第十一章「家族」
「さぁさぁーラリイちゃん遠慮しないで♪ここが私の部屋♪」
「は、はい!失礼します!」
メディーナは、さっさとラリイを城から連れ出し、自分の実家の屋敷、
カミーラの実家でもある屋敷の自室にラリイを連れて来ていた。
ネビィルには、ラリイに1日みっちりと王妃とは何か?を教え込むと
嘘をついて連れ出すことに成功していた。
「ラリイちゃん・・・ここなら、あのメイド達も居ないし、
ラリイちゃんに悪い事をする奴なんて居ないから・・・
だから、正直に色々お話して?」
メディーナは優しい笑顔でラリイに言った。
ラリイは、メディーナにそう言われて、一気に涙目になり、
メディーナに抱きついて泣いてしまった。
久しぶりに誰かに優しくして貰って、ラリイは気持ちを
抑えることが出来なくなってしまった。
メディーナは、そんなラリイを慰めるように、ラリイの頭を
ナデナデしていた。
「やっぱりね!あの子は、いつか、そういうことするんじゃないかって
心配だったのよね!!!」
ラリイから色々聞いたメディーナは、自分の事の様に怒った。
メディーナが言うには、メイドの1人にかなり気になっていた
存在が居たらしい。
「その子はメイドでもあるけど、ある貴族の末っ子なのよ。
で、ネイルのお気に入りのメイドでもあるって自覚が本人に
あるみたいで、だから、ラリイちゃんに嫉妬して、いつか意地悪
とかするんじゃないかって思ってたのよね・・・」
「そうだったんですか・・・」
その話を聞いて、ラリイは少し思い当たる節があった。
「あんな王女様が居なきゃ・・・私が・・・」
と意味深な言葉を言って、自分を憎らしそうに見ていたのを思い出したのだ。
なんで思いつかなかったのだろうか。
ネイルも王なのだから、ネイルに気に入られようとする
女子がいつも側に居たって全然おかしくないのだ。
なのに、ラリイはその事を考えられないくらい、新婚に
浮かれていたのだろう。
ラリイを疎ましいと思ってる存在からすれば、尚更妬ましかったに違いない。
「でも、私も悪かったんです。新婚で浮かれてたから・・・」
「そんな・・・ラリイちゃんは何も悪くないよ!」
「けど・・・」
「私はラリイちゃんが一生懸命に頑張る子だって知ってる!
他人の為に、他種族も関係なく、いつも頑張る歌姫。
私ね?ラリイちゃんのそういう姿を見て、救われたんだよ?」
「え?」
「ラリイちゃんは忘れちゃったかもしれないけど、私が、
どうしようもなく悲しかった時に、ラリイちゃんは、辛そうに
してた私に微笑んで、花をくれたんだよ?どうぞって。」
「え?私がメディーナお姉様に?」
「うん。で、後で知ったの、あんなに笑顔だった、あの時のラリイちゃんは、
お母様を亡くされて、すぐだったって。」
「あ・・・」
ラリイはメディーナにその話を聞いて、少しだけ思い出せた気がした。
母が亡くなってすぐに、自分の国で母を弔う為に歌を歌った日を。
そこで数人かに、花をあげたことを。
「あの時、メディーナお姉様来てくれてたんですね。」
「うん。でも、ごめんね。最初は嫌々だったの・・・
親の言いつけで、仕方がなく行ってたの。」
「その頃は、メディーナお姉様も鳥人がお嫌いだったんですか?」
「そう、ラリイちゃんの言う通り。カミーラにも聞いたと思うけど、私達の一族は、フェニ様を恨んでいると思ってたからね。
私もおじい様好きだったから、かなりね。」
「そうですよね・・・」
「でも、安心して!今はそんなこと、これっぽっちも思ってないから!
むしろ、今はラリイちゃんの事大好きよ♪」
「メディーナお姉様ったら・・・」
眩しいほどの笑顔で大好きと言われて、ラリイは顔を真っ赤にする。
けど、これほどまで、心強い味方が出来たことが、ラリイは嬉しかった。
ラリイは将来の子供の事もメディーナにはすっかり話した。
その所為か、ラリイは安心したのか、眠くなってしまい、メディーナに謝りながら、寝てしまった。
メディーナはその話もラリイから聞いて、ますます、一部のメイドの虐めが深刻なものになろうとしていることに心配する。
「可哀想に。ラリイちゃん、こんなに苦しんでいたのね。」
メディーナはラリイの頭をそっと撫でる。
城で何よりの味方だと思っていたネイルと距離を取らされ、一部のメイド達から、陰湿な虐めを受けていたら、
ラリイの最近の顔色が良くないもの頷けると言うものだ。
「これは、やっぱりラリイちゃんのファンクラブの会長の私が
一肌脱ぐしかないわね!!!」
メディーナは早速、弟のカミーラを呼び出し、自分の考えをあれこれ話す。
カミーラもいきなりの姉の提案に困惑した顔をしつつも、ラリイに
は返さなきゃいけない恩があるのと、ラリイの今の状況も深刻な状態だと
察したらしく、姉とラリイ救出について、話し合った。
カミーラの提案で、ラリイはしばらく城でなく、メディーナと
一緒に、カミーラ達の屋敷にいることになった。
ある環境が整うまでは。
「は、はい!失礼します!」
メディーナは、さっさとラリイを城から連れ出し、自分の実家の屋敷、
カミーラの実家でもある屋敷の自室にラリイを連れて来ていた。
ネビィルには、ラリイに1日みっちりと王妃とは何か?を教え込むと
嘘をついて連れ出すことに成功していた。
「ラリイちゃん・・・ここなら、あのメイド達も居ないし、
ラリイちゃんに悪い事をする奴なんて居ないから・・・
だから、正直に色々お話して?」
メディーナは優しい笑顔でラリイに言った。
ラリイは、メディーナにそう言われて、一気に涙目になり、
メディーナに抱きついて泣いてしまった。
久しぶりに誰かに優しくして貰って、ラリイは気持ちを
抑えることが出来なくなってしまった。
メディーナは、そんなラリイを慰めるように、ラリイの頭を
ナデナデしていた。
「やっぱりね!あの子は、いつか、そういうことするんじゃないかって
心配だったのよね!!!」
ラリイから色々聞いたメディーナは、自分の事の様に怒った。
メディーナが言うには、メイドの1人にかなり気になっていた
存在が居たらしい。
「その子はメイドでもあるけど、ある貴族の末っ子なのよ。
で、ネイルのお気に入りのメイドでもあるって自覚が本人に
あるみたいで、だから、ラリイちゃんに嫉妬して、いつか意地悪
とかするんじゃないかって思ってたのよね・・・」
「そうだったんですか・・・」
その話を聞いて、ラリイは少し思い当たる節があった。
「あんな王女様が居なきゃ・・・私が・・・」
と意味深な言葉を言って、自分を憎らしそうに見ていたのを思い出したのだ。
なんで思いつかなかったのだろうか。
ネイルも王なのだから、ネイルに気に入られようとする
女子がいつも側に居たって全然おかしくないのだ。
なのに、ラリイはその事を考えられないくらい、新婚に
浮かれていたのだろう。
ラリイを疎ましいと思ってる存在からすれば、尚更妬ましかったに違いない。
「でも、私も悪かったんです。新婚で浮かれてたから・・・」
「そんな・・・ラリイちゃんは何も悪くないよ!」
「けど・・・」
「私はラリイちゃんが一生懸命に頑張る子だって知ってる!
他人の為に、他種族も関係なく、いつも頑張る歌姫。
私ね?ラリイちゃんのそういう姿を見て、救われたんだよ?」
「え?」
「ラリイちゃんは忘れちゃったかもしれないけど、私が、
どうしようもなく悲しかった時に、ラリイちゃんは、辛そうに
してた私に微笑んで、花をくれたんだよ?どうぞって。」
「え?私がメディーナお姉様に?」
「うん。で、後で知ったの、あんなに笑顔だった、あの時のラリイちゃんは、
お母様を亡くされて、すぐだったって。」
「あ・・・」
ラリイはメディーナにその話を聞いて、少しだけ思い出せた気がした。
母が亡くなってすぐに、自分の国で母を弔う為に歌を歌った日を。
そこで数人かに、花をあげたことを。
「あの時、メディーナお姉様来てくれてたんですね。」
「うん。でも、ごめんね。最初は嫌々だったの・・・
親の言いつけで、仕方がなく行ってたの。」
「その頃は、メディーナお姉様も鳥人がお嫌いだったんですか?」
「そう、ラリイちゃんの言う通り。カミーラにも聞いたと思うけど、私達の一族は、フェニ様を恨んでいると思ってたからね。
私もおじい様好きだったから、かなりね。」
「そうですよね・・・」
「でも、安心して!今はそんなこと、これっぽっちも思ってないから!
むしろ、今はラリイちゃんの事大好きよ♪」
「メディーナお姉様ったら・・・」
眩しいほどの笑顔で大好きと言われて、ラリイは顔を真っ赤にする。
けど、これほどまで、心強い味方が出来たことが、ラリイは嬉しかった。
ラリイは将来の子供の事もメディーナにはすっかり話した。
その所為か、ラリイは安心したのか、眠くなってしまい、メディーナに謝りながら、寝てしまった。
メディーナはその話もラリイから聞いて、ますます、一部のメイドの虐めが深刻なものになろうとしていることに心配する。
「可哀想に。ラリイちゃん、こんなに苦しんでいたのね。」
メディーナはラリイの頭をそっと撫でる。
城で何よりの味方だと思っていたネイルと距離を取らされ、一部のメイド達から、陰湿な虐めを受けていたら、
ラリイの最近の顔色が良くないもの頷けると言うものだ。
「これは、やっぱりラリイちゃんのファンクラブの会長の私が
一肌脱ぐしかないわね!!!」
メディーナは早速、弟のカミーラを呼び出し、自分の考えをあれこれ話す。
カミーラもいきなりの姉の提案に困惑した顔をしつつも、ラリイに
は返さなきゃいけない恩があるのと、ラリイの今の状況も深刻な状態だと
察したらしく、姉とラリイ救出について、話し合った。
カミーラの提案で、ラリイはしばらく城でなく、メディーナと
一緒に、カミーラ達の屋敷にいることになった。
ある環境が整うまでは。