第十章「大団円」
ラリイとネイルの2人は屋上庭園に来ていた。
今日はもうすべての業務を休み、ゆっくりしようと言う話に
なっていた。
あんな事件の後で、2人が離れるのは無理だったのだ。
仕事にうるさいカミーラもベアードも2人とも、
極度の疲れもあり反対することはなかった。
「ラリイ・・・」
「ネイル・・・?ん・・・」
2人はお互いの存在を何度も確認し合うように、軽いキスを何度もする。
今日はラリイも恥ずかしがりもせずに、ネイルを受け入れていた。
今日に限っては、それが一番心が安らぐ行為だったから。
「ラリイ・・・守ってやれなくて、本当にごめん・・・」
キスが済み、ネイルはラリイを見つめて謝る。
「あの青い小鳥の夫婦に、お前を守るって、言いきったのに・・・
俺は大事なお前をあの男に奪われた。今回は無事に何とか
助けられたけど・・・本当に、俺は情けない男だよな。」
「そんなこと!ネイルは何も悪くないよ!
私が・・・私が色々と軽率だったから、いけなかったの!!!」
ラリイは力の限りにネイルの謝罪の言葉を否定した。
ネイルに教えて貰っていたではないか・・・祖国に居た時に、
自分の身体を目的にしている者もいると。
「私がいけなかったの。友達だと思っていたから、油断して、
それが一番悪かったの。相手は友達と言っても異性なのだから。
気軽に逢うべきじゃなかったの・・・」
「ラリイ・・・お前・・・」
「ネイル・・・謝らないで・・・ネイルは何も悪くない。
謝らなきゃいけないのは私・・・」
「ラリイ・・・んん」
今度はラリイの方からネイルにキスをする。
ネイルも素直にラリイからのキスを受け取り、優しく抱きしめる。
「ピーピー♪」
2人がキスしていると、ネイルの頭に1匹の青い鳥が、2人のキスをからかうように鳴く。
「あ!」
「え?」
ラリイは青い小鳥に気が付く。ネイルも頭に違和感を覚えて、
なんだ?と不思議がる。
「ネイル!あの子達が来てくれた♪」
「本当か?!」
ラリイが嬉しそうに言うと、ネイルも顔を綻ばせる。
この青い鳥の夫婦に、ラリイ達は感謝してもしきれない。
「ありがとう!本当にありがとうね!!」
「ありがとうな!本当に助かった!」
ラリイもネイルも、青い小鳥の夫婦に何度も感謝の言葉を告げる。
「ピーピピー」
雄の方の青い小鳥は、ラリイの手に留まっていた。
雌の方は、ネイルの肩にいる。
ラリイはふと、雄の足の古傷に気づく。
そして、ある昔の事を思い出した。
「え?もしかして、貴方は、あの時の子?」
「ん?どうしたんだ、ラリイ?」
ラリイの言葉にネイルが気づく。ラリイはネイルに自分が
思い出したことを話す。
「あのね、私が子供の頃にね、私の部屋の窓に怪我した、
子供の小鳥が来たことがあってね!」
「うん。」
「すぐにフェニおばちゃまのとこに連れて行って、急いで
手当てして貰ったの!で、何とか怪我も治って、数日後には
無事に森に帰って行ったんだけど・・・」
ラリイは、再度確認するように、雄の方の青い小鳥と目を合わせる。
「もしかして、あの時の子なの?」
「ピピピ♪」
雄の青い小鳥は、正解と言わんばかりに、ラリイの周りを飛び回り、ネイルの肩に雌と一緒に留まった。
「本当?!だから・・・ドラゴネスまで、私の為に、
奥さん連れて逢いに来てくれたんだね?」
「だから、フェニキアにしかいないのに・・・ドラゴネスに居たのか?!」
ラリイの話を聞いて、ネイルも謎が解けて、すっきりとした気分に
なった。それはラリイも同じだった。
まさか、ラリイが子供の事に助けた子供の小鳥が、
今回のあの幻の奇跡の青い小鳥の雄の方だったとは。
「ラリイって・・・本当にすげぇーな・・・」
ネイルはもうただただ感心するしかなかった。
ラリイの日頃の行いの良さが、巡り巡って、今回2人を救ったのだ。
そうでなかったら、今頃どんな悲劇が起きていたか・・・
「奥さんも助けてくれてありがとう♪」
ラリイが雌の方にも笑顔でお礼を言うと、雄より高い鳴き声で、
楽し気に鳴いてみせた。
「ねぇーねぇーネイル?」
「ん?」
「この屋上庭園に、小鳥さん達のお家作ってもいいかな?」
「お?いいんじゃないか?早速、頼もう。」
「うん♪」
ラリイ達は、城に居る職人達に頑丈な巣箱を何個か作って貰い、
他にも必要なものを揃えて、屋上庭園に設置して貰った。
青い小鳥の夫婦は大勢の人間が来て、驚いて、
空に逃げていたが、設置が終わってから、ラリイが大きな声で空に呼びかける。
「びっくりさせちゃって、ごめんね!でも、休める場所を
作ってみたから、良かったら使ってみてね!!!」
ラリイは大きく手を振り、青い小鳥の夫婦に叫んだ。
「俺達の心からの感謝の気持ちだ!良ければ、好きに使ってくれ!」
ネイルもラリイと同じように叫び、それからラリイと同じように手も振るう。
「これで、使ってくれるといいね♪」
「ああ、少しでもお礼になればいいな・・・」
2人は静かに微笑み合い、城の中に戻った。
やっと2人は気持ちが落ち着いて来た感じだった。
そして、ネイルは決意した。もう明日、結婚式をしようと。
今日はもうすべての業務を休み、ゆっくりしようと言う話に
なっていた。
あんな事件の後で、2人が離れるのは無理だったのだ。
仕事にうるさいカミーラもベアードも2人とも、
極度の疲れもあり反対することはなかった。
「ラリイ・・・」
「ネイル・・・?ん・・・」
2人はお互いの存在を何度も確認し合うように、軽いキスを何度もする。
今日はラリイも恥ずかしがりもせずに、ネイルを受け入れていた。
今日に限っては、それが一番心が安らぐ行為だったから。
「ラリイ・・・守ってやれなくて、本当にごめん・・・」
キスが済み、ネイルはラリイを見つめて謝る。
「あの青い小鳥の夫婦に、お前を守るって、言いきったのに・・・
俺は大事なお前をあの男に奪われた。今回は無事に何とか
助けられたけど・・・本当に、俺は情けない男だよな。」
「そんなこと!ネイルは何も悪くないよ!
私が・・・私が色々と軽率だったから、いけなかったの!!!」
ラリイは力の限りにネイルの謝罪の言葉を否定した。
ネイルに教えて貰っていたではないか・・・祖国に居た時に、
自分の身体を目的にしている者もいると。
「私がいけなかったの。友達だと思っていたから、油断して、
それが一番悪かったの。相手は友達と言っても異性なのだから。
気軽に逢うべきじゃなかったの・・・」
「ラリイ・・・お前・・・」
「ネイル・・・謝らないで・・・ネイルは何も悪くない。
謝らなきゃいけないのは私・・・」
「ラリイ・・・んん」
今度はラリイの方からネイルにキスをする。
ネイルも素直にラリイからのキスを受け取り、優しく抱きしめる。
「ピーピー♪」
2人がキスしていると、ネイルの頭に1匹の青い鳥が、2人のキスをからかうように鳴く。
「あ!」
「え?」
ラリイは青い小鳥に気が付く。ネイルも頭に違和感を覚えて、
なんだ?と不思議がる。
「ネイル!あの子達が来てくれた♪」
「本当か?!」
ラリイが嬉しそうに言うと、ネイルも顔を綻ばせる。
この青い鳥の夫婦に、ラリイ達は感謝してもしきれない。
「ありがとう!本当にありがとうね!!」
「ありがとうな!本当に助かった!」
ラリイもネイルも、青い小鳥の夫婦に何度も感謝の言葉を告げる。
「ピーピピー」
雄の方の青い小鳥は、ラリイの手に留まっていた。
雌の方は、ネイルの肩にいる。
ラリイはふと、雄の足の古傷に気づく。
そして、ある昔の事を思い出した。
「え?もしかして、貴方は、あの時の子?」
「ん?どうしたんだ、ラリイ?」
ラリイの言葉にネイルが気づく。ラリイはネイルに自分が
思い出したことを話す。
「あのね、私が子供の頃にね、私の部屋の窓に怪我した、
子供の小鳥が来たことがあってね!」
「うん。」
「すぐにフェニおばちゃまのとこに連れて行って、急いで
手当てして貰ったの!で、何とか怪我も治って、数日後には
無事に森に帰って行ったんだけど・・・」
ラリイは、再度確認するように、雄の方の青い小鳥と目を合わせる。
「もしかして、あの時の子なの?」
「ピピピ♪」
雄の青い小鳥は、正解と言わんばかりに、ラリイの周りを飛び回り、ネイルの肩に雌と一緒に留まった。
「本当?!だから・・・ドラゴネスまで、私の為に、
奥さん連れて逢いに来てくれたんだね?」
「だから、フェニキアにしかいないのに・・・ドラゴネスに居たのか?!」
ラリイの話を聞いて、ネイルも謎が解けて、すっきりとした気分に
なった。それはラリイも同じだった。
まさか、ラリイが子供の事に助けた子供の小鳥が、
今回のあの幻の奇跡の青い小鳥の雄の方だったとは。
「ラリイって・・・本当にすげぇーな・・・」
ネイルはもうただただ感心するしかなかった。
ラリイの日頃の行いの良さが、巡り巡って、今回2人を救ったのだ。
そうでなかったら、今頃どんな悲劇が起きていたか・・・
「奥さんも助けてくれてありがとう♪」
ラリイが雌の方にも笑顔でお礼を言うと、雄より高い鳴き声で、
楽し気に鳴いてみせた。
「ねぇーねぇーネイル?」
「ん?」
「この屋上庭園に、小鳥さん達のお家作ってもいいかな?」
「お?いいんじゃないか?早速、頼もう。」
「うん♪」
ラリイ達は、城に居る職人達に頑丈な巣箱を何個か作って貰い、
他にも必要なものを揃えて、屋上庭園に設置して貰った。
青い小鳥の夫婦は大勢の人間が来て、驚いて、
空に逃げていたが、設置が終わってから、ラリイが大きな声で空に呼びかける。
「びっくりさせちゃって、ごめんね!でも、休める場所を
作ってみたから、良かったら使ってみてね!!!」
ラリイは大きく手を振り、青い小鳥の夫婦に叫んだ。
「俺達の心からの感謝の気持ちだ!良ければ、好きに使ってくれ!」
ネイルもラリイと同じように叫び、それからラリイと同じように手も振るう。
「これで、使ってくれるといいね♪」
「ああ、少しでもお礼になればいいな・・・」
2人は静かに微笑み合い、城の中に戻った。
やっと2人は気持ちが落ち着いて来た感じだった。
そして、ネイルは決意した。もう明日、結婚式をしようと。