Jour de muguet ~君なしではダメ~
「どうしたんだよ、那智。急に来るから吃驚したよ!」
「うん。何かさ…急に奎亮の顔が見たくなって…」
奎亮兄さんの周りの空気がそれまでとガラッと変わって、一気に甘く柔らかくなった。
那智兄さんに触れる指先に、何だか俺の方が照れ臭くなって来る。
「じゃあ、奎亮兄さん。荷物はいつもの所に置いておくね」
「ああ、ありがとな」
奎亮兄さんが手を軽く上げるのに、俺も同じ様に返す。
そんな俺をチラチラと見る那智兄さんに気づいた奎亮兄さんが俺を指差した。
「那智は憶えてない?ウチに昔から荷物を配送してくれてる一ノ瀬さんとこの大翔だよ」
「えっ?!ヒロトって…あの大翔!?」
那智兄さんが目を見開いて俺を見た。
「本当に……あの小っちゃかった大翔?」
「酷いな~、那智兄さんってば!いくらもう何年も会ってないからって。てか、俺だって気づいてなかったの~?」
「ごめん、全然分かんなかった」
「今はさ、ミモザ館への荷物は大翔が担当してくれてるんだ」
「そっか」
那智兄さんがほっとした表情になる。
「那智兄さん…もしかして疑ってたんじゃないの?奎亮兄さんが浮気してるんじゃないかって」
「えっ?」
「大翔っ!」
那智兄さんの目に動揺が見えた。
「安心して。2人の事は奎亮兄さんから聴いてるけど、絶対誰にも言ったりしないから」
「…奎亮…から?」
「だって奎亮兄さんってば、幸せオーラがダダ漏れなんだもん!」
「大翔!お前はもう帰れよ!」
奎亮兄さんが「しっしっ」と手を振る。
「そっか…」
少し俯いて笑った那智兄さんに、俺の方まで幸せな気持ちになる。
「何があっても俺は2人の味方だからね」
そう言って笑いかけると、2人が顔を見合わせて嬉しそうに笑った。
再びドアへと向かい開けようとした時、またもや俺じゃない力でドアが開く。
「すみません。オーナーの方はいらっしゃいますか?」
「…え?」
目の前の人に、今度は俺が目を見開いた。
「うん。何かさ…急に奎亮の顔が見たくなって…」
奎亮兄さんの周りの空気がそれまでとガラッと変わって、一気に甘く柔らかくなった。
那智兄さんに触れる指先に、何だか俺の方が照れ臭くなって来る。
「じゃあ、奎亮兄さん。荷物はいつもの所に置いておくね」
「ああ、ありがとな」
奎亮兄さんが手を軽く上げるのに、俺も同じ様に返す。
そんな俺をチラチラと見る那智兄さんに気づいた奎亮兄さんが俺を指差した。
「那智は憶えてない?ウチに昔から荷物を配送してくれてる一ノ瀬さんとこの大翔だよ」
「えっ?!ヒロトって…あの大翔!?」
那智兄さんが目を見開いて俺を見た。
「本当に……あの小っちゃかった大翔?」
「酷いな~、那智兄さんってば!いくらもう何年も会ってないからって。てか、俺だって気づいてなかったの~?」
「ごめん、全然分かんなかった」
「今はさ、ミモザ館への荷物は大翔が担当してくれてるんだ」
「そっか」
那智兄さんがほっとした表情になる。
「那智兄さん…もしかして疑ってたんじゃないの?奎亮兄さんが浮気してるんじゃないかって」
「えっ?」
「大翔っ!」
那智兄さんの目に動揺が見えた。
「安心して。2人の事は奎亮兄さんから聴いてるけど、絶対誰にも言ったりしないから」
「…奎亮…から?」
「だって奎亮兄さんってば、幸せオーラがダダ漏れなんだもん!」
「大翔!お前はもう帰れよ!」
奎亮兄さんが「しっしっ」と手を振る。
「そっか…」
少し俯いて笑った那智兄さんに、俺の方まで幸せな気持ちになる。
「何があっても俺は2人の味方だからね」
そう言って笑いかけると、2人が顔を見合わせて嬉しそうに笑った。
再びドアへと向かい開けようとした時、またもや俺じゃない力でドアが開く。
「すみません。オーナーの方はいらっしゃいますか?」
「…え?」
目の前の人に、今度は俺が目を見開いた。