリをしてまた雑誌に視線を落とした。
「ふ~ん…そう」
「遅かったな」
冷蔵庫から水のペットボトルを取り出しグラスに注ぐ悠宇に声を掛けるも返事は無い。
雑誌を置いて悠宇の傍まで行く。
「訊いてるだろ?」
「……人と会ってたから」
それだけ言うと俺の隣を通り過ぎようとした悠宇から、嗅ぎ慣れた甘い匂いがした。
反射的に悠宇の腕を掴む。
「……何?」
「誰と会ってたんだ?」
「…っ、……兄さんには……関係無いでしょ」
「……ノブさんとか?」
咄嗟に逸らされた視線に、腕を掴む手に思わず力が籠もる。
「……痛い…」
僅かに顰めた表情が俺を見る。
それでも手を離さないで居ると
「…僕が……僕が誰と一緒に居ようと兄さんには関係無いでしょ!?僕は兄さんの所有物じゃないんだから、放っといてよ!!」
涙声で俺の手を振り払って、逃げ出すように2階へ上がる背中をただ見送った。