エピローグ
「ラリイ。さっきの話は、しばらくはネイルには内緒じゃぞ?」
ネフィリ―トは、話もほぼ終わり、ラリイが部屋から、出ようとした際に言った。
今は2人だけの秘密にしたいらしい。
「何故ですか?」
ラリイは不思議そうにネフィリートを見つめる。
ネフィリートは照れ臭そうにラリイを見返す。
「まだ、ネイルに聞かせるのは恥ずかしいんじゃよ。わしはな、
ラリイ?ネイルを守る為に、あえて、ネイルを突き放し、興味のない振りを
して来たんじゃ。わしが全面的にネイルを大事にしてるとわかると、
厄介な存在が自他国に居たからのぉ。」
「そ、そうだったんですね・・・」
ラリイはネフィリートのその言葉を聞いて、過去のゴートレスを思い出した。
ネイルが若い分、蹴落とそうとする存在が多かったのだろう。
つまりは、そうした存在を油断させる為に、ネフィリートは、
今まで、ネイルに厳しくしていたと言う事だろう。
「今はラリイと言う心強い存在も出来、王としての自覚もしっかりした。
近いうちには、父にもなるのじゃろう。そのうち、わしも、
自分の役目から解放された時には、ネイルに素直に接しようと思うのじゃ。
だから、それまでは内緒にしておいておくれ?よいな?」
「わかりました!絶対に言いません!」
「ほっほっほ!良い返事が聞けて安心じゃ。では、ラリイ。またの。」
「はい!ネフィリート様!お邪魔しました!」
ラリイは元気よくお辞儀をして、ネフィリートの部屋に出た。
「ネイルは、あんなにも深くネフィリート様に愛されてたんだ。
羨ましいなぁ・・・うふふ。」
ラリイは顔がニヤニヤしてしまうのを我慢出来ずに、
自分の部屋に戻ろうとしていた。
「ラ、ラリイ!大変だ!!!」
「え?」
いきなり、ネイルに廊下で声を掛けられ、ラリイは驚いて振り向く。
「ど、どうしたの?ネイル?」
「いいから、ちょっと俺の部屋に来てくれ!」
「う、うん・・・」
わけも言わず、ネイルはラリイを引っ張って自分の部屋に招き入れた。
ネイルの部屋のテーブルには、少し大きめの箱があり、ネイルは
箱の前でラリイを手招きして呼び寄せた。
「ラリイ・・・この箱の中身・・・見てみ?」
「え?どれどれ?」
ラリイはネイルに促されるままに、箱の中身を確認する。
「え?嘘?これ、ウサちゃんシリーズ?しかも、これって・・・」
ラリイは2体いる、うさぎのぬいぐるみをしっかりと何度も見た。
その姿は、どう見ても、ラリイ達がドラゴネス国で結婚した時の結婚衣装で、男の子のウサちゃんはネイルっぽく、女の子の方のウサちゃんはラリイっぽく見えた。
「ネイル・・・これって?」
ラリイはあんまりにも可愛い、2体のうさぎのぬいぐるみを見て、ネイルに嬉しそうな顔で尋ねる。
ネイルも少し照れ臭そうな顔をして、ラリイに説明する。
「実は、ついさっき届いたんだが、ウサちゃんシリーズの作者から、
俺達の結婚祝いにってくれたらしい・・・。」
「ええ?!あの作者さんから?!」
「うん。驚くよな・・・俺も驚いてる・・・」
ラリイとネイルは互いの顔を見合わせて、何度も、2体のウサちゃんを確認する。
「どうして、突然、プレゼントしてくれたんだろう?」
「あ、後、この手紙が入ってた。」
不思議がるラリイに、ネイルはある手紙を渡す。
ラリイはその手紙を受け取り、中身を確認した。
「あ・・・」
ラリイは手紙の中身を見て、自分がある手紙を、ウサちゃん
シリーズの作者に送っていたことを思い出した。
手紙の内容なこんな感じだ。
「ラリイ王妃様。
この度は、ドラゴネス国の王、ネイル様とのご結婚おめでとうございます。
まさか、過去に私がフェニ様に差し上げた、あのぬいぐるみが、
お2人の出逢うきっかけになったと、お手紙で知り、
嬉しさのあまり、お祝いにお2人の結婚式姿を模した、
ウサちゃんを作ってみました。フェニ様には、私も昔かなりお世話に
なったことがあり、それで、あのうさぎのぬいぐるみをお礼に
作ったのですが、こうした縁で再び巡り合う事が出来たことを
心から嬉しく思います。いつか、お許し頂けるのでしたら、
フェニ様に差し上げた、あの子と、再開させて頂けたら
幸いです。ご夫婦でこれからも、ずっとお幸せに。
それから、いつも、ファンで居て頂いて感謝しております。」
と、書かれていた。
ラリイが手紙を読み終わった頃には、ネイルはラリイをじっと見ていた。
「ラリイ・・・お前・・・作者にそんな手紙出してたのか?」
ネイルは少し責める口調でラリイを問い詰めた。
ネイルからしたら、相当恥ずかしいのだろう。
まさか、ラリイが2人の馴れ初めをウサちゃんシリーズの作者に
手紙でバラすとは夢にも思わなかったようだ。
「ご、ごめん!だって、フェニおばちゃまから貰った、
あのウサちゃんに久しぶりに逢ったら、何か作者さんに
どうしてもお礼を言いたくて・・・
それにネイルと結婚出来て、本当に嬉しかったから・・・
つい・・・お手紙出しちゃったの・・・」
ラリイは恥ずかしさと、ネイルに怒られてしまったのとで、
何とも言えない、複雑な顔で、作者からの手紙を握りしめていた。
「はぁ・・・全く、ラリイはいつも凄いな・・・」
ネイルはわざとらしく溜息をついてから、静かに笑って、ラリイの頬にキスをする。
「ネイル・・・怒った?」
ラリイは不安そうにネイルを見つめる。
ネイルは優しい笑顔でラリイを見る。その顔は怒ってなどいなかった。
「最初は、俺に内緒でそんな手紙を勝手に出した事はちょっと怒った。
でも、おかげで、こんなに素敵な贈り物を貰えたことは、俺もすげー嬉しいし、このウサちゃんは俺達の今後の大事な宝物になるんだと思ったら、逆にラリイに感謝したくなったよ。有難うな、ラリイ。」
「ネイル!許してくれて、こっちこそ!有難う!」
ラリイはネイルの優しさが嬉しくて、ネイルにしがみついていた。
ネイルはやれやれと言った態度であったが、内心は嬉しそうに、
ラリイをしっかりと抱きしめていた。
2体の結婚式姿のウサちゃん夫婦も、可愛い笑顔で
2人を見守っていた。
ネフィリ―トは、話もほぼ終わり、ラリイが部屋から、出ようとした際に言った。
今は2人だけの秘密にしたいらしい。
「何故ですか?」
ラリイは不思議そうにネフィリートを見つめる。
ネフィリートは照れ臭そうにラリイを見返す。
「まだ、ネイルに聞かせるのは恥ずかしいんじゃよ。わしはな、
ラリイ?ネイルを守る為に、あえて、ネイルを突き放し、興味のない振りを
して来たんじゃ。わしが全面的にネイルを大事にしてるとわかると、
厄介な存在が自他国に居たからのぉ。」
「そ、そうだったんですね・・・」
ラリイはネフィリートのその言葉を聞いて、過去のゴートレスを思い出した。
ネイルが若い分、蹴落とそうとする存在が多かったのだろう。
つまりは、そうした存在を油断させる為に、ネフィリートは、
今まで、ネイルに厳しくしていたと言う事だろう。
「今はラリイと言う心強い存在も出来、王としての自覚もしっかりした。
近いうちには、父にもなるのじゃろう。そのうち、わしも、
自分の役目から解放された時には、ネイルに素直に接しようと思うのじゃ。
だから、それまでは内緒にしておいておくれ?よいな?」
「わかりました!絶対に言いません!」
「ほっほっほ!良い返事が聞けて安心じゃ。では、ラリイ。またの。」
「はい!ネフィリート様!お邪魔しました!」
ラリイは元気よくお辞儀をして、ネフィリートの部屋に出た。
「ネイルは、あんなにも深くネフィリート様に愛されてたんだ。
羨ましいなぁ・・・うふふ。」
ラリイは顔がニヤニヤしてしまうのを我慢出来ずに、
自分の部屋に戻ろうとしていた。
「ラ、ラリイ!大変だ!!!」
「え?」
いきなり、ネイルに廊下で声を掛けられ、ラリイは驚いて振り向く。
「ど、どうしたの?ネイル?」
「いいから、ちょっと俺の部屋に来てくれ!」
「う、うん・・・」
わけも言わず、ネイルはラリイを引っ張って自分の部屋に招き入れた。
ネイルの部屋のテーブルには、少し大きめの箱があり、ネイルは
箱の前でラリイを手招きして呼び寄せた。
「ラリイ・・・この箱の中身・・・見てみ?」
「え?どれどれ?」
ラリイはネイルに促されるままに、箱の中身を確認する。
「え?嘘?これ、ウサちゃんシリーズ?しかも、これって・・・」
ラリイは2体いる、うさぎのぬいぐるみをしっかりと何度も見た。
その姿は、どう見ても、ラリイ達がドラゴネス国で結婚した時の結婚衣装で、男の子のウサちゃんはネイルっぽく、女の子の方のウサちゃんはラリイっぽく見えた。
「ネイル・・・これって?」
ラリイはあんまりにも可愛い、2体のうさぎのぬいぐるみを見て、ネイルに嬉しそうな顔で尋ねる。
ネイルも少し照れ臭そうな顔をして、ラリイに説明する。
「実は、ついさっき届いたんだが、ウサちゃんシリーズの作者から、
俺達の結婚祝いにってくれたらしい・・・。」
「ええ?!あの作者さんから?!」
「うん。驚くよな・・・俺も驚いてる・・・」
ラリイとネイルは互いの顔を見合わせて、何度も、2体のウサちゃんを確認する。
「どうして、突然、プレゼントしてくれたんだろう?」
「あ、後、この手紙が入ってた。」
不思議がるラリイに、ネイルはある手紙を渡す。
ラリイはその手紙を受け取り、中身を確認した。
「あ・・・」
ラリイは手紙の中身を見て、自分がある手紙を、ウサちゃん
シリーズの作者に送っていたことを思い出した。
手紙の内容なこんな感じだ。
「ラリイ王妃様。
この度は、ドラゴネス国の王、ネイル様とのご結婚おめでとうございます。
まさか、過去に私がフェニ様に差し上げた、あのぬいぐるみが、
お2人の出逢うきっかけになったと、お手紙で知り、
嬉しさのあまり、お祝いにお2人の結婚式姿を模した、
ウサちゃんを作ってみました。フェニ様には、私も昔かなりお世話に
なったことがあり、それで、あのうさぎのぬいぐるみをお礼に
作ったのですが、こうした縁で再び巡り合う事が出来たことを
心から嬉しく思います。いつか、お許し頂けるのでしたら、
フェニ様に差し上げた、あの子と、再開させて頂けたら
幸いです。ご夫婦でこれからも、ずっとお幸せに。
それから、いつも、ファンで居て頂いて感謝しております。」
と、書かれていた。
ラリイが手紙を読み終わった頃には、ネイルはラリイをじっと見ていた。
「ラリイ・・・お前・・・作者にそんな手紙出してたのか?」
ネイルは少し責める口調でラリイを問い詰めた。
ネイルからしたら、相当恥ずかしいのだろう。
まさか、ラリイが2人の馴れ初めをウサちゃんシリーズの作者に
手紙でバラすとは夢にも思わなかったようだ。
「ご、ごめん!だって、フェニおばちゃまから貰った、
あのウサちゃんに久しぶりに逢ったら、何か作者さんに
どうしてもお礼を言いたくて・・・
それにネイルと結婚出来て、本当に嬉しかったから・・・
つい・・・お手紙出しちゃったの・・・」
ラリイは恥ずかしさと、ネイルに怒られてしまったのとで、
何とも言えない、複雑な顔で、作者からの手紙を握りしめていた。
「はぁ・・・全く、ラリイはいつも凄いな・・・」
ネイルはわざとらしく溜息をついてから、静かに笑って、ラリイの頬にキスをする。
「ネイル・・・怒った?」
ラリイは不安そうにネイルを見つめる。
ネイルは優しい笑顔でラリイを見る。その顔は怒ってなどいなかった。
「最初は、俺に内緒でそんな手紙を勝手に出した事はちょっと怒った。
でも、おかげで、こんなに素敵な贈り物を貰えたことは、俺もすげー嬉しいし、このウサちゃんは俺達の今後の大事な宝物になるんだと思ったら、逆にラリイに感謝したくなったよ。有難うな、ラリイ。」
「ネイル!許してくれて、こっちこそ!有難う!」
ラリイはネイルの優しさが嬉しくて、ネイルにしがみついていた。
ネイルはやれやれと言った態度であったが、内心は嬉しそうに、
ラリイをしっかりと抱きしめていた。
2体の結婚式姿のウサちゃん夫婦も、可愛い笑顔で
2人を見守っていた。