プロローグ
様々な獣人達が住む世界が異世界のどこかにあった。
竜人、鳥人、狼人、兎人、猫人などなど、その世界では人と言うと
獣人になる。
その中でも、竜人族が治める、大国のドラゴネス国は、どの国よりも
領土が広く、戦力も高く、そこを治める王は歴代の中でもかなり残酷だと過去に噂されていた。
ドラゴネス国と戦って、勝てる国はなしとさえ言われた時もあったが、
今はもうすっかり過去の話である。
今代の王であるネイル王は、小さい国フェニキアの王女である、
ラリイ王女を娶ってから、ドラゴネス国の評判は、良いものに一気に変わった。
大国でありながら、寛大な国であると。
それに多国とも交流が広く、過去に因縁があった、フェニキアや
大教会とも、関係を改善し繋がりをしっかり保つ国になった。
それから、ネイル王とラリイ王妃の間には、2人の子供がおり、
その子供達は、ドラゴネス国の始祖の生まれ変わりとして、
貴族や国民からも大事にされていた。
ドラゴネス国は、新たなる繁栄を約束され、現在は最も平和な時代を過ごしていた。
「ラリイ、ただいま。」
「おかえり、ネイル!」
「パパー♪」
「お?何だ、ラエ?いい子にしていたか?」
ネイルは仕事が終わり、城の中で、家族が過ごす為の部屋に戻ってきていた。
そこには、妻をはじめ、子供2人が楽しそうにしていたが、
父が帰って来たのを知ると、下の女の子のラエが嬉しそうに、
ネイルに飛びついた。
ネイルも嬉しそうに、娘を抱っこする。ラエは2人の2番目の子で、女の子だ。
外見は、ややラリイに似ている。ラリイよりも、薄いピンク色の
髪に、薄紫の瞳をした元気な女の子だ。
女の子なのもあってか、ラエは父親のネイルが大好きである。
いつも、暇があれば、ネイルに甘える子だった。
「うふふ、ラエちゃんったら、本当にネイルが大好きなんだから♪」
「ラエばっかり、ズルい!僕も!」
「あらあら、はいはい♪」
「そういうネラは、相変わらず、ラリイに甘えん坊だな。」
「そうだね、うふふ♪」
ネラは、ラエに嫉妬して、自分は母に甘えるのだとばかりに、
ラリイにしがみつき存分に甘える。
2人の子供を持った、ネイルもラリイも実に幸せな生活を過ごしていた。
「やれやれ、ネラはいずれは王になるって言うのに、
そんな甘えん坊でいいやら。」
「まだ、5歳だもん。甘えたい年頃だよ。ね?」
「ママー大好き♪チュッ♪」
「あら♪有難うネラちゃん!ママも大好きだよ♪チュ♪」
「くっ・・・ネラの奴・・・ちゃっかりと・・・」
ネイルはネラが妻のラリイと頬でキスを交わし合うを見て、いつも少し嫉妬する。
ラリイはそれをわかっているから、ネラをやんわり庇う。
ネラは子供らしく、無邪気にラリイの胸に甘えているが、どうも、
それがネイルには悔しいらしい。
だが、今はそんなネイルを見て、3歳の娘のラエはネイルの頬に
嬉しそうに、キスをする。
「ラエもパパ大好き♪」
「ラエ・・・パパもお前が大事だよ。」
ネイルは娘の無邪気な笑顔にそう言われて、照れる。
ラリイは、それを見て、嬉しい気持ちになる。
家族で、こうして日々過ごせることが、どれだけ幸せなのか、
いつも感謝していた。
国も、それを治めるドラゴネス家も皆、平和であった。
「ネイル、大変です!!!」
「うん?どうしたカミーラ?」
そんな平和に過ごしていた、ラリイ達の元に、ネイルの片腕であり、
重臣の1人であるカミーラが深刻そうな顔で、ある報告をしに、
飛び込んで来た。こんな事は、久しぶりな事である。
ラリイは、この時、何か嫌なものを感じずにはいられなかった。
いつもは、冷静沈着で、ネイルを支えている、あのカミーラが
あんな顔をするのだから、余程の報告だろう。
どうにか、大事になるような、事件などではないことを、
ラリイはネラをしっかり抱いて、心から願った。
「ラエ・・・ママのとこに行くんだ。」
「パパ・・・」
「ラリイ、頼む。ちょっと政務室に行ってくる。」
「うん!わかった!さぁ、ラエちゃん!ママのとこにおいで!」
「うん・・・」
ネイルは、ラエを床に下ろして、カミーラと政務室に行く。
ラエは渋々と、ネイルから離れて、ラリイと一緒に父親を見送る。
ネラも、黙ってはいるが、父親を後ろ姿をしっかりと見ていた。
子供達はしっかり、父親らしくなったネイルを見ていたのだ。
ラリイは、不安な気持ちもあったが、そんな子供達を見て、
気が引き締まる思いでもあった。
「いざって時は、私もしっかり子供達を守らなきゃ・・・」
ネイルが王として、国を民をしっかり守ってる間は、ラリイも母として、
子供達をしっかり守らなければならない。
次世代の国を守っていく子達なのだから。
「ネイル・・・無理しないでね・・・」
ラリイは今はただ、子供達と一緒に、ネイルの帰りをまた待つことにした。
ネイルが政務室に着き、部屋に入ると、
そこには更に深刻そうな顔をしたベアードが座っていた。
ネイルのもう1人の重臣にして、兄的存在で、国の防衛の要の存在である。
そのベアードでさえ、あの顔なのだから、余程の事態が
起きてしまったのかと、ネイルも不安になった。
3人が顔を合わせ、カミーラが報告を開始した。
竜人、鳥人、狼人、兎人、猫人などなど、その世界では人と言うと
獣人になる。
その中でも、竜人族が治める、大国のドラゴネス国は、どの国よりも
領土が広く、戦力も高く、そこを治める王は歴代の中でもかなり残酷だと過去に噂されていた。
ドラゴネス国と戦って、勝てる国はなしとさえ言われた時もあったが、
今はもうすっかり過去の話である。
今代の王であるネイル王は、小さい国フェニキアの王女である、
ラリイ王女を娶ってから、ドラゴネス国の評判は、良いものに一気に変わった。
大国でありながら、寛大な国であると。
それに多国とも交流が広く、過去に因縁があった、フェニキアや
大教会とも、関係を改善し繋がりをしっかり保つ国になった。
それから、ネイル王とラリイ王妃の間には、2人の子供がおり、
その子供達は、ドラゴネス国の始祖の生まれ変わりとして、
貴族や国民からも大事にされていた。
ドラゴネス国は、新たなる繁栄を約束され、現在は最も平和な時代を過ごしていた。
「ラリイ、ただいま。」
「おかえり、ネイル!」
「パパー♪」
「お?何だ、ラエ?いい子にしていたか?」
ネイルは仕事が終わり、城の中で、家族が過ごす為の部屋に戻ってきていた。
そこには、妻をはじめ、子供2人が楽しそうにしていたが、
父が帰って来たのを知ると、下の女の子のラエが嬉しそうに、
ネイルに飛びついた。
ネイルも嬉しそうに、娘を抱っこする。ラエは2人の2番目の子で、女の子だ。
外見は、ややラリイに似ている。ラリイよりも、薄いピンク色の
髪に、薄紫の瞳をした元気な女の子だ。
女の子なのもあってか、ラエは父親のネイルが大好きである。
いつも、暇があれば、ネイルに甘える子だった。
「うふふ、ラエちゃんったら、本当にネイルが大好きなんだから♪」
「ラエばっかり、ズルい!僕も!」
「あらあら、はいはい♪」
「そういうネラは、相変わらず、ラリイに甘えん坊だな。」
「そうだね、うふふ♪」
ネラは、ラエに嫉妬して、自分は母に甘えるのだとばかりに、
ラリイにしがみつき存分に甘える。
2人の子供を持った、ネイルもラリイも実に幸せな生活を過ごしていた。
「やれやれ、ネラはいずれは王になるって言うのに、
そんな甘えん坊でいいやら。」
「まだ、5歳だもん。甘えたい年頃だよ。ね?」
「ママー大好き♪チュッ♪」
「あら♪有難うネラちゃん!ママも大好きだよ♪チュ♪」
「くっ・・・ネラの奴・・・ちゃっかりと・・・」
ネイルはネラが妻のラリイと頬でキスを交わし合うを見て、いつも少し嫉妬する。
ラリイはそれをわかっているから、ネラをやんわり庇う。
ネラは子供らしく、無邪気にラリイの胸に甘えているが、どうも、
それがネイルには悔しいらしい。
だが、今はそんなネイルを見て、3歳の娘のラエはネイルの頬に
嬉しそうに、キスをする。
「ラエもパパ大好き♪」
「ラエ・・・パパもお前が大事だよ。」
ネイルは娘の無邪気な笑顔にそう言われて、照れる。
ラリイは、それを見て、嬉しい気持ちになる。
家族で、こうして日々過ごせることが、どれだけ幸せなのか、
いつも感謝していた。
国も、それを治めるドラゴネス家も皆、平和であった。
「ネイル、大変です!!!」
「うん?どうしたカミーラ?」
そんな平和に過ごしていた、ラリイ達の元に、ネイルの片腕であり、
重臣の1人であるカミーラが深刻そうな顔で、ある報告をしに、
飛び込んで来た。こんな事は、久しぶりな事である。
ラリイは、この時、何か嫌なものを感じずにはいられなかった。
いつもは、冷静沈着で、ネイルを支えている、あのカミーラが
あんな顔をするのだから、余程の報告だろう。
どうにか、大事になるような、事件などではないことを、
ラリイはネラをしっかり抱いて、心から願った。
「ラエ・・・ママのとこに行くんだ。」
「パパ・・・」
「ラリイ、頼む。ちょっと政務室に行ってくる。」
「うん!わかった!さぁ、ラエちゃん!ママのとこにおいで!」
「うん・・・」
ネイルは、ラエを床に下ろして、カミーラと政務室に行く。
ラエは渋々と、ネイルから離れて、ラリイと一緒に父親を見送る。
ネラも、黙ってはいるが、父親を後ろ姿をしっかりと見ていた。
子供達はしっかり、父親らしくなったネイルを見ていたのだ。
ラリイは、不安な気持ちもあったが、そんな子供達を見て、
気が引き締まる思いでもあった。
「いざって時は、私もしっかり子供達を守らなきゃ・・・」
ネイルが王として、国を民をしっかり守ってる間は、ラリイも母として、
子供達をしっかり守らなければならない。
次世代の国を守っていく子達なのだから。
「ネイル・・・無理しないでね・・・」
ラリイは今はただ、子供達と一緒に、ネイルの帰りをまた待つことにした。
ネイルが政務室に着き、部屋に入ると、
そこには更に深刻そうな顔をしたベアードが座っていた。
ネイルのもう1人の重臣にして、兄的存在で、国の防衛の要の存在である。
そのベアードでさえ、あの顔なのだから、余程の事態が
起きてしまったのかと、ネイルも不安になった。
3人が顔を合わせ、カミーラが報告を開始した。
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