Last Chapter
夢小説設定
この小説の夢小説設定Guardianの設定を引き継ぎます。
◇Lより主→Guardian主人公。元死神の人間。
◇ワイミーズより主→Guardianの間、夢を見ていた人間。記憶喪失の為、詳細設定はなし。
色々(本編)あって二人はまったく同じ外見です。
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◆Afterwards Last Chapter
-夜道の向こう-
――三人で待ってるね、海砂!
これほどまでに未来が明るく見えたことはない。
皆が待っている。私を、待っている。
早くそこに行きたいと思った。
でも、その前に――
「また会いたかった。話したかったよ、レム」
大好きな恩人に、お礼を言わなくちゃ。
記憶を無くしたあとも友達だったけれど、思い出した今、何故か涙が止まらない。白い骨のような身体と、そこに光る金の瞳が、胸が苦しくなるほどに懐かしい。
『あぁ、また会えたな、ミサ』
「レム、ありがとう。ずっと見ていてくれたんだね。ずっと、ずっと……貴方のおかげで、私はっ」
『死神の目。寿命を半分取ったのも私だ』
「そんなの、どうでもいいっ……レムだってミサのために消えてなくなってもいいって言ってたじゃない。だから本当にそんなのは、どうでもっ……」
言葉が途中で遮られる。骨の指で口が塞がれ、レムは「しっ」と私を黙らせるようなポーズを取った。
『……大声を出さないほうがいい。お前の友人が怪しむ』
遠くを見るレムの視線の先を追う。
ライトと目が合った。難しい顔をしたかと思うと、「ミサ」と私に呼び掛ける。もう少しでこっちに走り寄ってきそうだ。行かなくちゃ。
『行くのか、海砂』
もう会えない。
これは本当に、さよならだけれど。
「うん、行く。行かなくちゃ……ううん、私、皆のところに行きたい!」
『そうか』
大きな手が優しく髪を梳いてくれた。そう、レムの気持ちが痛いほど伝わってくるから。幸せを願ってくれる優しい友達は、この先もずっと、私の未来を見守っていてくれるから。
「だから、見ててよね、レム!」
『あぁ、もう一人で夜道は歩くなよ』
「……うん!」
もう涙は溢れてこない。
嬉しさと、誇らしさが胸を満たす。
私は服を正して、姿勢を伸ばして、どんな撮影よりも眩しい笑顔を作って、
「このノートの所有権を、貴方に、永遠に返します」
白い骨のような額に、ひとつ口づけをした。
「海砂!」
あれ、ライトの声がする。
それにここは……東応大学のキャンパス?
竜崎さんもいる。夕陽ちゃんもいる。遊ぶ約束とかしてたっけ?
さらりと風が吹いて、何かが頬を撫でるような気配がした。でも、何もなかった。
頬がちょっぴり濡れてるみたい。欠伸をして、涙が溢れたのかな。
今までここで何をしていたのか、思い出せない。頭がぼんやりするけれど、でも、まぁいいっか。
「気をつけて、かみさまが見てる」
私は歌った。
「くらいよみちは、手を繋いでください」
皆がいれば、きっと大丈夫だよね。