第一章
名前変換 Who save his life is...
主人公について記憶喪失からスタートするので、
Lに突然呼ばれる名前です。
平凡な人物
これといった特技はない
Lと同じく甘いものが好き
本名は番外編等で登場する予定です
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◆夢と空っぽの願い
夢を見た気がした。
「もっとやりたいように、やったらいいのに」
__話している声は、誰のものなのか。
誰の声かは分からない。
一生懸命楽しそうに話しかけてくる。
きっと、友達なんだ。
思い出せないけれど、なんだか心地よい。
声の主はぼんやりと水面に映るシルエットのように、肌色と色彩を身にまとう、印象画のような、面影にさえ満たないシルエット。
「私は、大丈夫。」
一人目のこえよりも、優し気な声が答えた。
そのシルエットはぼんやりと揺れて、笑顔を作ったようだった。
「大好きな人に、手が届かない、こんな世界。願いはかなわないもの。」
言葉が区切れ、そのたびに少女の影は揺れる。
「いつだって助ける手段はここにあるのに、届かない」
「この世界では。この物語では。だめ。手が届かない。」
__だけど、ともう一人の口が動くのが分かった。
「その、L=ローライトなんて…本当はいないんだろう?どうして……なんだ?」
あ、と気づいた時には、私は一人目の少女の意識と混ざり合っていた。「どうして守りたいの?」と聞かれて、
「だって、_______だから!!!」
叫んだ瞬間に、意識がホワイトアウトした。
夢の中で会談から踏み外した時のように、飛び上がるように覚醒した。
首元や手のひらは汗で湿り、心臓がばくばくしている。私は起き上がり、ねじれたスカートから体を開放する。
__「どうして守りたいの?」か。
私は嫌でもリフレインするその夢を回想する。
夢の中で自分は確かに、自分だった。記憶がないから実感がないだけで、あれはきっと過去の自分と誰かの記憶なのだろう。
どうして竜崎を守りたいのか、なんて。なんども反芻したような話なのに。
あらためてそう聞かれると、私は答えることができない。
そう、過去に引っ張られるように、願いと誓いだけが自分の心そのものであるように。
__私は、「私の正義だから」としか言うことができない。
そう、何故。何故、という疑問に答えられない。空っぽだった。
ここ最近は恩があったり、感謝の気持ちもあるのは確かだけれど…
では、記憶喪失で出会ったあの日、話したこともない竜崎に対して、
「この人を守るために来た」と思ったのは、なぜなのだろう。
ぼんやりと思い頭を抱え、時計でアラームの鳴る前の時刻だと知る。午前四時、風を入れようと開きっぱなしだった窓から風が吹き込んできて、肌寒い。
窓の外は当然に暗く、閉めようとした窓のレールに結露の水滴が伝った。氷のように冷え切ったガラスを遮ろうと、私は閉め忘れたカーテンを引っ張った。