第四章
名前変換 Who save his life is...
主人公について記憶喪失からスタートするので、
Lに突然呼ばれる名前です。
平凡な人物
これといった特技はない
Lと同じく甘いものが好き
本名は番外編等で登場する予定です
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Guardian -第四章-
◆いちごミルク
『5月22日 友人と青山で待合せ。ノートを見せ合う。』
『5月24日 友人と渋谷で待合せ。今年の夏用の服を数点買う。』
「うん、これだね。間違いないんじゃない?」
月君が差し出したケータイ画面で二つの文章を見比べながら、私はそのうちの一文を指さした。
「あぁ、あえてノートという単語を使ったあたり、死神や目と言った単語を用いたがる第二のキラらしい。」
「あはは、私もやったから気持ちはわかるな。手っ取り早いもん。」
「……空が言うと笑えないな。」
月君が肩をすくめる。
そろそろ月君と話すのにも慣れてきた、というのには早いだろうか。ありがたいことに、ほかの女子に向けられるような営業スマイルをもらうことなく話ができていた。
もっとも、物語の中ではあまり快く思っていなかった海砂ちゃんにもそういう話し方ではあったのだけれど。
”ケケケッ俺は面白いぞ”
「うん、リュークはそうだもんね」
「……。」
それは東応大学キャンパスでの会話だった。
竜崎はいまでも捜査の合間に、月君を観察しながら大学に顔を出している。多忙なLが丸まる講義に出席することは、月君の隣にぴったりくっついているときか、交友関係の観察位なもので、大抵はふらっと月君が一人になるタイミングをどうやってか見計らって車を降りて待っているようなスタイルだった。
ちょうど竜崎が「飲み物でも買ってきます」なんていって道の向こうの自動販売機に行っている間に、私たちは手早く”打合せ”をしたのだった。
「じゃあ私は死神でもさがしにいこうかな。」
「……奴がいるのはおそらくノートブルーだ。」
月君の言葉を聞きながら、私は竜崎の動向を見ていた。ちょうど自販機での買い物が済んで、何やらピンク色のペットボトルをもった竜崎が歩いてくるところだった
そろそろ内緒話は終わらなければいけなかった。月君は私に「ノートブルー」という単語だけを伝え、話を切り上げた。ほかの人だったらきっと聞き返さなければいけなかっただろうし、「なんのこと?」と何も知らない自分だったら訪ねていたように思う。
「ん。了解。」
単に物語を読んでいてそれが「ノートブルー」という店名だと分かっているだけの私は、いかにも呑み込みが早い相棒であるかのように意識して返事をしてみた。
片手にペットボトルを摘まみ、もう片手をポケットに入れた竜崎がのったりと戻ってきた。
「お持たせしました。といっても、もう大学に用事はありませんし、皆で一緒に本部へ向かいますか?」
「あぁ、構わないよ。……そのピンク色の液体はなんなんだ竜崎?」
「いちごミルクです。」
指先だけで目線の高さに持ち上げられたそのペットボトルは、いちごミルクというよりもショッキングピンクのかき氷シロップのようだった。
「いちご……ミルク?」
「はい、いちごミルクです。」
竜崎は興味深そうに、試験管を揺らす科学者のようにそれを覗き込むが、そもそもミルクと題しているはずなのに、濁ってすらいない。本当にいちごシロップかもしれない。開封すると、プシュッと泡が立った。炭酸飲料だった。
「………。」
月君がうげぇ、と言いそうな顔をした。ちょっと貴重。
「……竜崎。それ、ちょうだい。」
そんなのを飲んだら今後のLの活動に関わる。私は見かねて手をぴっと伸ばした。
「いいですよ。一口だけあげます。」
「…っいや、いやいや!なんかよくわからないけど、ダメ!」
「よく分からないなら私のものです。これだって貴重なブドウ糖を含んでます。」
思わず返す言葉を無くしてぶんぶんと首を振ってしまう。これが幼稚というもものか、と実感した。
こんな時にきっとワタリさんが近くにいればいいのだけれど、生憎、月君が合流してからは会えていない。あぁ、ワタリさん。
「月君、毒味します?」
「……するわけないだろ。」
……意外にも騒がしい車内でホテルに向かうのは、それなりに楽しかった。