第十章「大団円」
「わしとしてはのぉ、こうした方がいいと思っておってのぉ・・・」
「ほうほう・・・」
「ふむふむ・・・」
ある部屋の一角で、ネフィリートが、何かの用紙を広げて、
フェルオリアとアディリスを捕まえて、何やら話し込んでいた。
次にフェニキアで行う、ラリイ達の2回目の結婚式の話し合いのようだった。
「頼んでおいた、アレは用意出来そうかえ?フェルオリア?」
「ええ!もちろん!娘にアレを着せることが出来るとは、私も、
本当に嬉しい限りです。ネフィリート様には感謝しきれません。」
「何を言う!わしとて、誰より楽しみなのじゃ!気になさるな!」
何やら、2人はかなり意気投合してしていた。
ラリイはそれを遠くから見て、少しソワソワしていた。
雰囲気的には悪くないのだから、変な心配はいらないだろうが、
それでも気持ちが落ち着かなかった。
「な、何の話だろう?」
「ん?ああ、あれか・・・」
ラリイの目の先にある光景にネイルも気付き、短く溜息を吐く。
「きっと、次の俺達のフェニキアでの結婚式の話だろうな。
おばあ様だから、また上手く、義父上を巻き込んでやるんだろうな。」
「お任せしておけば、いいんだよね?」
「ああ。それが一番だろうな。」
ネイルは苦笑いして、ラリイに答えた。
ラリイも、もう深く考えずに、そのまま場の流れに身を任せた。
「では、名残惜しいが、ラリイ幸せでな。」
「また、今度はフェニキアでな。」
「うん・・・父上も、お兄様も、また・・・」
ラリイは父と兄を涙ながらに見送る。
ネイルも横で一緒に。
「ネイル殿。ラリイを頼みます。」
「妹をどうかよろしくお願いします。」
フェルオリアとアディリスは深々と頭を下げて最後にネイルにラリイを頼んで帰って行った。
「お忙しいのに、よく来てくれたよな。」
「うん!本当に感謝しなくちゃ・・・」
「また、次に行く時に、美味い酒持っていくか?」
「ええーあんまり多すぎなのはダメだよ!」
「あはは、わかった。今度は少し減らす。」
「うん!じゃないと、父上はまた豪快に飲んじゃうんだから・・・
ネイルだって、あんなに絡まれるの嫌でしょ?」
「まぁ・・・あんまり慣れてないから、ちょっと苦手だな。」
ネイルは頬を搔きながら、ラリイの言葉に賛同する。
結婚式は終わったものの、城も城下町も、まだまだ賑わっていた。
「ラリイ王女♪結婚おめでとう!あ、もう王女じゃないわね!王妃様だわ♪」
「メディーナ様!有難うございます♪」
「ネイルも、やっとしっかりしたのね。」
「ああ、誰かのお節介のおかげでな。」
結婚式にも参加していたメディーナは、いいタイミングで
ラリイ達の所に話をしに来ていた。
「あー凄く嬉しい♪まさか、ドラゴネス国にあのフェニキアの歌姫が
今後ずっといるなんて♪私も少しは苦労した甲斐があったわ♪」
「え?」
「どういうことだ?」
「ウフフ♪2人には今まで内緒にしてたけど、私、実は・・・
ラリイ王女の昔からの大ファンだったのよね♪」
「ええ?!」
突然のメディーナの告白に、ラリイ達が驚く。
それから、メディーナはここぞとばかりにラリイに抱きつく。
ラリイはすっかりタジタジで、メディーナに照れてしまっていた。
「私、ラリイ王女のファンクラブの会員でもあるのよ?♪」
「そ、そんなのがあんのか?」
その話を聞いて、ネイルは半場、呆れていた。
しかし、あのメディーナがラリイのファンだったとは、
ラリイどころか、ネイルも驚きだった。
「だから、あんなにお節介焼いたのか?」
「まーねー♪だって、ずっとドラゴネスに居て欲しいですもの♪
他のファン仲間にもマウント取れるし♪」
「あのな・・・ラリイをそういう風に扱うな。」
「何よ?早速嫉妬?いいでしょ!ネイルには、いつでも、このラリイ王女はお嫁さんなんだから!」
「はぁ?意味わからん・・・」
メディーナの話がさっぱり理解出来ないネイルは首を振って、
呆れるしかなかった。
ラリイの方も事態がよくわからず、メディーナの熱い抱擁を受けてままだった。
メディーナは、また今度お茶しましょ♪と言うと、2人から去っていった。
相変わらず、台風のような行動力があって元気な女性だなぁーと
ラリイは、こっそり思った。
「けど、ファンクラブなんて話は初耳だぞ?ラリイ?」
「そんな事言われても、私だって知らなかったよ?」
ネイルに何かを確認されるような顔をされ、ラリイも困惑する。
フェニキアに居た時だって、ラリイは、そんな話は聞いたことがない。まさか自分にファンクラブがあるなど。
「まぁ・・・今度、しっかり、メディーナにファンクラブのことを、
聞いておいてくれよ?俺も、場合によっては行動するからな・・・」
「え?あ・・・うん。」
ラリイはネイルの言葉の意味が、いまいち、わかっていなかったが、返事をしておいた。
きっと、今、嫉妬してるのだろうと、ラリイはすぐわかった。
なんだかんだと、ラリイ達は色々な人々と会話したりしている
内に、夜は徐々に近づいてきていた。
「ほうほう・・・」
「ふむふむ・・・」
ある部屋の一角で、ネフィリートが、何かの用紙を広げて、
フェルオリアとアディリスを捕まえて、何やら話し込んでいた。
次にフェニキアで行う、ラリイ達の2回目の結婚式の話し合いのようだった。
「頼んでおいた、アレは用意出来そうかえ?フェルオリア?」
「ええ!もちろん!娘にアレを着せることが出来るとは、私も、
本当に嬉しい限りです。ネフィリート様には感謝しきれません。」
「何を言う!わしとて、誰より楽しみなのじゃ!気になさるな!」
何やら、2人はかなり意気投合してしていた。
ラリイはそれを遠くから見て、少しソワソワしていた。
雰囲気的には悪くないのだから、変な心配はいらないだろうが、
それでも気持ちが落ち着かなかった。
「な、何の話だろう?」
「ん?ああ、あれか・・・」
ラリイの目の先にある光景にネイルも気付き、短く溜息を吐く。
「きっと、次の俺達のフェニキアでの結婚式の話だろうな。
おばあ様だから、また上手く、義父上を巻き込んでやるんだろうな。」
「お任せしておけば、いいんだよね?」
「ああ。それが一番だろうな。」
ネイルは苦笑いして、ラリイに答えた。
ラリイも、もう深く考えずに、そのまま場の流れに身を任せた。
「では、名残惜しいが、ラリイ幸せでな。」
「また、今度はフェニキアでな。」
「うん・・・父上も、お兄様も、また・・・」
ラリイは父と兄を涙ながらに見送る。
ネイルも横で一緒に。
「ネイル殿。ラリイを頼みます。」
「妹をどうかよろしくお願いします。」
フェルオリアとアディリスは深々と頭を下げて最後にネイルにラリイを頼んで帰って行った。
「お忙しいのに、よく来てくれたよな。」
「うん!本当に感謝しなくちゃ・・・」
「また、次に行く時に、美味い酒持っていくか?」
「ええーあんまり多すぎなのはダメだよ!」
「あはは、わかった。今度は少し減らす。」
「うん!じゃないと、父上はまた豪快に飲んじゃうんだから・・・
ネイルだって、あんなに絡まれるの嫌でしょ?」
「まぁ・・・あんまり慣れてないから、ちょっと苦手だな。」
ネイルは頬を搔きながら、ラリイの言葉に賛同する。
結婚式は終わったものの、城も城下町も、まだまだ賑わっていた。
「ラリイ王女♪結婚おめでとう!あ、もう王女じゃないわね!王妃様だわ♪」
「メディーナ様!有難うございます♪」
「ネイルも、やっとしっかりしたのね。」
「ああ、誰かのお節介のおかげでな。」
結婚式にも参加していたメディーナは、いいタイミングで
ラリイ達の所に話をしに来ていた。
「あー凄く嬉しい♪まさか、ドラゴネス国にあのフェニキアの歌姫が
今後ずっといるなんて♪私も少しは苦労した甲斐があったわ♪」
「え?」
「どういうことだ?」
「ウフフ♪2人には今まで内緒にしてたけど、私、実は・・・
ラリイ王女の昔からの大ファンだったのよね♪」
「ええ?!」
突然のメディーナの告白に、ラリイ達が驚く。
それから、メディーナはここぞとばかりにラリイに抱きつく。
ラリイはすっかりタジタジで、メディーナに照れてしまっていた。
「私、ラリイ王女のファンクラブの会員でもあるのよ?♪」
「そ、そんなのがあんのか?」
その話を聞いて、ネイルは半場、呆れていた。
しかし、あのメディーナがラリイのファンだったとは、
ラリイどころか、ネイルも驚きだった。
「だから、あんなにお節介焼いたのか?」
「まーねー♪だって、ずっとドラゴネスに居て欲しいですもの♪
他のファン仲間にもマウント取れるし♪」
「あのな・・・ラリイをそういう風に扱うな。」
「何よ?早速嫉妬?いいでしょ!ネイルには、いつでも、このラリイ王女はお嫁さんなんだから!」
「はぁ?意味わからん・・・」
メディーナの話がさっぱり理解出来ないネイルは首を振って、
呆れるしかなかった。
ラリイの方も事態がよくわからず、メディーナの熱い抱擁を受けてままだった。
メディーナは、また今度お茶しましょ♪と言うと、2人から去っていった。
相変わらず、台風のような行動力があって元気な女性だなぁーと
ラリイは、こっそり思った。
「けど、ファンクラブなんて話は初耳だぞ?ラリイ?」
「そんな事言われても、私だって知らなかったよ?」
ネイルに何かを確認されるような顔をされ、ラリイも困惑する。
フェニキアに居た時だって、ラリイは、そんな話は聞いたことがない。まさか自分にファンクラブがあるなど。
「まぁ・・・今度、しっかり、メディーナにファンクラブのことを、
聞いておいてくれよ?俺も、場合によっては行動するからな・・・」
「え?あ・・・うん。」
ラリイはネイルの言葉の意味が、いまいち、わかっていなかったが、返事をしておいた。
きっと、今、嫉妬してるのだろうと、ラリイはすぐわかった。
なんだかんだと、ラリイ達は色々な人々と会話したりしている
内に、夜は徐々に近づいてきていた。