後編
ラリイとフェニックスが別れて、2年と言う歳月が過ぎた。
フェロニア、ロヴァール対サドルティスとの戦争は、まだまだ続いていた。
一時はサドルティスが優勢に思われていたが、大国ロヴァールも、
本格的な戦争が始まって、すぐに有名な幻獣を手に入れたことで、
情勢は変わった。
ロヴァールはリヴァイアサンを手に入れたのだ。
リヴァイアサンは、バハムートの次に強いと噂されている幻獣であり、
その噂通りの強さを見せていた。1体と言えども、ラムウ達と互角に戦っていた。
それにロヴァールは魔法戦でも強い国だ。その強力な魔法は、
リヴァイアサンとも相性が良かったようだ。
フェニックスは、異空間から、時々人間界の様子を見ていた。
ラリイが、どうしているのか、心配だったから。
異空間に戻り、バハムートから、相変わらず、しつこく誘われる事もあるが、
前の様に激しく戦うことはなくなっていた。
バハムートはフェニックスに深手を負わせたことを後悔し、
しつこく追い回すのを止めたようだ。
それから、バハムートも人間界で戦い合う幻獣達の動向が
気になるようでもあった。
一方のラリイは、ウロヴォロからフェニを救い出せたことが、
きっかけで、戦う事へのトラウマを徐々に克服でき、アルゥイントの
支えで、前線で戦うことも出来るようになっていた。
親友と別れてしまった、今のラリイにとって、次に大事な存在は、
エナ姫だったから。
彼女の幸せの為に、ラリイは必死で生きていた。
1年前にエナは、アルヴァト王子と結婚したが、それでも、ラリイの忠誠は変わらない。
アルヴァト王子とも、良好な関係であった。
この戦争が終われば、王子は王に、エナも王妃になる予定だった。
フェニックスは、そんなラリイの生活をただ遠くから見守る。
幻獣である自分が、もう関わってはいけないのだと、少し寂しい気持ちでいながら。
けど、ラリイは少し感じてはいた。
親友がどこかでいつも見てくれている様な気がすると。
そんな戦争も、もう少しで決着がつきそうな段階にきていた。
最近、サドルティスの勢いが弱くなったきたのだ。
噂では、幻獣ラムウがサドルティスを見限ったのでは?と言う話であった。
「フェロニアは、今回の戦いを最後にすべく、ロヴァールと再び協力し、
サドルティスを討ちに行く。長い戦いであったが、これが最終決戦となろう!
皆!今一度!我に力を貸してくれ!」
「おおお!!!」
次期、王になるアルヴァト王子の掛け声にフェロニアの貴族や国民が答える。
アルヴァトは、実力、人柄ともに、フェロニアの民に、すぐに受け入れられていた。
ラリイも、アルヴァト王子なら、エナを託して大丈夫だと、すぐに安心した。
そして、決意する。今度の戦いで、いつ死んでも大丈夫だと。
死ぬ気で、今回の戦いで全てを終わらせようとしていた。
「アルゥイント。これで終わりにしよう。この戦いを。
それで平和になったら・・・お前はまた国で大事にして貰って、
俺は・・・今度は旅にでも出ようかなぁ・・・」
最終決戦の前夜にラリイは、親友が大好きだった料理を並べて、
1人で食べていた。
家族と、他の友人達と一緒に食べれなくもなかった。
むしろ、誘われていたのだが、断った。
今日の夜は、何故だか、フェニの事を思い出して食べたかった。
「あれから、もう2年か。早いな。フェニは元気にしてるんだろうか・・・
人間達は相変わらず、こんな戦争してて・・・フェニから見たら、
さぞ愚かに見えるんだろうなぁ。」
ラリイは、独り言を呟き、フェニの事を想う。
過去に、フェニに言われた事を思い出す。
「憎しみや悲しみは連鎖する。
誰かが犠牲になり、止めない限りは永遠に争いは続くだろう。
そう考える人間が増えなければ、人は無限に互いを恨み合い、
世界は混沌とし続けていくんだろうな。愚かな生き物だ。」
フェニがラリイにそう言い聞かせたのは、自分が人ではなかったからだ。
今思えば、幻獣から見た人間の事を言ったのだろう。
同じ人間なのに、他人事みたいに言うなぁーと思ったラリイは、
フェニがそう言いたくなって仕方がないと思う。
「幻獣から見たら、人間なんて、まだまだ未熟で、愚かなんだろうと思う。
でも、それでも必死に生きて、頑張って、不器用でも、誠実に、
誰かの為に、友情や愛の為に生きてる奴もいるんだって・・・
フェニ・・・お前ならわかってくれたよな?」
ラリイは、遠くにいる親友にそう語りかけた。
返事はもちろんない。
けど、心の中には、フェニが穏やかに笑っている。
「そうだな・・・」
と。自分が望んでいる返事をしてくれる気がしていた。
フェロニア、ロヴァール対サドルティスとの戦争は、まだまだ続いていた。
一時はサドルティスが優勢に思われていたが、大国ロヴァールも、
本格的な戦争が始まって、すぐに有名な幻獣を手に入れたことで、
情勢は変わった。
ロヴァールはリヴァイアサンを手に入れたのだ。
リヴァイアサンは、バハムートの次に強いと噂されている幻獣であり、
その噂通りの強さを見せていた。1体と言えども、ラムウ達と互角に戦っていた。
それにロヴァールは魔法戦でも強い国だ。その強力な魔法は、
リヴァイアサンとも相性が良かったようだ。
フェニックスは、異空間から、時々人間界の様子を見ていた。
ラリイが、どうしているのか、心配だったから。
異空間に戻り、バハムートから、相変わらず、しつこく誘われる事もあるが、
前の様に激しく戦うことはなくなっていた。
バハムートはフェニックスに深手を負わせたことを後悔し、
しつこく追い回すのを止めたようだ。
それから、バハムートも人間界で戦い合う幻獣達の動向が
気になるようでもあった。
一方のラリイは、ウロヴォロからフェニを救い出せたことが、
きっかけで、戦う事へのトラウマを徐々に克服でき、アルゥイントの
支えで、前線で戦うことも出来るようになっていた。
親友と別れてしまった、今のラリイにとって、次に大事な存在は、
エナ姫だったから。
彼女の幸せの為に、ラリイは必死で生きていた。
1年前にエナは、アルヴァト王子と結婚したが、それでも、ラリイの忠誠は変わらない。
アルヴァト王子とも、良好な関係であった。
この戦争が終われば、王子は王に、エナも王妃になる予定だった。
フェニックスは、そんなラリイの生活をただ遠くから見守る。
幻獣である自分が、もう関わってはいけないのだと、少し寂しい気持ちでいながら。
けど、ラリイは少し感じてはいた。
親友がどこかでいつも見てくれている様な気がすると。
そんな戦争も、もう少しで決着がつきそうな段階にきていた。
最近、サドルティスの勢いが弱くなったきたのだ。
噂では、幻獣ラムウがサドルティスを見限ったのでは?と言う話であった。
「フェロニアは、今回の戦いを最後にすべく、ロヴァールと再び協力し、
サドルティスを討ちに行く。長い戦いであったが、これが最終決戦となろう!
皆!今一度!我に力を貸してくれ!」
「おおお!!!」
次期、王になるアルヴァト王子の掛け声にフェロニアの貴族や国民が答える。
アルヴァトは、実力、人柄ともに、フェロニアの民に、すぐに受け入れられていた。
ラリイも、アルヴァト王子なら、エナを託して大丈夫だと、すぐに安心した。
そして、決意する。今度の戦いで、いつ死んでも大丈夫だと。
死ぬ気で、今回の戦いで全てを終わらせようとしていた。
「アルゥイント。これで終わりにしよう。この戦いを。
それで平和になったら・・・お前はまた国で大事にして貰って、
俺は・・・今度は旅にでも出ようかなぁ・・・」
最終決戦の前夜にラリイは、親友が大好きだった料理を並べて、
1人で食べていた。
家族と、他の友人達と一緒に食べれなくもなかった。
むしろ、誘われていたのだが、断った。
今日の夜は、何故だか、フェニの事を思い出して食べたかった。
「あれから、もう2年か。早いな。フェニは元気にしてるんだろうか・・・
人間達は相変わらず、こんな戦争してて・・・フェニから見たら、
さぞ愚かに見えるんだろうなぁ。」
ラリイは、独り言を呟き、フェニの事を想う。
過去に、フェニに言われた事を思い出す。
「憎しみや悲しみは連鎖する。
誰かが犠牲になり、止めない限りは永遠に争いは続くだろう。
そう考える人間が増えなければ、人は無限に互いを恨み合い、
世界は混沌とし続けていくんだろうな。愚かな生き物だ。」
フェニがラリイにそう言い聞かせたのは、自分が人ではなかったからだ。
今思えば、幻獣から見た人間の事を言ったのだろう。
同じ人間なのに、他人事みたいに言うなぁーと思ったラリイは、
フェニがそう言いたくなって仕方がないと思う。
「幻獣から見たら、人間なんて、まだまだ未熟で、愚かなんだろうと思う。
でも、それでも必死に生きて、頑張って、不器用でも、誠実に、
誰かの為に、友情や愛の為に生きてる奴もいるんだって・・・
フェニ・・・お前ならわかってくれたよな?」
ラリイは、遠くにいる親友にそう語りかけた。
返事はもちろんない。
けど、心の中には、フェニが穏やかに笑っている。
「そうだな・・・」
と。自分が望んでいる返事をしてくれる気がしていた。