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年上彼氏と年下の彼


―…私は年上が好きだ。

大人な考え方が好き。低い声とか、たくましい腕とか、そういう年上の男が好きだった。
昔からそう。幼稚園の時好きになったのは20こ年上の先生だし、
小学校の頃に好きだったのは近所の12歳上のお兄さん。
中学の時は家庭教師をしてくれた10歳年上の大学生。
高校生の時、好きになったのは9歳上のサラリーマン。
そして大学では研究室の教授。ちなみに彼とは年が30歳離れてた。

とにもかくにも、私が好きになる男はみーんな年上なわけで。
当然これからもそうだと思ってた。
むしろ結婚だって、そういう年上の人とするもんなんだろうなーとか、漠然と思っていた。
いたのだけれども。
……なのに現在、なんでこんなことになったのだろう。

眼の前に座る男性の姿を見ながら、浅く息を洩らして苦笑いをする。

「どうしたの千波。何か悩み事?」

口元に生クリームをつけて不思議そうに首をかしげる男の名前は佐々木コウキ。
現在大学4年生の青年である。ちなみに私はというと現在26歳。みなさんお察しの通り、「年下の彼氏くん」、である。

「んーん。別に悩み事があるわけじゃないよ。」

「そう?何か悩みあったら遠慮なく言ってよ。」

「ふふ、ありがとう。てか、ほらコウキ、ほっぺにクリームついてる。」

「あれ、ほんとだ…。気付かなかった。」

無邪気に笑う彼を眼の前に、私は心の中で苦笑する。
…年上好きの私が年下のコウキと付き合っていることは、私的に重大事件だったりする。

そもそもなぜこうなったのか。
順を追ってみることにしよう。





年下彼氏ってどうですか。
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