第七章「試練」
「何とも!!見たかえ?こんなことになろうとは、
わしでも想像がつかんよ!
あの2人は婚姻の試練の儀を失敗させようなどと、
企てていたようじゃが、やっぱり、あの2人の縁の力には
勝てなかったようじゃの、ほっほっほ。」
「ネフィリート様、笑いすぎでは?」
「何を言っておる!これが笑わずにはいられるかえ?前代未聞じゃぞ?
国竜の子供が現れるだけで奇跡なのに、その子供から、
貴重な緑の国石のドラゴンアイを授かったんじゃぞ?
こんな事は、今後の歴史においても、起こるかどうか。
本当にラリイは大した娘じゃよ。」
「それについては、私も恐れ入ります。」
「そうじゃろーそうじゃろーいやーこれでドラゴネス国も安泰じゃー!
さて!今度はラリイの花嫁衣裳でも考えなければのぉー♪」
「ネフィリート様、流石に今度はネイル様の意見も聞いた方が良いかと・・・」
ネフィリートの部屋でネフィリートの嬉しそうな声と困惑する執事の声が聞こえて来ていた。
ネフィリートは水晶でラリイ達の行動を見守っていたのだ。
ネフィリートには、全てわかっていた。
あの2人が最初は婚姻の試練の儀を行い、
わざと失敗しようとしていたことまで。
「流石に、今回の事であのネイルも腹を括るであろうよ。
ラリイも、ネイルがちゃんと自分の気持ちを言えば、
受け入れてくれよう・・・
あの兄との決闘の時に、あれだけの意志を
示してくれたのだから・・・」
ネフィリートは心の底から、2人を応援していた。
2人で幸せになって欲しいと・・・
「俺の気持ちは別の場所でしっかり言う。」
ネイルにそう言われて、ラリイは心臓がドキドキしっぱなしだった。
「それって、どういう意味なんだろう。期待していいの?
でも・・・ネイルは結婚なんて、望んでないんじゃないの?」
いい方向に考えたいと思っても、最初に言われた、結婚する気は
ないと、はっきり言われた、あの時の事を思い出すと、
ラリイは複雑な気持ちでしか居られなかった。
今のこんな状況になっても、ネイルは何て言い出すか、
ラリイには想像がつかない。
「ラリイ・・・いるか?」
ラリイのいる部屋にネイルの声が掛かる。
「うん!い、いるよ!」
「そうか・・・なら俺の部屋に来てくれないか?」
「うん、わかった!今、そっちに行くね!」
「俺は廊下で待ってる。一緒に行こう。」
自分の部屋から出て来た、ラリイを見て、ネイルは優しく微笑んだ。
「一緒に俺の部屋に行こう。」
「うん・・・」
今まで以上に、ネイルの表情が穏やかな気がする。
ラリイは、ますますドキドキしてしまう。
どうして、あんなに優しい顔で自分を見てくれるんだろう?
ラリイは少し不思議に思った。
「ここからは、俺の秘密の部屋な。誰にも内緒だぞ?」
ネイルは自分の部屋に入ると、他の誰にも入らせないように鍵をかけて、隠し部屋にラリイを案内する。
そこには、ずらっとたくさんのウサちゃんシリーズのうさぎが
綺麗にぎっしりと並んでいた。
「す、凄い!こんなにたくさん持ってたの?!!!」
「まぁ・・・な・・・」
コレクションの凄さに驚くラリイに、ネイルは照れ臭そうにする。
「ここにある、ウサちゃんシリーズのうさぎは、
俺がずっと想い続けてた初恋の子にお礼であげようと
思って集めていたんだ。」
「ネイルの初恋の子?」
「うん。俺が苦しい時に助けてくれた恩人で初恋の子。」
「へぇ・・・」
「その子は、自分が大事にしていた、うさぎを俺に貸してくれたんだ。
俺を慰める為に・・・そのうさぎがそこにある真ん中のうさぎ。」
「え?・・・あのうさぎって・・・」
ラリイは一瞬固まる。
あのうさぎは、過去に自分がフェニから譲り受けた、
夢で出て来た、あのうさぎだった。
ラリイは思い出す。
そうだ、過去に、ある場所で泣いていた男の子に貸してあげたことを。
「え?じゃあ、まさか・・・
あの時に泣いてた男の子って・・・ネイルだったの?」
ラリイがそう言うと、ネイルは有無も言わさずに、ラリイを抱きしめた。
突然の出来事に、ラリイは混乱する。
「ああ、やっぱり・・・お前が・・・ラリイが・・・
俺の長年の想い人だったんだな・・・逢いたかった・・・
お前に、どれだけ逢いたかったか・・・ラリイ・・・」
「ネ、ネイル・・・」
思いがけないネイルの熱い抱擁にラリイはタジタジになる。
ネイルの声が色っぽくなる。ラリイは今、凄くネイルに
自分が求められているのを感じた。
「ラリイ。俺に何の迷いもない。俺はお前と結婚したい。
いや、もう結婚してくれ。ラリイが断っても逃がさない。」
「え?え?!ネイル?!」
信じられないネイルの言葉にラリイはますます混乱する。
別人にでもなったのではないかと言うくらいのネイルの
熱烈なプロポーズを受けて、ラリイは嬉しさと
混乱の真っただ中にいた。
わしでも想像がつかんよ!
あの2人は婚姻の試練の儀を失敗させようなどと、
企てていたようじゃが、やっぱり、あの2人の縁の力には
勝てなかったようじゃの、ほっほっほ。」
「ネフィリート様、笑いすぎでは?」
「何を言っておる!これが笑わずにはいられるかえ?前代未聞じゃぞ?
国竜の子供が現れるだけで奇跡なのに、その子供から、
貴重な緑の国石のドラゴンアイを授かったんじゃぞ?
こんな事は、今後の歴史においても、起こるかどうか。
本当にラリイは大した娘じゃよ。」
「それについては、私も恐れ入ります。」
「そうじゃろーそうじゃろーいやーこれでドラゴネス国も安泰じゃー!
さて!今度はラリイの花嫁衣裳でも考えなければのぉー♪」
「ネフィリート様、流石に今度はネイル様の意見も聞いた方が良いかと・・・」
ネフィリートの部屋でネフィリートの嬉しそうな声と困惑する執事の声が聞こえて来ていた。
ネフィリートは水晶でラリイ達の行動を見守っていたのだ。
ネフィリートには、全てわかっていた。
あの2人が最初は婚姻の試練の儀を行い、
わざと失敗しようとしていたことまで。
「流石に、今回の事であのネイルも腹を括るであろうよ。
ラリイも、ネイルがちゃんと自分の気持ちを言えば、
受け入れてくれよう・・・
あの兄との決闘の時に、あれだけの意志を
示してくれたのだから・・・」
ネフィリートは心の底から、2人を応援していた。
2人で幸せになって欲しいと・・・
「俺の気持ちは別の場所でしっかり言う。」
ネイルにそう言われて、ラリイは心臓がドキドキしっぱなしだった。
「それって、どういう意味なんだろう。期待していいの?
でも・・・ネイルは結婚なんて、望んでないんじゃないの?」
いい方向に考えたいと思っても、最初に言われた、結婚する気は
ないと、はっきり言われた、あの時の事を思い出すと、
ラリイは複雑な気持ちでしか居られなかった。
今のこんな状況になっても、ネイルは何て言い出すか、
ラリイには想像がつかない。
「ラリイ・・・いるか?」
ラリイのいる部屋にネイルの声が掛かる。
「うん!い、いるよ!」
「そうか・・・なら俺の部屋に来てくれないか?」
「うん、わかった!今、そっちに行くね!」
「俺は廊下で待ってる。一緒に行こう。」
自分の部屋から出て来た、ラリイを見て、ネイルは優しく微笑んだ。
「一緒に俺の部屋に行こう。」
「うん・・・」
今まで以上に、ネイルの表情が穏やかな気がする。
ラリイは、ますますドキドキしてしまう。
どうして、あんなに優しい顔で自分を見てくれるんだろう?
ラリイは少し不思議に思った。
「ここからは、俺の秘密の部屋な。誰にも内緒だぞ?」
ネイルは自分の部屋に入ると、他の誰にも入らせないように鍵をかけて、隠し部屋にラリイを案内する。
そこには、ずらっとたくさんのウサちゃんシリーズのうさぎが
綺麗にぎっしりと並んでいた。
「す、凄い!こんなにたくさん持ってたの?!!!」
「まぁ・・・な・・・」
コレクションの凄さに驚くラリイに、ネイルは照れ臭そうにする。
「ここにある、ウサちゃんシリーズのうさぎは、
俺がずっと想い続けてた初恋の子にお礼であげようと
思って集めていたんだ。」
「ネイルの初恋の子?」
「うん。俺が苦しい時に助けてくれた恩人で初恋の子。」
「へぇ・・・」
「その子は、自分が大事にしていた、うさぎを俺に貸してくれたんだ。
俺を慰める為に・・・そのうさぎがそこにある真ん中のうさぎ。」
「え?・・・あのうさぎって・・・」
ラリイは一瞬固まる。
あのうさぎは、過去に自分がフェニから譲り受けた、
夢で出て来た、あのうさぎだった。
ラリイは思い出す。
そうだ、過去に、ある場所で泣いていた男の子に貸してあげたことを。
「え?じゃあ、まさか・・・
あの時に泣いてた男の子って・・・ネイルだったの?」
ラリイがそう言うと、ネイルは有無も言わさずに、ラリイを抱きしめた。
突然の出来事に、ラリイは混乱する。
「ああ、やっぱり・・・お前が・・・ラリイが・・・
俺の長年の想い人だったんだな・・・逢いたかった・・・
お前に、どれだけ逢いたかったか・・・ラリイ・・・」
「ネ、ネイル・・・」
思いがけないネイルの熱い抱擁にラリイはタジタジになる。
ネイルの声が色っぽくなる。ラリイは今、凄くネイルに
自分が求められているのを感じた。
「ラリイ。俺に何の迷いもない。俺はお前と結婚したい。
いや、もう結婚してくれ。ラリイが断っても逃がさない。」
「え?え?!ネイル?!」
信じられないネイルの言葉にラリイはますます混乱する。
別人にでもなったのではないかと言うくらいのネイルの
熱烈なプロポーズを受けて、ラリイは嬉しさと
混乱の真っただ中にいた。