第二章
名前変換 Who save his life is...
主人公について記憶喪失からスタートするので、
Lに突然呼ばれる名前です。
平凡な人物
これといった特技はない
Lと同じく甘いものが好き
本名は番外編等で登場する予定です
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◆二人
おはよう目覚まし時計。
おはよう枕。
おはよう、さくらテレビのニュース。
朝が、来てしまいました。
昨晩、竜崎と話をしたあと、私はしばらく目が冴えて寝ることができなかった。だけど、不思議と「あの本を読もう」と、胸のペンダントに両手を添えているとすっと眠りに落ちることができた。
夢のなかで私はまたあの物語を読んだのだが、もともとが記憶にあった風景と同じなのだ。そんなに新しい発見というものはない。
どちらかというと、気持ちが辛くなる。そんな心地がする体験だ。
本を開くも、新しい発見はなく、自分と同じ顔の空に話しかけられることもなく、雨の夢を見ることもなかった。
時間はとうとうと過ぎて、なんとなく明け方の気配を感じ、焦って本を読むのをやめたところで、私はようやく意識を手放した。
それからは一瞬だ。
明け方から朝9時までの睡眠なんて、そう長くない。
「まぁ、寝れなかったよね!」
鏡に向き合い、寝起きのぼさぼさの髪を撫で着けながら苦笑する。
顔は変に浮腫んでいないだろうか。隈は深くないだろうか。
「隈は竜崎もあるしいいっかー」
って、何を考えているんだ!
デートか!!
……と突っ走る思考に心の中で突っ込みを入れたはいいものの。記憶喪失だし、デートの経験がある訳でもない。正直よくわからない。
なのに、妙にそわそわしてしまうのは、どうして?
寝られなくてハイ?
いや、まぁ、嬉しいのかな?
息抜き大事だもんね。
「いやいや!仕事仕事!買い出し!」
そう。デートでも息抜きでもない。これは買い出しであり、キラ事件の捜査の一貫なのだ。緊張感のなさに私は本当に反省するべき。
そう気合を入れてシャワーを浴びて出た所で、また私はひとつの壁に当たった。
「何着よう……。」
クローゼットを開くと、そこに並ぶのは竜崎(ワタリさんかも?)が用意してくれている質素なワンピースが数着。
フォーマルかつシンプル。色も黒や紺、白などの無難な取り揃えである。
はじめは「竜崎やワタリさんと並んだとき自然かも!」なんて嬉しかったのだが、そろそろ慣れて来たもので。
せっかくの今日この機会に、ちょっと可愛い格好をしたいなぁ…なんて思ってしまう。
「うーん、あ!これ!」
ふと思い出して、1着のワンピースを取り出す。
ここに来た時の、
竜崎と出会った時の服だ。
それはいつもの服装よりも淡い色合いで、ふわっとした雰囲気のものだった。
私服っぽさが仕事に良くないと思い、着ていなかったが、今日、むしろ着るチャンスだ。髪型もいつもと変えてみた。
気がついたら程よい時間になっていた。
竜崎とは大体11時頃に出ましょう、という話をしていただけで、どこで待ち合うかなどの話をしていない。同じフロアで寝泊まりしている都合上、必要ないのかもしれない。
そう考え、私はいつも竜崎と会う部屋___捜査本部の部屋を覗きに行った。
部屋はガランとしていて、誰もいない。
捜査員の方々も、久々に一日休みを取っている。
一通り確認して部屋を出ようとした所で、ピッとドアロックが解除され、外側からドアが開かれた。
「あ!あれ??夕陽ちゃん?!」
ひょこっと現れたのは私服姿の松田さんだった。
「松田さん!どうしたんですか、今日休みじゃ?」
「あはは、忘れ物だよー。無理言って入れてもらったんだよね。」
軽い様子でおどける松田さんに、私は同じくあははと笑って、「どんまいです」と返す。
すると、あーそうだ!と松田さんは私の肩を勢いよく掴んだ。力が強い。
「伝言あずかってたんだ、竜崎から!」
「あ、はい!伝言?!」
「うん、ロビーで待ってます、だって。」
言いながら松田さんはにやにやと今にもいつもの軽口を始めそうな雰囲気だ。私は決して嫌いでは無いのだけど、竜崎が待っているなら早く行かなくちゃいけない。
「何?デート?僕も行っていい?」
「えー」
あ。思わず。
「あ、いや違うんです。ごめんなさいそうじゃなくて!デートじゃ無いんです仕事で…!」
「うん、そうだよね。いや、気にしないでー。」
力なく私の肩から手を離す松田さん。
すみません。
「"お仕事"でも、楽しんでおいでよ!」
ぺこぺことお辞儀しながら去る私に、最後には明るく手を振って見送ってくれた。やっぱりいい人だ。
お仕事、が若干強調されていたのは気にしないでおこう。