プロローグ
カミーラは、再度、ある書面を見ながら、間違いがないようにと、
それを確認しながら報告を始める。
「フェンリルス国の王である、ムーン王が2日程前に亡くなられました。
それで、セルディアス王子が即位され、王になられたのですが・・・」
「ムーン王が・・・残念なことだ。それで早速問題があったのか?」
「はい。セルディアス王は、自国の領土などを広げる為に、積極的に
戦争などをすると、貴族達の前に宣言されたそうです。」
「あいつ・・・そんな物騒な事を・・・」
「セルディアス王は、若いからなぁ・・・自分の王としての力量を、
自国の貴族達に見せたかったんじゃないのか?」
カミーラの報告に、ネイルとベアードがそれぞれに意見を言う。
「それで?貴族達も、戦争をすることに乗り気なのか?」
ネイルは一番心配な事をカミーラに聞いた。
いくら王が1人で、その気であっても、多くの貴族が賛成しなければ、
戦争などにはならない。
王と言えども1人だけでは、出来ることではないのだ。
戦争するには最低限貴族の半数以上の意見が一致しなければならない。
「私の調べによるとですが、半々と言ったところのようです。
前王のムーン様は、平和主義な方だった為、無駄な争いはしない方でしたが、
それに不満を持つ、若い世代の貴族達は、今回のセルディアス王の意見に
ほぼ賛成しているみたいです。」
「最悪な状態だな。そしたら、今後は前王に忠誠を誓っていた貴族が減ったら、
ますます戦争などに賛成派が増えるってことか・・・」
カミーラの話を聞いて、ベアードがかなり苦い顔をする。
ネイルも、ベアードと同じ気持ちだった。
セルディアスも、まだ20代で自分と同じ若さだ。
そして、昔からネイルと相性が最高に悪い。
更に過去にラリイを巡って争った仲でもあり、ラリイはネイルと結婚したと、
知っているにも関わらず、未だにラリイを狙っているのでは?と
言う、嫌な噂さえあった。
だからネイルがセルディアスを許す気には到底なれないのだ。
その所為もあり、今後ドラゴネス国と更に関係が悪化しそうなのは、
誰の目から見てもわかることだろう。
「そうなると・・・あいつの事だから、いずれは、このドラゴネス国にも、
何か仕掛けてくるんだろうな。」
「そうですね。まだ、それが何かまでは判断出来ませんが、
緊迫した嫌な状態が前よりもしばらく続きそうなのは明白かと。」
「あいつの事だ。またラリイに何かするかもしれないし、
俺達の子供達にも悪意を向けてくるだろうな。」
「だろうな・・・俺からこんな事は言いたくねぇーけどよ。
ネイル達の子供達は、俺達、このドラゴネス国の平和な未来へ象徴だ。
それをいずれは失わせるのが目的そうだよな・・・
そうなればドラゴネス国は、また波乱のある国に逆戻りだ。」
「ベアードの言う事も一理ありますね。
我が国の大事な象徴をまず壊せば、フェンリルス国は我が国を、
快く思っていない国や貴族にも、
見直されることになるでしょう。
フェンリルス国の新しい王はドラゴネス国と戦えるだけの力が、
また戻ってきたのだとね。」
「クソ。そうなってたまるか!どうにか阻止しなければだな!」
「おう!安心しろネイル!俺もカミーラも全力で防ぐさ!
ネラ王子にラエ王女は俺達の希望の星だからな!
敵の手でみすみす失ってたまるかってんだ!」
「ですね。やっと出来たネイル夫妻の子供達です。
ラリイ王妃の祖国であるフェニキアの王である、
フェルオリア王とアディリス王子も全面的に支援して下さることでしょう。
フェルオリア王は何よりも孫である、ネラ王子達を大事にしてくれてますから。」
「だな。義父上の気持ちはいつも有難いかぎりだ。
義兄上も今では俺にとっては良き先輩でもある。」
ネイル達は意見を一致させて、今後の事に備える為に話し合いを加速させていく。
自国の防衛面から、他の国との関係性も見直し、ネイル達は他の国と、
もっと交流を図り、いざと言う時に助けてくれる国を増やそうと言う事になった。
長い話し合いの後、ネイルは大事な二人の部下に檄を飛ばす。
「国と民、ラリイと子供達は絶対に俺が守っていく!ベアード、カミーラ。
これからもよろしく頼むぞ!」
「おう!任せろ!ネイル!」
「お任せ下さい。ネイル。」
ネイルの言葉に応じて、ベアードとカミーラは力強く頷いて見せた。
ネイルは心から2人に出会えたことを感謝していた。
今は亡き両親の思いやりが、どれだけ自分を救ってくれることになったか。
ネイルは自分も同じように、自分の子供達に出来る限りのモノを残してやろうと決意した。
それからベアードやカミーラの子供達にだって幸せになって欲しいと考えている。
ネイルにとってはベアードにカミーラも大事な家族の一員なのだから。
それを確認しながら報告を始める。
「フェンリルス国の王である、ムーン王が2日程前に亡くなられました。
それで、セルディアス王子が即位され、王になられたのですが・・・」
「ムーン王が・・・残念なことだ。それで早速問題があったのか?」
「はい。セルディアス王は、自国の領土などを広げる為に、積極的に
戦争などをすると、貴族達の前に宣言されたそうです。」
「あいつ・・・そんな物騒な事を・・・」
「セルディアス王は、若いからなぁ・・・自分の王としての力量を、
自国の貴族達に見せたかったんじゃないのか?」
カミーラの報告に、ネイルとベアードがそれぞれに意見を言う。
「それで?貴族達も、戦争をすることに乗り気なのか?」
ネイルは一番心配な事をカミーラに聞いた。
いくら王が1人で、その気であっても、多くの貴族が賛成しなければ、
戦争などにはならない。
王と言えども1人だけでは、出来ることではないのだ。
戦争するには最低限貴族の半数以上の意見が一致しなければならない。
「私の調べによるとですが、半々と言ったところのようです。
前王のムーン様は、平和主義な方だった為、無駄な争いはしない方でしたが、
それに不満を持つ、若い世代の貴族達は、今回のセルディアス王の意見に
ほぼ賛成しているみたいです。」
「最悪な状態だな。そしたら、今後は前王に忠誠を誓っていた貴族が減ったら、
ますます戦争などに賛成派が増えるってことか・・・」
カミーラの話を聞いて、ベアードがかなり苦い顔をする。
ネイルも、ベアードと同じ気持ちだった。
セルディアスも、まだ20代で自分と同じ若さだ。
そして、昔からネイルと相性が最高に悪い。
更に過去にラリイを巡って争った仲でもあり、ラリイはネイルと結婚したと、
知っているにも関わらず、未だにラリイを狙っているのでは?と
言う、嫌な噂さえあった。
だからネイルがセルディアスを許す気には到底なれないのだ。
その所為もあり、今後ドラゴネス国と更に関係が悪化しそうなのは、
誰の目から見てもわかることだろう。
「そうなると・・・あいつの事だから、いずれは、このドラゴネス国にも、
何か仕掛けてくるんだろうな。」
「そうですね。まだ、それが何かまでは判断出来ませんが、
緊迫した嫌な状態が前よりもしばらく続きそうなのは明白かと。」
「あいつの事だ。またラリイに何かするかもしれないし、
俺達の子供達にも悪意を向けてくるだろうな。」
「だろうな・・・俺からこんな事は言いたくねぇーけどよ。
ネイル達の子供達は、俺達、このドラゴネス国の平和な未来へ象徴だ。
それをいずれは失わせるのが目的そうだよな・・・
そうなればドラゴネス国は、また波乱のある国に逆戻りだ。」
「ベアードの言う事も一理ありますね。
我が国の大事な象徴をまず壊せば、フェンリルス国は我が国を、
快く思っていない国や貴族にも、
見直されることになるでしょう。
フェンリルス国の新しい王はドラゴネス国と戦えるだけの力が、
また戻ってきたのだとね。」
「クソ。そうなってたまるか!どうにか阻止しなければだな!」
「おう!安心しろネイル!俺もカミーラも全力で防ぐさ!
ネラ王子にラエ王女は俺達の希望の星だからな!
敵の手でみすみす失ってたまるかってんだ!」
「ですね。やっと出来たネイル夫妻の子供達です。
ラリイ王妃の祖国であるフェニキアの王である、
フェルオリア王とアディリス王子も全面的に支援して下さることでしょう。
フェルオリア王は何よりも孫である、ネラ王子達を大事にしてくれてますから。」
「だな。義父上の気持ちはいつも有難いかぎりだ。
義兄上も今では俺にとっては良き先輩でもある。」
ネイル達は意見を一致させて、今後の事に備える為に話し合いを加速させていく。
自国の防衛面から、他の国との関係性も見直し、ネイル達は他の国と、
もっと交流を図り、いざと言う時に助けてくれる国を増やそうと言う事になった。
長い話し合いの後、ネイルは大事な二人の部下に檄を飛ばす。
「国と民、ラリイと子供達は絶対に俺が守っていく!ベアード、カミーラ。
これからもよろしく頼むぞ!」
「おう!任せろ!ネイル!」
「お任せ下さい。ネイル。」
ネイルの言葉に応じて、ベアードとカミーラは力強く頷いて見せた。
ネイルは心から2人に出会えたことを感謝していた。
今は亡き両親の思いやりが、どれだけ自分を救ってくれることになったか。
ネイルは自分も同じように、自分の子供達に出来る限りのモノを残してやろうと決意した。
それからベアードやカミーラの子供達にだって幸せになって欲しいと考えている。
ネイルにとってはベアードにカミーラも大事な家族の一員なのだから。
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