第六章「確認」
宿に戻り、ネイルはすぐに女将に頼んで、伝書を急ぎ、
ドラゴネス城に届けるように頼んだ。
「今、俺が出来ることはこれぐらいか・・・」
歯痒い思いだが、ネイルにはこれくらいしか出来なかった。
無理に身分を明かし、あの場を取り締まることは出来なくも
なかったが、それをすれば、この宿にも、国にも迷惑が
掛かることは目に見えてわかっていた。
王と言う立場である以上、無理は出来ない。
そんな自分にネイルは苛立ちを隠せない。
何より、あんな悲しんでるラリイに、何も出来ない自分が許せなかった。
「ネイル・・・ごめんね。我が儘言って・・・」
ラリイは申し訳なさそうに、ネイルに言う。
「いや、ラリイは何も悪くない。むしろ、感謝してる。
国の大事な竜を、あんな扱いされてるんだ、絶対に俺はあいつを許さない。
なのに、今すぐにどうにか出来ない自分も情けないよな・・・」
「そ、そんなことないよ!!!」
「ラリイ?」
悔しそうにするネイルにラリイは、ネイルの手を取って、真剣な眼差しで言う。
「あの時のネイルは、本当にカッコ良かったよ!
自分の国を、国竜を大事にしてるのが凄く分かったもん!
私なんかより、よっぽどネイルの方が悔しいのに・・・
でも、私が危険に巻き込まれないように、気を使ってくれて・・・
ネイルは本当に素敵な王様だよ!!!」
「ラ、ラリイ・・・」
心強いラリイの励ましにネイルは、ふっと笑った。
ラリイがこんなに言ってくれるなら、まだどうにかなるだろうと
ネイルはそう思った。
「お熱いねお2人さん。」
ニヤニヤ顔をしたバルトが2人にお茶と団子を持って、ネイルの部屋に来ていた。
2人は恥ずかしさで急いで離れる。
「なんだよーいいんだよ?そのまま、イチャイチャしてて?」
「うるさい!からかうな!バルト!」
「へいへいーお茶とお茶菓子置いておきますから。」
「あ、ありがとうございます。」
「いえいえーお邪魔様でしたー!」
からかわれたことに怒るネイルに、お茶を出して貰ったことに
感謝するラリイ。
バルトは、ますますニヤニヤしながら、部屋を出ていく。
なんだか、気まずい雰囲気になった2人は、静かにお茶を飲んだ。
「そう言えば、ラリイは鳥以外でも、動物の言葉がわかるのか?」
ネイルは気まずい雰囲気を変えようと、ラリイに話かけた。
ラリイが鳥と会話のようなものが出来るのは、前から知ってはいたが、
他の動物の声までわかるのかは、知らなかった。
「うーん、時々だけど、他の動物さんの声もわかる時がある感じかな?
全部が全部じゃないけど。今回はあの子の声が、それだけ必死で
真剣なものだったから、感じ取れたんだと思う。」
「そっか・・・」
ラリイの言葉を聞きながら、ネイルはお茶を啜った。
国竜の幼竜と今回は波長が合ったと言う感じなのだろうか?
そう考えるとラリイは、ますますドラゴネス国の王妃に
相応しいのでは?とネイルは勝手に考えて、恥ずかしくなって止めた。
まだ、自分の気持ちも伝えていないし、ラリイの気持ちも
聞いてないのに、何を考えてるんだと。
「一応、ここの温泉街にいる小鳥さん達にも、あの子の事を
お母さん竜に届くように頼んではみたんだ。
おまじないくらいにしかならないけど・・・」
「そうだな。出来ることはしたらいい。俺はラリイの行動に感謝してるよ。」
「あ、ありがとう。」
ネイルの感謝の言葉にラリイは恥ずかしそうにする。
「さて、気分を一転する為にも、本来の目的だった、温泉に入るか。」
お茶と団子を食べ終わったネイルは、立ち上がり、ラリイに言う。
「ラリイも自分の部屋に行ってみな。
奥に小さいけど、露天風呂があるはずだ。
そこなら、人目を気にすることないし、好きな時間にいつでも入れるから。」
「え?!そんな、凄いことになってるの?」
「うん?そうだけど?」
驚くラリイにネイルは不思議そうな顔をする。
なんだか、ラリイはネイルのスケールの大きさみたいなものに、
何故か圧倒された様な気分になる。
やっぱり、大国ともなると、こういうのは普通なのだろうか?
ラリイはネイルの言われた通りに自分の部屋に戻り、
奥の露天風呂を見て、目を輝かせていた。
ドラゴネス城に届けるように頼んだ。
「今、俺が出来ることはこれぐらいか・・・」
歯痒い思いだが、ネイルにはこれくらいしか出来なかった。
無理に身分を明かし、あの場を取り締まることは出来なくも
なかったが、それをすれば、この宿にも、国にも迷惑が
掛かることは目に見えてわかっていた。
王と言う立場である以上、無理は出来ない。
そんな自分にネイルは苛立ちを隠せない。
何より、あんな悲しんでるラリイに、何も出来ない自分が許せなかった。
「ネイル・・・ごめんね。我が儘言って・・・」
ラリイは申し訳なさそうに、ネイルに言う。
「いや、ラリイは何も悪くない。むしろ、感謝してる。
国の大事な竜を、あんな扱いされてるんだ、絶対に俺はあいつを許さない。
なのに、今すぐにどうにか出来ない自分も情けないよな・・・」
「そ、そんなことないよ!!!」
「ラリイ?」
悔しそうにするネイルにラリイは、ネイルの手を取って、真剣な眼差しで言う。
「あの時のネイルは、本当にカッコ良かったよ!
自分の国を、国竜を大事にしてるのが凄く分かったもん!
私なんかより、よっぽどネイルの方が悔しいのに・・・
でも、私が危険に巻き込まれないように、気を使ってくれて・・・
ネイルは本当に素敵な王様だよ!!!」
「ラ、ラリイ・・・」
心強いラリイの励ましにネイルは、ふっと笑った。
ラリイがこんなに言ってくれるなら、まだどうにかなるだろうと
ネイルはそう思った。
「お熱いねお2人さん。」
ニヤニヤ顔をしたバルトが2人にお茶と団子を持って、ネイルの部屋に来ていた。
2人は恥ずかしさで急いで離れる。
「なんだよーいいんだよ?そのまま、イチャイチャしてて?」
「うるさい!からかうな!バルト!」
「へいへいーお茶とお茶菓子置いておきますから。」
「あ、ありがとうございます。」
「いえいえーお邪魔様でしたー!」
からかわれたことに怒るネイルに、お茶を出して貰ったことに
感謝するラリイ。
バルトは、ますますニヤニヤしながら、部屋を出ていく。
なんだか、気まずい雰囲気になった2人は、静かにお茶を飲んだ。
「そう言えば、ラリイは鳥以外でも、動物の言葉がわかるのか?」
ネイルは気まずい雰囲気を変えようと、ラリイに話かけた。
ラリイが鳥と会話のようなものが出来るのは、前から知ってはいたが、
他の動物の声までわかるのかは、知らなかった。
「うーん、時々だけど、他の動物さんの声もわかる時がある感じかな?
全部が全部じゃないけど。今回はあの子の声が、それだけ必死で
真剣なものだったから、感じ取れたんだと思う。」
「そっか・・・」
ラリイの言葉を聞きながら、ネイルはお茶を啜った。
国竜の幼竜と今回は波長が合ったと言う感じなのだろうか?
そう考えるとラリイは、ますますドラゴネス国の王妃に
相応しいのでは?とネイルは勝手に考えて、恥ずかしくなって止めた。
まだ、自分の気持ちも伝えていないし、ラリイの気持ちも
聞いてないのに、何を考えてるんだと。
「一応、ここの温泉街にいる小鳥さん達にも、あの子の事を
お母さん竜に届くように頼んではみたんだ。
おまじないくらいにしかならないけど・・・」
「そうだな。出来ることはしたらいい。俺はラリイの行動に感謝してるよ。」
「あ、ありがとう。」
ネイルの感謝の言葉にラリイは恥ずかしそうにする。
「さて、気分を一転する為にも、本来の目的だった、温泉に入るか。」
お茶と団子を食べ終わったネイルは、立ち上がり、ラリイに言う。
「ラリイも自分の部屋に行ってみな。
奥に小さいけど、露天風呂があるはずだ。
そこなら、人目を気にすることないし、好きな時間にいつでも入れるから。」
「え?!そんな、凄いことになってるの?」
「うん?そうだけど?」
驚くラリイにネイルは不思議そうな顔をする。
なんだか、ラリイはネイルのスケールの大きさみたいなものに、
何故か圧倒された様な気分になる。
やっぱり、大国ともなると、こういうのは普通なのだろうか?
ラリイはネイルの言われた通りに自分の部屋に戻り、
奥の露天風呂を見て、目を輝かせていた。