第十章「大団円」
ドラゴネス城の近くにあるいつもの教会の中で、ラリイとネイルは結婚式を行う。
教会は大きくない為、ごく親しい者だけが、教会に入る。
今回、立ち合い人は、もちろんモア神父である。
最初は、モア神父は、自分では役不足だと必死に断ったのだが、
時間がないのと、ラリイからの強い希望に負けて、引き受けたのだ。
「モア神父様が居なかったら、私はきっとドラゴネス国に留まることも・・・
ネイルと結婚もしなかったと思います。」
ラリイに笑顔で説得された時の事を思い出し、神父は泣きそうに
なるのを必死で堪えていた。神父にとっては、こんな嬉しい事はない。
出逢えただけでも、十分嬉しいのに、こうして、まさか自分が、結婚式の立ち合いまでさせて貰えるのだから。
「しっかり、こなさなければ!」
神父は聖書をしっかり握り、ラリイ達の結婚式に挑む。
ネイルの方はと言うと、祭壇の前でラリイを待っていた。
「すげぇ・・・緊張する・・・」
自分の心の中で気持ちをぼやいていた。
いつかは迎える日だとわかってはいたのに、現実は想像以上に
緊張していることに動揺していた。
「ラリイ・・・よく我が儘も言わずに、おばあ様の選んだドレス着てくれたよな。
しかも、ドラゴネス国式の花嫁衣裳を・・・」
一瞬だけ、ネイルはチラっとラリイの花嫁姿を見たが、すぐにネフィートに見ていたのを止められ、ラリイから引き離されてしまった。
「ちょっとしか見れなかったけど、絶対に綺麗だよな・・・」
ネイルは緊張しつつも、楽しみにしてる部分も大きかった。
そして、音楽が変わり、式が始まる。
ラリイはフェルオリアに連れられ、現れた。
教会内で感嘆の声が溢れる。
ラリイはまだ年からすれば、18歳と幼いはずであるが、
今のラリイは、とても大人びいていて、可愛いよりも美しかった。
ネイルも、気が引き締まる思いだった。
「娘をよろしくお願いします。」
フェルオリアはネイルにラリイを託した。
ラリイは静かにネイルの横に移動する。
「はい。」
ネイルは澄んだ声で、しっかりと返事した。
ラリイをしっかりエスコートして、2人で仲良く祭壇の前に並ぶ。
讃美歌斉唱、聖書朗読、そして誓約が行われ・・・
「ラリイ・・・手・・・」
「うん・・・」
2人は互いの薬指に、あの結婚指輪をはめる。
指輪の中心の国石の緑のドラゴンアイは2人の結婚式を
祝うように、ますます輝いていた。
「まるで・・・フェニ様とネルシオネおじ様が結婚してるようじゃ・・・」
ネフィリートは深い感傷と喜び中で、ラリイ達を見守っていた。
一肌脱いだことが、これほどにまで報われて、ネフィリートは
大満足していた。
挙式後はラリイ達は城を巡り、城下町の一部も巡り、大勢の者に
祝福されながら、結婚式の全行程は何のトラブルもなく終わった。
「あー・・・き、緊張した・・・」
ラリイは、やっと少しの時間、ネイルと2人きりになれて、脱力していた。
ネイルの方も同じようだった。
「ああ、あれは流石に緊張したな。
でも、しっかり、パレード中も挨拶とか出来てたと思うし、大丈夫だろう。」
「うん。」
2人はお互いに顔を見合わせて、微笑み合ったが、
ちょっとして、恥ずかしくなり、顔を反らした。
お互いの結婚式姿に見惚れてしまったからだ。
「ラ・・・ラリイ・・・」
「うん?」
「すげぇー似合ってるよ・・・そのドレス・・・」
「ネ、ネイルも・・・凄くカッコいいよ・・・」
お互いに恥ずかしくて、顔が見れないままだが、素直に感想を言い合う。
2人は今、ドラゴネス国で伝統的な王族の結婚式衣装を着ていた。
もちろん、ネフィリートの勧めでだ。
ラリイはフェニキア国の人間なのだから、どうなのかと
ネイルは思ってはいたのだが、そこは流石のネフィリートも
抜かりがない。
「こんなにも、うまい具合にラリイに合うように融合させるとか、
本当におばあ様には恐れ入る。」
ラリイの着ているドレスを、ネイルは再度しっかりと見る。
男のネイルからすれば、服のこと正直は言って、よくはわからない。
だけど、今ラリイが着ているドレスは、ラリイに何よりも
似合ってるのだけは、感覚でわかる。違和感がないのも。
「今日だけって言うのが勿体無いくらいだな・・・」
「うん?どうしたの?ネイル?」
ラリイは恥ずかしそうにしながらも、ネイルにじっくり見られてることに気づいて、声を掛ける。
ネイルは、もう恥ずかしがるのを止めて、ラリイをしっかり見た。
「いや、せっかくのラリイの花嫁姿をしっかり目に焼き付けておこうと思ってな。」
「え!」
「勿体無いだろう?今日しか、こんなにじっくり見れないんだから。」
「ネイル・・・そんな恥ずかしいよ・・・」
「ラリイも、しっかり俺を見てくれよ。
今日しか、見れない姿なんだぞ?」
「う・・・うん。」
そう言われて、そうだったと、ラリイも納得する。
お互いの姿をしっかり見ながら、2人は寄り添い合い、
またキスをする。しっかりと2人の思い出になるように。
教会は大きくない為、ごく親しい者だけが、教会に入る。
今回、立ち合い人は、もちろんモア神父である。
最初は、モア神父は、自分では役不足だと必死に断ったのだが、
時間がないのと、ラリイからの強い希望に負けて、引き受けたのだ。
「モア神父様が居なかったら、私はきっとドラゴネス国に留まることも・・・
ネイルと結婚もしなかったと思います。」
ラリイに笑顔で説得された時の事を思い出し、神父は泣きそうに
なるのを必死で堪えていた。神父にとっては、こんな嬉しい事はない。
出逢えただけでも、十分嬉しいのに、こうして、まさか自分が、結婚式の立ち合いまでさせて貰えるのだから。
「しっかり、こなさなければ!」
神父は聖書をしっかり握り、ラリイ達の結婚式に挑む。
ネイルの方はと言うと、祭壇の前でラリイを待っていた。
「すげぇ・・・緊張する・・・」
自分の心の中で気持ちをぼやいていた。
いつかは迎える日だとわかってはいたのに、現実は想像以上に
緊張していることに動揺していた。
「ラリイ・・・よく我が儘も言わずに、おばあ様の選んだドレス着てくれたよな。
しかも、ドラゴネス国式の花嫁衣裳を・・・」
一瞬だけ、ネイルはチラっとラリイの花嫁姿を見たが、すぐにネフィートに見ていたのを止められ、ラリイから引き離されてしまった。
「ちょっとしか見れなかったけど、絶対に綺麗だよな・・・」
ネイルは緊張しつつも、楽しみにしてる部分も大きかった。
そして、音楽が変わり、式が始まる。
ラリイはフェルオリアに連れられ、現れた。
教会内で感嘆の声が溢れる。
ラリイはまだ年からすれば、18歳と幼いはずであるが、
今のラリイは、とても大人びいていて、可愛いよりも美しかった。
ネイルも、気が引き締まる思いだった。
「娘をよろしくお願いします。」
フェルオリアはネイルにラリイを託した。
ラリイは静かにネイルの横に移動する。
「はい。」
ネイルは澄んだ声で、しっかりと返事した。
ラリイをしっかりエスコートして、2人で仲良く祭壇の前に並ぶ。
讃美歌斉唱、聖書朗読、そして誓約が行われ・・・
「ラリイ・・・手・・・」
「うん・・・」
2人は互いの薬指に、あの結婚指輪をはめる。
指輪の中心の国石の緑のドラゴンアイは2人の結婚式を
祝うように、ますます輝いていた。
「まるで・・・フェニ様とネルシオネおじ様が結婚してるようじゃ・・・」
ネフィリートは深い感傷と喜び中で、ラリイ達を見守っていた。
一肌脱いだことが、これほどにまで報われて、ネフィリートは
大満足していた。
挙式後はラリイ達は城を巡り、城下町の一部も巡り、大勢の者に
祝福されながら、結婚式の全行程は何のトラブルもなく終わった。
「あー・・・き、緊張した・・・」
ラリイは、やっと少しの時間、ネイルと2人きりになれて、脱力していた。
ネイルの方も同じようだった。
「ああ、あれは流石に緊張したな。
でも、しっかり、パレード中も挨拶とか出来てたと思うし、大丈夫だろう。」
「うん。」
2人はお互いに顔を見合わせて、微笑み合ったが、
ちょっとして、恥ずかしくなり、顔を反らした。
お互いの結婚式姿に見惚れてしまったからだ。
「ラ・・・ラリイ・・・」
「うん?」
「すげぇー似合ってるよ・・・そのドレス・・・」
「ネ、ネイルも・・・凄くカッコいいよ・・・」
お互いに恥ずかしくて、顔が見れないままだが、素直に感想を言い合う。
2人は今、ドラゴネス国で伝統的な王族の結婚式衣装を着ていた。
もちろん、ネフィリートの勧めでだ。
ラリイはフェニキア国の人間なのだから、どうなのかと
ネイルは思ってはいたのだが、そこは流石のネフィリートも
抜かりがない。
「こんなにも、うまい具合にラリイに合うように融合させるとか、
本当におばあ様には恐れ入る。」
ラリイの着ているドレスを、ネイルは再度しっかりと見る。
男のネイルからすれば、服のこと正直は言って、よくはわからない。
だけど、今ラリイが着ているドレスは、ラリイに何よりも
似合ってるのだけは、感覚でわかる。違和感がないのも。
「今日だけって言うのが勿体無いくらいだな・・・」
「うん?どうしたの?ネイル?」
ラリイは恥ずかしそうにしながらも、ネイルにじっくり見られてることに気づいて、声を掛ける。
ネイルは、もう恥ずかしがるのを止めて、ラリイをしっかり見た。
「いや、せっかくのラリイの花嫁姿をしっかり目に焼き付けておこうと思ってな。」
「え!」
「勿体無いだろう?今日しか、こんなにじっくり見れないんだから。」
「ネイル・・・そんな恥ずかしいよ・・・」
「ラリイも、しっかり俺を見てくれよ。
今日しか、見れない姿なんだぞ?」
「う・・・うん。」
そう言われて、そうだったと、ラリイも納得する。
お互いの姿をしっかり見ながら、2人は寄り添い合い、
またキスをする。しっかりと2人の思い出になるように。