第八章「結婚準備」
ラリイ達が、フェルオリアに謁見した、その日の夜に、
宴は盛大に行われた。
ラリイ達が正式に結婚する事を認められた為に、集まれる一族の者は
大集合した形だ。
「ネイル王!何を遠慮される!もっと飲まれよ!いや!
もうネイル王などと言うまい!ネイル殿は私の新しい息子だ!
さっさ!もっと、義父(ちち)の酒のを飲め!飲め!」
「あ、はい!」
謁見の間に居たのとは、まるで別人のようになった、フェルオリアに、
強引に酒を注がれていき、ネイルはタジタジだった。
酒は嫌いではなかったが、こうした雰囲気に馴染みのないネイルのは、
戸惑う事ばかりだった。
「もう!父上!ネイルを困らせないで!!」
ラリイが、酔っ払い気味の父に怒る。
いつも厳粛にしている父も、宴の時だけは、お酒を飲みすぎて、
別人のように陽気になるのだ。
「何を言うラリイ!ネイル殿を私に取られて怒っておるのか?
アハハ!しかし、ネイル殿も悪いぞ!あんな上質の酒を、沢山、
この酒好きの私にお土産で持ってくるのだからな!」
「そこまで、喜んで頂けて、恐縮です。」
フェルオリアは豪快に笑いながら、ネイルに肩を組み、
嬉しそうにお酒を飲み干す。
ラリイは飽きれながらも、ついさっき前の出来事を思い出す。
「え?父上にお土産?」
「ああ、手ぶらでってわけにもいかないだろう?」
「父上は、お酒大好きだけど・・・」
「うん、その話は聞いてたから、カミーラに頼んで、上質な酒を大樽で10樽程用意させて、先に運ばせた。」
「え?!10樽も?!フェニキアで、かなり大きいな行事でも
2樽くらいしか用意出来ないのに!そんなに?!」
この話をネイルから聞いて、フェルオリアがあんなに上機嫌なのは、そのお土産もあるからなんだろうなーとラリイは思った。
意外な単純だった父を見て、ラリイは笑うしかなかった。
「あんなに心配して、損しちゃった・・・でも良かった。」
誰に聞かれるでもなく、ラリイはボソッと呟いた。
「ラリイ、少しいいか?」
宴の途中で、ラリイは兄のアディリスから声を掛けられる。
少し真剣な兄の表情に、ラリイはすぐに答える。
「どうしたの?お兄様?」
「ちょっとな・・・聞きたいことがあるんだ。」
「わかりました。ここじゃ聞き取りにくいから、
すぐにでも、別の場所へ・・・」
ラリイ達は宴の席から離れて、誰も居ない、廊下に出てくる。
「お話って何?お兄様?」
「ラリイ・・・お前、ネイル王とはしたのか?」
「え?したって・・・?」
「身体の関係のことだ。」
「?!」
突然の無表情な兄の露骨な質問にラリイが驚く。
兄から、こんな話をされるとは夢にも思わなかったラリイは、
照れるよりも、困惑する気持ちの方が大きかった。
「け、結婚して、初夜を迎えるまでは、そんな関係になってません!!」
「本当か?」
「どうして、そんな話をするの?」
「ラリイがネイル王を愛してると思っているのは、
そういう関係に無理矢理なったからじゃないのか?」
「ち、違います!!ネイルはそんな人じゃないです!!」
「うむ・・・」
ラリイのしっかりした拒絶にアディリスも苦い顔をする。
どうやら、ラリイの言い分に納得していないらしい。
「なら、試してみればいい、お前がまだ処女なら、私の掛ける
魔法で記憶を失うことはあるまい。」
「え?」
そうアディリスが言うと、ラリイの額に掌をかざして、短く魔法を唱える。
ラリイは抵抗する間もなく、兄の掌から出る白い光を見ると、
ふらっと倒れ込んだ。
「ラリイ・・・許せ。これはお前の為でもあるんだ。」
倒れ込んだ妹を大事に抱きかかえ、アディリスはラリイの寝室に
ラリイを運んだ。
宴は盛大に行われた。
ラリイ達が正式に結婚する事を認められた為に、集まれる一族の者は
大集合した形だ。
「ネイル王!何を遠慮される!もっと飲まれよ!いや!
もうネイル王などと言うまい!ネイル殿は私の新しい息子だ!
さっさ!もっと、義父(ちち)の酒のを飲め!飲め!」
「あ、はい!」
謁見の間に居たのとは、まるで別人のようになった、フェルオリアに、
強引に酒を注がれていき、ネイルはタジタジだった。
酒は嫌いではなかったが、こうした雰囲気に馴染みのないネイルのは、
戸惑う事ばかりだった。
「もう!父上!ネイルを困らせないで!!」
ラリイが、酔っ払い気味の父に怒る。
いつも厳粛にしている父も、宴の時だけは、お酒を飲みすぎて、
別人のように陽気になるのだ。
「何を言うラリイ!ネイル殿を私に取られて怒っておるのか?
アハハ!しかし、ネイル殿も悪いぞ!あんな上質の酒を、沢山、
この酒好きの私にお土産で持ってくるのだからな!」
「そこまで、喜んで頂けて、恐縮です。」
フェルオリアは豪快に笑いながら、ネイルに肩を組み、
嬉しそうにお酒を飲み干す。
ラリイは飽きれながらも、ついさっき前の出来事を思い出す。
「え?父上にお土産?」
「ああ、手ぶらでってわけにもいかないだろう?」
「父上は、お酒大好きだけど・・・」
「うん、その話は聞いてたから、カミーラに頼んで、上質な酒を大樽で10樽程用意させて、先に運ばせた。」
「え?!10樽も?!フェニキアで、かなり大きいな行事でも
2樽くらいしか用意出来ないのに!そんなに?!」
この話をネイルから聞いて、フェルオリアがあんなに上機嫌なのは、そのお土産もあるからなんだろうなーとラリイは思った。
意外な単純だった父を見て、ラリイは笑うしかなかった。
「あんなに心配して、損しちゃった・・・でも良かった。」
誰に聞かれるでもなく、ラリイはボソッと呟いた。
「ラリイ、少しいいか?」
宴の途中で、ラリイは兄のアディリスから声を掛けられる。
少し真剣な兄の表情に、ラリイはすぐに答える。
「どうしたの?お兄様?」
「ちょっとな・・・聞きたいことがあるんだ。」
「わかりました。ここじゃ聞き取りにくいから、
すぐにでも、別の場所へ・・・」
ラリイ達は宴の席から離れて、誰も居ない、廊下に出てくる。
「お話って何?お兄様?」
「ラリイ・・・お前、ネイル王とはしたのか?」
「え?したって・・・?」
「身体の関係のことだ。」
「?!」
突然の無表情な兄の露骨な質問にラリイが驚く。
兄から、こんな話をされるとは夢にも思わなかったラリイは、
照れるよりも、困惑する気持ちの方が大きかった。
「け、結婚して、初夜を迎えるまでは、そんな関係になってません!!」
「本当か?」
「どうして、そんな話をするの?」
「ラリイがネイル王を愛してると思っているのは、
そういう関係に無理矢理なったからじゃないのか?」
「ち、違います!!ネイルはそんな人じゃないです!!」
「うむ・・・」
ラリイのしっかりした拒絶にアディリスも苦い顔をする。
どうやら、ラリイの言い分に納得していないらしい。
「なら、試してみればいい、お前がまだ処女なら、私の掛ける
魔法で記憶を失うことはあるまい。」
「え?」
そうアディリスが言うと、ラリイの額に掌をかざして、短く魔法を唱える。
ラリイは抵抗する間もなく、兄の掌から出る白い光を見ると、
ふらっと倒れ込んだ。
「ラリイ・・・許せ。これはお前の為でもあるんだ。」
倒れ込んだ妹を大事に抱きかかえ、アディリスはラリイの寝室に
ラリイを運んだ。