第十章「大団円」
「ネイル!本当に明日するの?!」
「ああ。もう今回の事で、準備だ、何だで先延ばしにするのは、
もうなしだ。今後2度と、ラリイが攫われるなんてことは無いだろうが、
それでも、俺は決めた。明日、お前と結婚する。」
「ネイル・・・う、嬉しいけど・・・でも・・・」
ネイルのはっきりとした意志を聞いて、ラリイは嬉しい気持ちが強かったが、戸惑いも隠せずにいた。
この際、2人っきりの結婚式もしょうがないのかなと、ラリイも
思いはしたが、けど、やっぱり皆に祝福されながら、結婚式をする
のが夢だっただけに、少し悲しくもある。
「ドラゴネス国でする結婚式は、急いでやることになってしまうけど・・・
俺は義父上がお許し下さるなら、ラリイの祖国でも、
結婚式をしたらどうかと思ってる。」
「え?私の国でも?」
まさかのネイルの提案にラリイはびっくりする。
2回も結婚式なんて、していいのだろうか?ラリイは悩む。
「とりあえず、おばあ様に報告しよう。ラリイ、来てくれるか?」
「うん!もちろん!」
2人はネフィリートの居る塔の部屋まで来た。
「お入り。」
ドアをノックする前に、ネフィリートに入室を勧められ、ラリイ達は
驚いて顔を合わせるが、すぐに部屋に入った。
「どうやら無事に取り戻したようだね・・・ネイル。」
「はい。おばあ様。」
「うむ。いい顔をするようになった。これで、わしも一安心じゃよ。」
ネフィリートは静かにそう言い、2人を見て、嬉しそうにしている。
ネイルはやっぱり試されていたんだなと実感した。
「おばあ様、話があるのですが・・・」
「明日、結婚式をしたいと言うのじゃろ?ああ、すればよい。
こちらも、準備は出来たでのぉ!」
「え?」
ネフィリートの意外な言葉に、ネイルは拍子抜けした。
ラリイもポカーンとしてしまった。
「ほれ!見るがよい。お前達の大事な結婚指輪じゃ!」
ネフィリートはラリイ達に結婚指輪の入った箱を開けて見せる。
指輪の中心に輝く、緑のドラゴンアイは、前よりも、
もっと輝きを放っているように見えた。
「わしの魔力で、このドラゴンアイの持つ力をもっと引き出したのじゃ。
もっと強い魔除け効果に、2人の意志疎通の力が上がるようにの。」
「うわ!それは凄いです!ネフィリート様!」
ラリイは嬉しそうに言いながら、結婚指輪をまじまじと見る。
「そ、そんなことをされていたんですか?」
「この老婆に出来ることをしたまでじゃよ。当たり前じゃろ?
可愛い孫とその嫁御の結婚を喜ばんわけがなかろう?」
タジタジになるネイルに、ネフィリートはニヤリと笑う。
「だから、あの時は話出来ないと言ったんですね・・・」
ネイルはラリイが攫われた時に会話を拒否された理由は、
これもあるのかと悟った。
宝石に魔力を込めるのには、かなりの集中力がいるのだ。
だから、手が離せなかったのもあったのだろうと。
「ところで、結婚式は2回すると言う事でいいのじゃな?」
「え?」
「やっぱり、聞かれてたんですね・・・」
廊下で話していた会話だったのに、ネフィリートは何故か
知っていて、ラリイは更にびっくりする。
ネイルは、たぶん水晶か何かで見ていたのではないかと察する。
「どうなのじゃ?ネイル!はっきりせい!」
「はい!ラリイの義父上が許可して下されば!」
回答を急かされ、ネイルも投げやりに答える。
フフフとネフィリートは嬉しそうに笑う。
これは、もう何か企んでいる時の祖母だ。
「それは安心せい。もろもろの手筈は、この老婆がして
やろうではないか!いやーこれは楽しみでしょうがない!
あれだけラリイの為にドレスもこしらえたでのぉ!
いやー楽しみ、楽しみ♪」
「あわわわわ?!どうしよう!ネイル?!」
「諦めろ・・・ラリイ。」
ネフィリートの意気込みに、ラリイは慌てふためく。
ネイルはもう、ここまで来たのなら、諦めるしかないなと、
苦笑いするしかなかった。
「本当に、明日に結婚式になっちゃったね。」
「そうだな。やると言い出した時のおばあ様の凄さは、
いつものことだからな・・・」
ネフィリートの取り計らいで、あっと言う間に、ラリイの祖国にも
連絡が行き、フェルオリア王とアディリス王子と一部の親族が
明日の結婚式に来ることになった。
どうにかしても、間に合わせると約束してくれたらしい。
ドラゴネス国の方でも、もう誰もネイル達の結婚に反対な者はいない。
後の他国の者達は明日が無理なら、今度のフェニキアで
行う結婚式に参加して貰えれば良いと言う事になった。
「しかし、まさか自分の国でも娘の結婚式するなんてことになって、義父上も、驚かれただろうな。」
「だと思う・・・明日逢ったら、何て言うかな?」
ネイルに言われて、ラリイも、どうなるかさっぱりわからない。
ドラゴネス城や教会は急遽の結婚式に騒がしくなり、
城下町は一気に華やかな雰囲気に包まれた。
やっと、2人は明日、結婚式を迎え結ばれるのだ。
「ああ。もう今回の事で、準備だ、何だで先延ばしにするのは、
もうなしだ。今後2度と、ラリイが攫われるなんてことは無いだろうが、
それでも、俺は決めた。明日、お前と結婚する。」
「ネイル・・・う、嬉しいけど・・・でも・・・」
ネイルのはっきりとした意志を聞いて、ラリイは嬉しい気持ちが強かったが、戸惑いも隠せずにいた。
この際、2人っきりの結婚式もしょうがないのかなと、ラリイも
思いはしたが、けど、やっぱり皆に祝福されながら、結婚式をする
のが夢だっただけに、少し悲しくもある。
「ドラゴネス国でする結婚式は、急いでやることになってしまうけど・・・
俺は義父上がお許し下さるなら、ラリイの祖国でも、
結婚式をしたらどうかと思ってる。」
「え?私の国でも?」
まさかのネイルの提案にラリイはびっくりする。
2回も結婚式なんて、していいのだろうか?ラリイは悩む。
「とりあえず、おばあ様に報告しよう。ラリイ、来てくれるか?」
「うん!もちろん!」
2人はネフィリートの居る塔の部屋まで来た。
「お入り。」
ドアをノックする前に、ネフィリートに入室を勧められ、ラリイ達は
驚いて顔を合わせるが、すぐに部屋に入った。
「どうやら無事に取り戻したようだね・・・ネイル。」
「はい。おばあ様。」
「うむ。いい顔をするようになった。これで、わしも一安心じゃよ。」
ネフィリートは静かにそう言い、2人を見て、嬉しそうにしている。
ネイルはやっぱり試されていたんだなと実感した。
「おばあ様、話があるのですが・・・」
「明日、結婚式をしたいと言うのじゃろ?ああ、すればよい。
こちらも、準備は出来たでのぉ!」
「え?」
ネフィリートの意外な言葉に、ネイルは拍子抜けした。
ラリイもポカーンとしてしまった。
「ほれ!見るがよい。お前達の大事な結婚指輪じゃ!」
ネフィリートはラリイ達に結婚指輪の入った箱を開けて見せる。
指輪の中心に輝く、緑のドラゴンアイは、前よりも、
もっと輝きを放っているように見えた。
「わしの魔力で、このドラゴンアイの持つ力をもっと引き出したのじゃ。
もっと強い魔除け効果に、2人の意志疎通の力が上がるようにの。」
「うわ!それは凄いです!ネフィリート様!」
ラリイは嬉しそうに言いながら、結婚指輪をまじまじと見る。
「そ、そんなことをされていたんですか?」
「この老婆に出来ることをしたまでじゃよ。当たり前じゃろ?
可愛い孫とその嫁御の結婚を喜ばんわけがなかろう?」
タジタジになるネイルに、ネフィリートはニヤリと笑う。
「だから、あの時は話出来ないと言ったんですね・・・」
ネイルはラリイが攫われた時に会話を拒否された理由は、
これもあるのかと悟った。
宝石に魔力を込めるのには、かなりの集中力がいるのだ。
だから、手が離せなかったのもあったのだろうと。
「ところで、結婚式は2回すると言う事でいいのじゃな?」
「え?」
「やっぱり、聞かれてたんですね・・・」
廊下で話していた会話だったのに、ネフィリートは何故か
知っていて、ラリイは更にびっくりする。
ネイルは、たぶん水晶か何かで見ていたのではないかと察する。
「どうなのじゃ?ネイル!はっきりせい!」
「はい!ラリイの義父上が許可して下されば!」
回答を急かされ、ネイルも投げやりに答える。
フフフとネフィリートは嬉しそうに笑う。
これは、もう何か企んでいる時の祖母だ。
「それは安心せい。もろもろの手筈は、この老婆がして
やろうではないか!いやーこれは楽しみでしょうがない!
あれだけラリイの為にドレスもこしらえたでのぉ!
いやー楽しみ、楽しみ♪」
「あわわわわ?!どうしよう!ネイル?!」
「諦めろ・・・ラリイ。」
ネフィリートの意気込みに、ラリイは慌てふためく。
ネイルはもう、ここまで来たのなら、諦めるしかないなと、
苦笑いするしかなかった。
「本当に、明日に結婚式になっちゃったね。」
「そうだな。やると言い出した時のおばあ様の凄さは、
いつものことだからな・・・」
ネフィリートの取り計らいで、あっと言う間に、ラリイの祖国にも
連絡が行き、フェルオリア王とアディリス王子と一部の親族が
明日の結婚式に来ることになった。
どうにかしても、間に合わせると約束してくれたらしい。
ドラゴネス国の方でも、もう誰もネイル達の結婚に反対な者はいない。
後の他国の者達は明日が無理なら、今度のフェニキアで
行う結婚式に参加して貰えれば良いと言う事になった。
「しかし、まさか自分の国でも娘の結婚式するなんてことになって、義父上も、驚かれただろうな。」
「だと思う・・・明日逢ったら、何て言うかな?」
ネイルに言われて、ラリイも、どうなるかさっぱりわからない。
ドラゴネス城や教会は急遽の結婚式に騒がしくなり、
城下町は一気に華やかな雰囲気に包まれた。
やっと、2人は明日、結婚式を迎え結ばれるのだ。