第九章「不始末」
フェルオリアにもう少し滞在してはどうか?と散々言われた、
2人だったが、結婚式の準備の為にどうしても早めに帰りたいと言い、
そんな2人に渋々フェルオリアは引き下がった。
「悲しいものだな。娘も愛する男が出来るとこんなに冷たくなるものなのか?アディリス?」
「父上。みっともないですよ。」
悲しがる父に、呆れながら諭す兄。
こんな父と兄のやり取りを思い出して、ラリイは苦笑いするしかなかった。
帰りの馬車の中で、ラリイとネイルが話し合う。
「義父上・・・ラリイと別れるの、めっちゃ寂しがってたな。」
「うん。あんなこと言う、父上は初めてかも・・・」
「なら、結婚式がちゃんと済んで、俺達の生活が安定したら、
いつでも気軽に帰ればいいさ。ラリイの祖国なんだから。」
「え!いいの?」
ネイルのその言葉にラリイが喜んで見せる。
流石に、そんな言葉を言ってくれるとは思っていなかったのだ。
「でも、長居は禁止だからな!俺だって・・・寂しいんだから。」
「うん♪それはわかってる!」
「全く、俺もラリイには弱いな・・・」
「そんな、優しいネイルが大好きだよ♪」
「なっ!」
ラリイのド超級な返しに、ネイルは恥ずかしがる。
「本当、ラリイは素直だな。こっちが恥ずかしくなるくらい。」
照れつつも、やや呆れながら、ネイルはラリイに言った。
そうかな?とラリイは不思議がっていた。
馬車は順調にドラゴネス城に向かっていた。
「お2人が持ち帰った国石で作った、結婚指輪出来ましたよ。」
ドラゴネス国に戻って来て、カミーラは政務室でネイルに
出来た指輪の箱を渡し報告した。
ネイルは出来上がった結婚指輪を見て、想像以上の仕上がりに、
ほうと感嘆の声を出す。
「急がせて作らせたわりに、いい仕上がりだな。」
「ええ、それはもちろんです。国でも一番の腕と噂の者に
頼みましたし。今後も、お2人の指輪は歴史的価値も
あるでしょうから。慎重に慎重を重ねて作らせましたよ。」
「有り難うな。カミーラ。助かる。」
「いいえ。ネイルが幸せになってくれるなら、何よりです。」
カミーラは穏やかな表情で答えた。
ネイルは、カミーラが最近、ラリイにも穏やかに対応して
くれてることに感謝していた。
何があったのかは、詳しくは知らないが、もうラリイを鳥頭とか、
カミーラが馬鹿にすることもない。
「メディーナに何か言われたのか・・・?」
ボソッと小声で言う、ネイルに、カミーラは何ですか?と聞き返す。
「あ、いや。カミーラにも何か心情の変化があったんだな。
って思ってな。」
「ええ・・・ま・・・」
少し気まずそうにするカミーラにネイルは静かに微笑んだ。
「いつか話してくれるんだろ?今は無理に聞かないさ。」
「ネイル・・・」
「カミーラも俺にとっては大事な・・・
家族みたいなもんだからな。だから、これからも頼む。」
「承知しております。ネイル。」
「うん。」
ネイルにとっては、カミーラもベアードも無くてはならない存在だ。
2人にだって、自分と同じくらい、幸せになって欲しいと心から願っている。
2人が居なければ、今日までのドラゴネス国はないのだから。
「そう言えば、ラリイ王女はどこに?」
「さぁ?教会辺りじゃないか、城について、すぐに教会に
行ってくるって言ってたからな。」
「そうですか・・・」
「何だ?ラリイに用事か?」
「あ、いえ。そういうわけではないです。」
「ん?そうか?ならいいが。」
少し歯切れの悪い返事をするカミーラに、ちょっと気になったネイルであったが、
溜まってしまった仕事をさっさと片付けようと、カミーラと
一緒になり、いつもの様に仕事を始めた。
カミーラは仕事をしつつ、自分のしなければならないことを考えていた。
2人だったが、結婚式の準備の為にどうしても早めに帰りたいと言い、
そんな2人に渋々フェルオリアは引き下がった。
「悲しいものだな。娘も愛する男が出来るとこんなに冷たくなるものなのか?アディリス?」
「父上。みっともないですよ。」
悲しがる父に、呆れながら諭す兄。
こんな父と兄のやり取りを思い出して、ラリイは苦笑いするしかなかった。
帰りの馬車の中で、ラリイとネイルが話し合う。
「義父上・・・ラリイと別れるの、めっちゃ寂しがってたな。」
「うん。あんなこと言う、父上は初めてかも・・・」
「なら、結婚式がちゃんと済んで、俺達の生活が安定したら、
いつでも気軽に帰ればいいさ。ラリイの祖国なんだから。」
「え!いいの?」
ネイルのその言葉にラリイが喜んで見せる。
流石に、そんな言葉を言ってくれるとは思っていなかったのだ。
「でも、長居は禁止だからな!俺だって・・・寂しいんだから。」
「うん♪それはわかってる!」
「全く、俺もラリイには弱いな・・・」
「そんな、優しいネイルが大好きだよ♪」
「なっ!」
ラリイのド超級な返しに、ネイルは恥ずかしがる。
「本当、ラリイは素直だな。こっちが恥ずかしくなるくらい。」
照れつつも、やや呆れながら、ネイルはラリイに言った。
そうかな?とラリイは不思議がっていた。
馬車は順調にドラゴネス城に向かっていた。
「お2人が持ち帰った国石で作った、結婚指輪出来ましたよ。」
ドラゴネス国に戻って来て、カミーラは政務室でネイルに
出来た指輪の箱を渡し報告した。
ネイルは出来上がった結婚指輪を見て、想像以上の仕上がりに、
ほうと感嘆の声を出す。
「急がせて作らせたわりに、いい仕上がりだな。」
「ええ、それはもちろんです。国でも一番の腕と噂の者に
頼みましたし。今後も、お2人の指輪は歴史的価値も
あるでしょうから。慎重に慎重を重ねて作らせましたよ。」
「有り難うな。カミーラ。助かる。」
「いいえ。ネイルが幸せになってくれるなら、何よりです。」
カミーラは穏やかな表情で答えた。
ネイルは、カミーラが最近、ラリイにも穏やかに対応して
くれてることに感謝していた。
何があったのかは、詳しくは知らないが、もうラリイを鳥頭とか、
カミーラが馬鹿にすることもない。
「メディーナに何か言われたのか・・・?」
ボソッと小声で言う、ネイルに、カミーラは何ですか?と聞き返す。
「あ、いや。カミーラにも何か心情の変化があったんだな。
って思ってな。」
「ええ・・・ま・・・」
少し気まずそうにするカミーラにネイルは静かに微笑んだ。
「いつか話してくれるんだろ?今は無理に聞かないさ。」
「ネイル・・・」
「カミーラも俺にとっては大事な・・・
家族みたいなもんだからな。だから、これからも頼む。」
「承知しております。ネイル。」
「うん。」
ネイルにとっては、カミーラもベアードも無くてはならない存在だ。
2人にだって、自分と同じくらい、幸せになって欲しいと心から願っている。
2人が居なければ、今日までのドラゴネス国はないのだから。
「そう言えば、ラリイ王女はどこに?」
「さぁ?教会辺りじゃないか、城について、すぐに教会に
行ってくるって言ってたからな。」
「そうですか・・・」
「何だ?ラリイに用事か?」
「あ、いえ。そういうわけではないです。」
「ん?そうか?ならいいが。」
少し歯切れの悪い返事をするカミーラに、ちょっと気になったネイルであったが、
溜まってしまった仕事をさっさと片付けようと、カミーラと
一緒になり、いつもの様に仕事を始めた。
カミーラは仕事をしつつ、自分のしなければならないことを考えていた。